【PMスタイル考】第119話:コンセプトを作る
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◆はじめに
PMスタイル考も今回で119話になるが、これまでコンセプトの話をしていないことに気がついた。コンセプト作成についてはちょうど今、日経Sysytemsで1年間の連載を行っているほか、コンセプチュアルスキル講座でコンセプト企画のセミナーもやっているのにちょっと意外だ。
というわけで、今回のテーマはコンセプトを作る。
◆なぜ、今、コンセプトなのか
日本人はモノ作りはうまいが、コンセプトを作ることが下手だといわれる。その通りだと思うが、モノ作りに比べるとコンセプトを作ることに対して関心がないようにも思える。抽象的な思考を好まず、あくまでもモノという具体的な対象で考えることを好む。
モノについていえば、これもありだと思う。ところが、複数のモノを併せてシステムを作らないとならない場合や、サービスのように本質的に概念的なものを作らないとならない場合にはコンセプトを作ることが不可欠である。ITの分野でイノベーションが生まれないという問題があるが、これもシステムやサービスにおいてコンセプトが作れないところに原因がある。
これが最近、コンセプトに関心が高まってきた理由である。私たちが開催している講座にきてくれる人の多くはエンジニアなのだが、エンジニアの場合、コンセプトって何ですかという質問にちゃんと答えられない人も少なくない。