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2014年1月21日 (火)

【コンセプチュアルスキル講座】正解のない問題をコンセプチュアルに解決する

Decision決断と判断はどう違うのかという議論があります。

判断は分析であり決断は意思決定であるとかいろいろな答えがありますが、その一つは、

決断はコンセプチュアルである
判断はコンセプチュアルではない

という答えです。

判断は極力、論理的、客観的に行います。ここでこの問題を難しくしているのは、論理的とはどういうことか、客観的とはどういうことかという問題です。


論理的であると言われると無条件に正しいと思ってしまいますが、決してそんなことはありません。よく引き合いに出される例に、「風が吹けばおけ屋が儲か る」という論理がありますが、これが正しいと思う人はいないでしょう。これは、論理の前提のおかしな論理をつないでいってできたわけです。ちょっとみてみ ましょう。

風が吹けば砂埃が舞う

これは誰が考えても正しいと思うかもしれませんが、この論理には地面は土であると言う前提があります。まあ、江戸時代のことなのでよしとしましょう。次は、

砂埃が舞うと砂が目に入る

ここには砂埃が舞っていても無防備であるという前提があります。この前提はかなり怪しい。次は

砂が目に入ると失明する

ですが、ここには目に砂が入っても洗わないとかいった前提があるのでしょう。ここは間違いに近いですね。

こ のようにしてできたのが、「風が吹けばおけ屋が儲かる」です。そんな馬鹿なことは言わないと思う人が多いと思いますが、こういうロジックは仕事の中にあち こちで潜んでいます。試しに、半日、なぜ、そんなことを言うのだろうとずっと観察してみてください。きっと、2つや3つはこの手のロジックが見つかりま す。

もっとややこしいのが客観性です。客観性があるとは誰もが納得できることです。そう考えたときに、客観性があるなどと言えるのかとい う話になります。少し、難しい言葉ですが、「間主観性」という言葉があります。哲学的な概念ですが、簡単にいえば2人以上の間で合意がとれていることで す。これは客観的だとは言いません。客観的だと言っている多くの場合、間主観的であることを言っているに過ぎないケースがあります。

こういうことで、論理性や客観性という言葉だけで思考が間違った方向に行かないようにしようというのが「クリティカルシンキング」です。

前置きが長くなりましたが、判断が常に正しいと限らないというのはこういう背景があるからです。論理的に導かれているとか、客観的な意見だといったことに惑わされてはなりません。

その意味で、判断というのは現実にはなく、ほとんどは決断(意思決定)していると言えます。

そして決断とは、コンセプチュアルなものです。つまり、主観的に考えながらも、客観性(間主観性)を作っていく、直感的に考えながらも、論理的な裏付けをしていくといった思考活動で進めていきます。つまり、概念的な世界と、形象的な世界を行き来しながら、行います。

たとえば、自分はこう思うが、上司はどう思うか考えてみる、顧客はどう思うか考えてみる、メンバーはどう思うか考えてみる。そして、いろいろな視点から想定できる意見を統合して自分の考えを決めていきます。

直感的にこれが正しいと思うが、それを説明できるもっともらしいロジックはないかと考えてみる。なければ、直感を少し修正していきながら、自分の最終的な考えを決めていきます。

このような意思決定の方法を学ぶセミナーがこれです。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチャルな問題解決と意思決定                 ◆7PDU's
  日時:    2014年02月05日(水)  10:00-18:00(9:40受付開始)
  場所:銀座ビジネスセンター(東京都中央区)  
  講師:好川哲人(エムアンドティ・コンサルティング)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_solving.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス
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  【カリキュラム】
1.正解のない問題にどのように対処するか
2.問題の本質を見抜く
3.創造的な問題解決の進め方
4.コンセプチュアルな意思決定
5.ステークホルダーの納得や共感を得るポイント
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また、クリティカルシンキングについては、以下のような講座を準備しています。併
せてご利用ください。

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 ◆クリティカルシンキング~考え抜く技術            ◆(7PDU's)
  日時:2014年 01月 29日(水)  10:00-18:00(9:40受付開始)   
  場所:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京都港区)
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/critical.htm
  主催:プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
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 【カリキュラム】
  1.クリティカルに考えるとは
  2.ロジカルとその落とし穴
  3.何を疑うのか(合理性)
  4.何を疑うのか(内省)
  5.クリティカルシンキングの4ステップ
  6.具体的状況におけるクリティカルシンキング演習
  7.クリティカルシンキング総合演習  
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