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2016年9月 2日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(14)】 生産性を向上させるには、目に見えない問題を解決すると効果的

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◆コンセプチュアルスキルで生産性向上

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コンセプチュアルスキルが生産性を向上する理由は大きく分けると2つあります。

ひとつはよく言われることで、コンセプチュアルスキルにより取り組むべき課題を本質という視点から選ぶことができ、余計なことをやらないで済むことです。

そして、もう一つは目に見えない問題を解決できることです。今回は、後者について考えてみたいと思います。



◆見える問題と見えない問題

問題には目に見える問題と目に見えない問題があります。目に見える問題は一般的にはミスと呼ばれ、多くの組織はミスの撲滅に熱心になります。これを改善と言います。

これに対して、目に見えない問題があります。これは問題として目に見えないわけですから、考えて問題を発見する必要があります。これを洞察と呼びます。

見えない問題を説明する例としてよく使われる例を一つ紹介しましょう。信号でパトカーが高級新車と並んで止まりました。高級車の運転手を見ると煙草を吸って、灰を助手席に落としています。これをみて、このパトカーに乗っていた警察官は盗難車だと考えました。理由は自分の車ならそんなことはしないと考えたからです。これが見えない問題のイメージです。


◆ミスの撲滅と見えない問題の解決

さて、見える問題と見えない問題の2種類の問題解決が生産性に貢献する程度は圧倒的に目に見えない問題の方が大きくなります。たとえば、製造のミスが起こったと考えてみてください。これを単にミスとして捉えれば直接的な原因を探し、仮に製造ツールに改善点があれば改善するということになります。

これに対して、ミスではないと考えないで、見えない問題があるのではないかと考えると話は違ってきます。たとえば、作業者が残業が続いて疲れていてミスをしたという見えない問題が見つかったとします。すると、再発防止として、開発体制や作業者のローテーションを見直すといった対策を取ることになります。両者を比較すると見えない問題を発見し、解決する方がはるかに生産性への貢献が高いのはお分かりいただけると思います。


◆トヨタのカイゼンは見えない問題を解決している

もうお分かりだと思いますが、トヨタのカイゼンは実はWHYを繰り返すことのよって見えない問題を探し出し、解決しているのです。

ただし、この方法で意味のある見えない問題にたどり着くには、WHYの繰り返しによって本質的な問題を発見できることが不可欠です。トヨタのカイゼンは多くの企業が取り組んでいますが、トヨタほどの効果が出ていない組織が多いのはここに原因があるわけです。

◆見える化の位置づけ

この議論の中で考えておきたいことがあります。それは見える化の位置づけです。見える化は本来見えないものを指標化し、見えるようにしてやることです。つまり、見える問題の範囲を広げているわけです。

見える化をしようとすればその人にコンセプチュアルスキルが不可欠ですが、その他の人にはコンセプチュアルスキルは必要なくなります。その意味で、コンセプチュアルスキルの現実の中で、できるだけ生産性を上げる活動が見える化です。

逆にいえば、組織の誰もがコンセプチュアルスキルが高く、見える化できるようになれば生産性の向上は目覚ましいものになるといえます。

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   1.本質を洞察し、応用する
   2.本質を見極めるスキル
   3.コンセプチュアルに考える5つの思考
   4.洞察力を高める
   5.応用力を高める
   6.思考をコンセプチュアルにするツール
   7.コンセプチュアルが行動を変える        
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