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2019年9月

2019年9月30日 (月)

【コンセプチュアルスタイル考】第51話:コンセプチュアルスキル診断からコンセプチュアルスキル向上を計画する

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9984019/ 

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【参考文献】
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
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◆コンセプチュアルスキル診断の概要とこれまでの結果
 
今回のコンセプチュアルスタイル考は、ちょっと趣向を変えてコンセプチュアルスキル診断という視点からコンセプチュアルスキルについて考えてみたいと思います。
 
PMstyleではコンセプチュアルスキルの診断のために、コンセプチュアルスキル診断を提供しています。
 
「PMstyleコンセプチュアルスキル診断」
https://pmstyle.biz/cncpt/conceptual_shindan.htm
昨年までで2300人くらいの方に実施して頂いています(今年の分をいれると3000人以上の方に実施していただいています)。
 
コンセプチュアルスキル診断は、PMstyleの「コンセプチュアル思考」に基づいてコンセプチュアルスキルを診断するシステムですが、結果は、
<軸による評価>コンセプチュアル思考の5軸のバランス
<行動に対する評価>5つのコンセプチュアルな行動の質
によって提示されます。

ちなみに、これまでの結果(平均点)は、それぞれに10点満点で
<軸による評価>
抽象的/具象的 のバランス 6.32
主観的/客観的 のバランス 6.38
直観的/論理的 のバランス 5.40
大局的/分析的 のバランス 6.90
長期的/短期的 のバランス 5.58
<行動に対する評価>
構想            5.50
計画            5.98
問題解決          5.72
意思決定          6.27
対人            7.12
となっています(現時点ではもう少し、平均点が下がっていると思われます)。

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【コンセプチュアルスキルを鍛える】プロジェクトマネジャーの業務とトレーニング

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/conceptual_training/

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◆プロジェクトマネジャーにコンセプチュアルスキルが必要な理由
 
プロジェクトマネジャーのマネジメント業務の中で特にコンセプチュアルスキルが重要な役割を果たすのは以下のような業務です。
 
・プロジェクトのパーパスの決定
・プロジェクトのコンセプト(進め方)の決定
・ステークホルダーの利害関係の調整
・計画の策定と変更
・プロジェクト全体の把握と分析的介入
・トラブルにおける問題解決
・振返り
 
プロジェクトの
 
・プロジェクトデザイン
・プロジェクトの実施
・振返り
 
という流れの中で、それぞれのマネジメント業務においてコンセプチュアルスキルが果たす役割は以下のようなものです。
 

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2019年9月26日 (木)

【PMスタイル考】第157話:パーパス・ドリブンのプロジェクトマネジメント

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ 

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◆目的工学の誕生
 
日本でいち早く、パーパスの重要性を提唱したのは、多摩大学の紺野登教授が代表を務められる目的工学研究所だ。紺野先生によると、目的工学とは
 
「イノベーション・新規事業のためのプロジェクトマネジメントの1つの手法であり、従来の工学では所与である目的をエンジニアリングするのが目的工学だ」
 
とのことだ。通常のプロジェクトでは、技術ありきで、目的を考えないからこのような提言をしているそうだ。
 
そして、目的工学研究所はそのための基盤になる組織で
 
「目的に基づく経営、目的を媒介にしたイノベーション プロジェクトマネジメントなどを対象に「目的工学」を研究・実践する」
 
ことを目的としている。その活動方針や目的(パーパス)は2013年に出版された
 
紺野 登、目的工学研究所「利益や売上げばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか」、ダイヤモンド社(2013)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478010080/opc-22/ref=nosim
 
に述べられている。ちなみに、この本はパーパスについて的確に述べられており、日本のパーパスマネジメントの原点ともいえる本である。
 
 

◆注目されはじめたパーパス

それから5年後の今年、ダイヤモンドハーバードビジネスレビューの2019年3月号で「パーパス」が特集として取り上げられた。目的工学の提唱ののち、イノベーション以外でもも経営戦略やブランディングの中でパーパスが注目されるようにはなってきたが、ハーバードビジネスレビューの特集になったのはかなり唐突感があった。
 
「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2019年 3 月号
 (PURPOSE(パーパス)会社は何のために存在するのか/あなたはなぜそこで働くのか)」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07MPK2J87/opc-22/ref=nosim
 
パーパスは、企業のビジョンやミッションを定義するための根幹となる概念である。欧米の先進企業では、パーパスを明確に打ち出し、それを軸にしてコンセプト、戦略、社員の行動様式まですべてを統一するようになってきた。これは、「パーパス・ブランディング」と呼ばれるアプローチで、DHBRの特集でもBIOTOPE代表の佐宗邦威さんの
 
「パーパス・ブランディングを実践するために組織の存在意義をデザインする」
 
というタイトルの記事が掲載されており、分かりやすく実践法を解説している。この記事の中でもいくつかの企業のパーパスが紹介されている。
 
例えば、テスラ社の
 
「持続可能なエネルギーへのシフトを世界中で加速させる」
 
やメルカリの
 
「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」
 
といったものがパーパスの例として挙げられている。世界でいち早くパーパスを定めたとされるのはP&Gで、
 
「自社製品に最高のクオリティーと価値を与え、世界中の顧客のニーズを満たす」
 
といったものだ。
 

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2019年9月18日 (水)

【PMスタイル考】第156話:VUCAの本質とリーダーシップ

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ 

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◆はじめに

PMスタイル考の154話で
【PMスタイル考】第154話:VUCA化するビジネスやプロジェクトをマネジメントする
 https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2019/07/vuvca-a142.html
という記事を書いた。

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この記事でも書いているように、VUCAは
「Volatility」(変動性:変化が激しく不安定)
「Uncertainty」(不確実性:問題や出来事の予測がつかない)
「Complexity」(複雑性:多数の原因や因子が絡み合っていること)
「Ambiguity」(曖昧性:出出来事の因果関係が不明瞭で前例もない)
の頭文字をとった言葉(概念)で、この5年くらい、ビジネスの世界でもこういう現象が目立つようになってきている。VUCAを一言でいえば、
「あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、将来の予測が困難な状態」
だといえる。
今回のPMスタイル考は、このような状況においてだんだん増えてきている「VUCA時代をいかに生き抜くか」という議論を調査し、少し整理してみたい。

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