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2019年10月

2019年10月28日 (月)

【コンセプチュアルスキルを鍛える】エンジニアにとってのコンセプチュアルスキル

 バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/conceptual_training/

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◆考える前提
 
第1回はプロジェクトマネジャーについて考えましたが、第2回はエンジニアについてです。こういう括り方をすると、エンジニアが必要とするスキルは技術分野によって異なるし、それ以外はコミュニケーションスキルだとか、ネゴシエーションスキル、リーダーシップなどが必要だろうと考えているエンジニアは多いと思います。
 
コンセプチュアルスキルの提唱者であるロバート・カッツ博士の分類では、スキルは
 
・テクニカルスキル
・ヒューマンスキル
・コンセプチュアルスキル

Conceptual_model1

に分類できるとされます。これらの関係は図1のように上級の管理者になればなるほどコンセプチュアルスキルの必要性が高くなっているわけですが、実はこれが議論されたのはピーター・ドラッカーがマネジメントを提唱する前の時代で、いわば、工場のように職場に管理者がいて、管理者が細かく作業の指示をしていた時代の話です。
 
その後、ドラッカーはマネジメントの必要性と同時に、従業員の仕事はナレッジワークに変わっていくと予言し、今は圧倒的にナレッジワーカーの方が多くなっています。ナレッジワーカーは一言でいえば、企業に対して「ナレッジ(知識)」をもって付加価値を生み出す労働者のことで、これは従来の指示された通りに作業をする労働者とは本質的に異なる存在です。この2点を考慮し、コンセプチュアルスキルの必要性は全労働者になっているというのが、PMstyleが提唱している図2のコンセプチュアルスキルのモデルです。

Conceptual_model2

 
以上がエンジニアについても前提になります。つまり、テクニカルスキルやヒューマンスキル、あるいはマネジメントスキル以外に、コンセプチュアルスキルが必要であると考えています。そして、それはどのような技術分野の専門家であろうと同じスキルが必要です。これはヒューマンスキルと同じだといえます。
 

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【PMスタイル考】第158話:プロジェクトの成果と成果物

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ 

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Prof

◆PMBOK(R)における成果と成果物

 今回のPMスタイル考は、プロジェクトの成果と成果物はなにかという議論をしてみたい。プロジェクトマネジメントの本質に関わる議論である。
 
まず、PMBOK(R)から見ていこう。PMBOK(R)では成果物は「Deliverable」の訳であり、ガイドの第6版では用語集では
 
「プロセス、フェーズ、またはプロジェクトを完遂するために生成することが求められる固有で検証可能はプロダクト、所産、またはサービス遂行能力」
 
と定義されている。
 
一方、成果は「outcomes」の訳であるが、用語集に示される明確な定義はない。また、ガイド中でもその意味は曖昧な部分があるが、意味合いを推察してみよう。
 
まず、成果の例としては
 
・ギザのピラミッド
・ポリオワクチン
・オリンピック
・子供向けの本の出版
・民間ジェット機の開発
・人類の月面着陸
 
といったものが例示されている。ここで注意すべきことは、ギザのピラミッドやポリオワクチンはモノであるが、オリンピックや出版、開発、月面着陸などはものではなくコトであることだ。これらを併せて所産と称している。
 
PMBOK(R)ガイドの中でプロジェクト成果に関連する記述を洗いだしてみると、本記事の最後に掲載している<参考:プロジェクト成果に関する記述>のようなものがある。これを見ていると気づくことは、成果という言葉は非常に広義に使われており、プロジェクトの成果だけではなく、プロジェクト中での各フェーズや各プロセスのアウトプットも成果だと表現しているようだ。
 
 
 

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2019年10月17日 (木)

【お知らせ】「コンセプチュアル講座探訪」をはじめました

「コンセプチュアル・マネジメント」ブログで、コンセプチュアルスキル講座、コンセプチュアル・マネジメント講座の各セミナーの背景にある問題意識や考え方を紹介する連載

 
「コンセプチュアル講座探訪」
 
を開始しました。
 
受講検討の際の参考にして頂くのはもちろんですが、記事としても読みごたえがあると思いますので、ぜひ、読んでみてください!
 

2019年10月15日 (火)

【お知らせ】コンセプチュアル・マネジメント講座の受講料が半額に!

Hangaku

ブログ

 
「コンセプチュアル・マネジメント」
https://mat.lekumo.biz/ppf/
「PMstyleプロデュース」
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/
 
の読者の方は、2019年度下期の「コンセプチュアル・マネジメント講座」の受講料を半額にさせて頂きます。
 
2019年下期のコンセプチュアル・マネジメント講座には以下のセミナーがあります。
 
「マネジメントをコンセプチュアルにする」(2019年11月18日)
https://pmstyle.biz/smn/conceptual_management.htm
 
「コンセプチュアル思考でマーケティング力を高める」(2019年12月09日)
https://pmstyle.biz/smn/conceptual_marketing.htm
 
「コンセプチュアル思考で実行する戦略マネジメント」(2020年01月14日)
https://pmstyle.biz/smn/conceptual_strategy.htm
 
「コンセプチュアル思考でイノベーションを起こす」(2020年02月17日)
https://pmstyle.biz/smn/conceptual_innovation.htm
 
希望される方は、申し込みの際に、備考欄に
 
ブログ「ブログ名」読者
 
とお書きください。半額で請求させて頂きます。なお、早割り、複数人割引を同時に適用することはできませんので、ご了解ください。
 

【コンセプチュアルスタイル考】第52話:全体最適を考え、本質に迫る

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【参考文献】
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
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Jobs

◆本質とは何か
 
本質はコンセプチュアルスキルの中核であり、本質を見極め、本質をベースに行動することはコンセプチュアルスキルの向上に欠かすことができません。今回のコンセプチュアルスキル考は本質に迫るためにとるべきスタンスについて考えてみたいと思います。
 
辞書によると本質は
 
「すべてのものに共通している/当てはまるさま」(大辞林)
 
と説明されています。
 
例えば、本質的問題というとすべてのトラブルに共通する問題点ですし、本質的要求というとすべての顧客が求めていることがらになります。
 
すべてのものごとに共通しているものごとを見つけようとすれば、抽象度を上げる必要があります。だからといって抽象度を上げすぎると、共通はしますが、本質に基づいて適切な行動を起こすことができなくなります。
 
例えば、働き方改革で社員の望むことの本質を考えてみましょう。
 
「満足な生活を送れること」を本質だと考えてしまうと確かにすべての社員に共通していることで、またすべての要素を包含しているといえます。しかし、何をもって「満足な生活」なのかがはっきりせず、具体性に欠けます。
 
そのため、本質をベースに、何か改革行動をしようとすると考える範囲が広すぎて改革として具体的な行動に落としていくのは困難になります。つまり、抽象度が高すぎるのです。
 
一方で、本質を「残業をしないこと」ことだと考えると、改革で取るべき具体的な行動として仕事の効率を上げるなどはっきりしましすが、それだけがすべてでないことは明らかです。やりがいのある仕事をしたい人もいるでしょうし、高い報酬を得たい人もいるでしょう。
 
このように、本質に迫るためには、適切な抽象度を見極めることがポイ
ントになります。このためには何ができればよいのでしょうか?

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