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2013年10月 2日 (水)

【プロダクトマネジャー養成講座】<コラム>いま、なぜ、プロダクトマネジメントなのか

Seihin3◆プロダクトマネジメントの3要素

プロダクトマネジメントというマネジメント体系があります。PMstyleの7つのPの一つです。いろいろな定義がありますが、簡単にいえば

顧客ニーズを満たす、市場に適した製品群やサービス群を見出し、その企画、開発(製造)、販売を推進することにより企業に利益をもたらすマネジメント

と言えます。大雑把にいえばこの中には3つの要素があります。

ひとつは、何を作れば売れるかを考えることです。つまり、企画です。二つ目は企画された製品を開発することです。そして、三つ目が開発した製品を生産し、市場に投入することです。



◆3つの要素の関係

この3つはもともとばらばらに行われてきました。市場の調査をし、こんなものを作ろうということで企画が行われ、そのアイデアに基づいて製品開発が行われ、できたものの売り方を考えて販売するというものです。

と ころが、徐々に提供者がこれがよいということで作っても売れなくなってきました。そこで、自分たちが販売した顧客から意見を聞いて、製品を改善したり、新 しい製品を開発するようになりました。ここで、企画と販売の関係が出てきました。さらには、顧客の意見を聞くだけではなく、顧客の欲しいものをカスタマイ ズして提供するようになりました。ここにおいて、開発と販売、あるいは、開発と企画の関係が生まれました。

この3つを統合的にマネジメントするのがプロダクトマネジメントです。日本では、「製品開発マネジメント」という企画から開発に焦点を当てたマネジメントがありますが、これとプロダクトマネジメントは全くといってよいくらい異なるものです。


◆プロダクトマネジメントが求められる3つの理由

今、プロダクトマネジメントが求められている理由は大きく分けると3つあります。

一 つ目は、プロダクトマネジメントの本来の目的であり、プロダクトライフサイクルの統合的なマネジメントをしないと、製品が売れなくなってきているというこ とです。これまで、提供者が必要だと思うものを開発し、提供する(プロダクトアウト)、顧客が求めるものを開発し提供する(マーケットイン)では顧客の期 待に答えられなくなり、提供者と顧客がライフサイクルを通じたコミュニケーションを行い、製品を生み出していく必要が生じています。このことは、ライフサ イクルにおいては常にイノベーションが必要なことを意味しています。

二つ目はサービス化です。上に示した流れの中で、製品を製品として提 供する以外に、製品を活用したサービスを提供するケースが増えてきています。そこで、製品とサービスを統合してマネジメントしていく必要が生まれていま す。一例をあげると、iPodとiTuneのような関係をうまく関連付けて展開していく必要があります。その手法としてプロダクトマネジメントが注目され ています。

三つ目は、特にIT分野で顕著になっていることで、アジャイルやリーンにみられるように、製品を中心にした投資マネジメントが普及してきました。このマネジメントの手法としてプロダクトマネジメントが注目されています。


◆プロダクトマネジメントとプロジェクトマネジメント

最後にプロジェクトマネジメントとの関係を明確にしておきたいと思います。一言でいえば、プロジェクトマネジメントはプロダクトマネジメントの開発マネジメントの部分の手法です。

ロー ルでいえば、プロダクトマネジャーというロールは、プロジェクトスポンサーになります。プロダクトマネジャーは製品を企画し、開発プロジェクトを立上げ、 プロジェクトで開発された製品を販売していきます。受注開発製品の場合であれば、企画のところを受注と読み替えてください。

個別の製品に注目すればそういうことですが、もう一つ注意しておいてほしいのがプロダクトマネジメントの対象は個々の製品だけではなく、ラインナップ(製品群)だということです。いくつもの製品を扱わなくてはなりません。

このマネジメントの枠組みとしてプログラムを活用することができます。つまり、製品群で達成したい目的をプログラムの目的とし、プログラムマネジメントでプログラムを運営していきます。つまり、

プログラム=製品ラインナップ
プロジェクト=個々の製品

という構図で捉えて、統合マネジメントをすることができるわけです。


◆プロダクトマネジャー養成講座

ということで、下期より、「プロダクトマネジャー養成講座」を開講することになりました。

「なぜ、今なのか」ですが、今年、米国でプロダクトマネジメントのBOK(Body Of Knowledge)であるProdBOKが生まれ、底上げが始まりました。ここで後れを取ると、日本の企業の国際競争力がますますなくなると考えたからです。

The Guide to the Product Management and Marketing Body of Knowledge

ついては、10月9日19時から講座説明会を開催します。

プロダクトマネジャー養成講座説明会(クリックすると説明ページに!)

講師は、この講座の主催企業である(株)スタイリッシュ・アイデアの新井さんです。新井さんは、翔泳社から米国のプロダクトマネジメントのハンドブックを翻訳され、プロダクトマネジメントの導入を推進されています。この本は

プロダクトマネジャーの教科書」(翔泳社)

で、2006年の発刊以来、ロングセラーになっています。

より多くの方が、プロダクトマネジメントに関心をお持ちいただけることを願っています。



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