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2020年1月

2020年1月28日 (火)

【PMスタイル考】第163話 OKRにおける目標と目的

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Okr

◆MBOの限界
 
この数年、Googleやfacebookなど、シリコンバレーの成長企業が取り入れていることで話題になっている「OKR」について調べる機会があって、ウェブと調べたり、何冊か本を読んだりした。今回のPMスタイル考は、OKRの目的と目標、そしてパーパスとの関係について考えてみたい。
 
OKRとは、
 
Objectives and Key Results
 
の略称で、新しい目標管理の方法と位置付けられている。目標管理というとMBOと呼ばれるものが広く普及しており、大手企業であれば導入している企業が多い。MBOは、Management By Objectiveの略で、共通の目的を達成するための仕組みで、従業員が自律的に目標を設定することを基本としている。
 
しかし、実際にはあまりうまく行っていないケースが多い。
 
典型的なケースは、以下のように目標が形骸化しているケースだ。部下は期の初めに、その場しのぎの目標を立てる。上司は多くの部下の目標をみる必要があるので、精査せずに承認する。こういう設定をするので、目標の内容が曖昧だったり、不適切だったりする。半期が過ぎて人事評価としてフィードバックの要請があり、上司は部下の目標を覚えていないし、部下も目標設定したときとは状況が変わっており、目標が現実に合っていないことに気がつくというものだ。
 
MBOのObjectiveは目標であり、MBOを直訳すると、目標によるマネジメントということになる。実際、MBOの制度は目標によるマネジメントを目指しているわけだが、現実は形骸化をはじめとして、うまく行っていないケースが多い。なぜだろうか。
 

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2020年1月14日 (火)

【PMスタイル考】第162話:ワンチーム~本質は文化の構築

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Term2

◆ワンチームとは
 
昨年の流行語大賞は「ワンチーム」だった。このテーマはラグビーワールドカップで大活躍したジャパンが、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ就任後はじめての欧州遠征のチームを編成したときに、15年W杯代表が12人で、初代表は17人であり、新旧メンバーが混在する中で「一体感のある組織を目指そう」と選手らも加わって決めたものだという。
 
流行語大賞を受賞していからは、テレビ番組はもちろん、ビジネスの場でもこの言葉をよく耳にするようになってきた。これに対して、当事者のジャパンの選手たちは違和感もあるようだ。例えば、日本代表の堀江翔太選手は
 
「言葉を使えばワンチームになれるというわけではない。どういうふうにワンチームにするかが大事。中身をしっかり考えて使ってほしい」
 
というコメントをしている。今回のPMスタイル考は久しぶりにチームについて議論してみたい。
 
 

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2020年1月 6日 (月)

【PMスタイル考】第161話:「役に立つ」から「意味がある」へ

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Imi3

◆センスメイキング元年
 
2019年の第1号でセンスメイキングの話をした。
 
【PMスタイル考】第143話:ソリューションからセンスメイキングへ
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2019/01/post-8d6e.html
 
この記事では、クリスチャン・マスビアウが「センスメイキング」という著書で主張している、問題解決には問題を解決すること自体が「役に立つ」活動と、漠然とした課題に対して活動の「意味付け」をすることによって課題解決を図る方法があるという指摘を取り上げた。前者はソリューションと呼ばれ、後者がセンスメイキングであるが、マスビアウはこれからの時代は圧倒的に後者、すなわち、「意味付け」の方が重視されていくだろうとしている。
 
クリスチャン・マスビアウ(斎藤栄一郎訳)「センスメイキング」、プレジデント社(2018)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833423065/opc-22/ref=nosim
 
2019年は1年、「役に立つ」から「意味あある」へという流れで、いろいろな記事を書いてきたが、2020年を迎えるに当たって整理しておきたい。

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