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生産性 Feed

2018年3月13日 (火)

【PMスタイル考】第132話:生産性と効率性

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Nwork

◆生産性と効率性

プロジェクトにおいても生産性向上を課題にするような話をよく耳にするようになった。ところが、プロジェクトマネジャーと話をしていると、意外と生産性とは何かということが理解されていないと感じることが多い。

特に多いのが、生産性と効率性の区別のついていないケースだ。実はこの違いは、プロジェクトマネジメントにとっては本質的なものである。そこで、まず、効率性と生産性の違いについて明確にしておこう。

効率性はある作業の労力や時間、資源をどれだけ小さくすることができるかを示す指標だ。例えば、1日に何個の商品を作れるか、プロジェクトで1日にどれだけの(作業)成果物を作れるかは効率性である。

これに対して、生産性は、使える資源をすべて総合的に使って、どれだけ新しい価値を生み出せるかを表わす指標である。ここで価値というのは、プロジェクトの成果物とは限らないことに注意してほしい。プロジェクトにおいて作られた成果物がどれだけプロジェクトの目的に役立つかが価値である。プロジェクトの最終的な成果だといってもよい。

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2017年7月13日 (木)

【働き方を変え、生産性を向上させる:3】~コミュニケーションスキルと組織文化

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Comm

◆生産性を向上する2つのアプローチ

生産性を向上するには

・コストを削減する
・付加価値を向上する

の2つのアプローチがあります。伊賀泰代さんが著書「生産性」の中で指摘しているように日本では生産性向上のアプローチとして後者のアプローチはほとんど用いられていませんので、一般的なイメージとしてはコスト削減、つまり、「効率化」の方が圧倒的に強く、そのための重要な要素の一つがコミュニケーションだと考えられています。

プロジェクトマネジメントにコミュニケーションマネジメントという概念がありますが、効率化のためのコミュニケーションはほぼこれで足ります。簡単にいえば、コミュニケーション(情報共有や伝達)が必要な場合を事前に洗い出し、どのようなスタイルでコミュニケーションするかを計画しておき、その計画に乗っ取って、コミュニケーションを実践するという方法です。コミュニケーションのルール決めですね。

 

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2017年6月16日 (金)

【働き方を変え、生産性を向上させる:2】コンセプチュアルスキル

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Conceptual2

◆マネジメントとコンセプチュアルスキル

第1回はリーダーシップの問題を取り上げましたが、日本人がチーム全員がリーダーシップをとるのが苦手な一つの理由はコンセプチュアルスキルが低いことにあるのではないかと思われます。第2回はこのような観点から、コンセプチュアルスキルについて考えてみます。

コンセプチュアルスキルというと上級管理職に必要なスキルだと考えられていますが、これはちょっと要注意です。ロバーツ・カッツがコンセプチュアルスキルを提唱したのは1950年前後ですが、実はピーター・ドラッカーによりマネジメントの概念が提唱される前なのです。

ドラッカーのマネジメントは、管理、リーダーシップ、経営を統合したものです。これに対してカッツが示したコンセプチュアルスキルは、管理や経営に個別に必要なスキルでした。もちろん、ドラッカーのいうマネジメントにコンセプチュアルスキルは不可欠です。というよりは、コンセプチュアルスキルがマネジメントを創るといってもよいかもしれません。

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2017年6月 8日 (木)

【働き方を変え、生産性を向上させる:1】リーダーシップ

Productivity◆欧米と日本のリーダーシップスタイルの違い

生産性向上の取り組みの話題がいろいろな会社やコミュニティで聞かれるようになってきました。そこで、「働き方を変え、生産性を向上させる」というテーマで、今、感じていること、考えていることを何回かに分けて書いてみようと思います。

働き方改革が注目されていますが、一番、違和感があるのはリーダーシップです。いろいろな人とこの話をしていますが、多くの人は生産性を上げることはリーダー(シップ)の問題だと考えています。初回は、まず、この話をしたいと思います。

ちょっと古い本の話になりますが、今、「生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの」という書籍が注目されている伊賀泰代氏の『採用基準』(ダイヤモンド社、2012)の中に興味深い指摘があります。以下のようなものです。

日本の考えるチームは「一人のリーダーがいて全責任を取る集まり」であるのに対して、欧米の考えるチームは「メンバー全員がリーダーシップを発揮する集まり」である。さらに、「日本ではチームの成果は“リーダーの優秀さ”で決まると考えるが、欧米では“メンバーのリーダーシップの総和”」によって決まると考える。

「採用基準」
 https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478023417/opc-22/ref=nosim
「生産性」
 https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478101574/opc-22/ref=nosim

実はこの指摘は、古くから言われているもので、僕が最初に見たのは同じマッキンゼーのコンサルタントであるジョン・R. カッツェンバックと ダグラス・K. スミスの書いた「「高業績チーム」の知恵―企業を革新する自己実現型組織」(ダイヤモンド社、1994)でした。ひょっとするとマッキンゼー流の考え方だったのかもしれませんが、今では欧米ではリーダーシップに対する一般的な考え方になっています。欧米のリーダーシップの本を読むと、チーム全員がリーダーシップを発揮するという前提で書かれています。

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