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2010年5月 6日 (木)

プロジェクトの不条理を解消しよう!

【PMstyleプロデューサー・好川哲人からのメッセージ】

『プロジェクトの不条理を解消しよう!』

多くのプロジェクトマネジャーは、「プロジェクトの不条理」に悩んでいます。不条理を解消し、高い動機で、高い品質の成果を実現しましょう!

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◆プロジェクトに非合理はつきもの

みなさんが管理されているプロジェクト、支援されているプロジェクト、監理されているプロジェクトの多くは不条理を抱えたプロジェクトになっているのではないでしょうか?

プロジェクトに従事する人には「非合理」な仕事をさせざるを得ないケースが多くあります。ある意味で、これがプロジェクトで業務を行う目的だと言ってもよいと思います。

仮説検証といえば聞こえがよいですが、多くの場合、仮説を作る人と検証をする人は異なります。検証をする立場の人からすれば、まったく無駄になるかもしれない作業をすることになるわけです。これは不合理以外の何物でもありません。

たとえば、ある商品開発プロジェクトでプロジェクトマネジャーはある機能の実現において、2つの方式を並行的に実施することにし、1人ずつの担当者をつけました。競合の動きもあってどちらがよいかの判断が難しく、また、ビジネスにおいて重要な商品だったためです。もちろん、組織もその分の予算を認めました。しかし、1人の行った開発は商品になり、日の目を見ることはありません。明らかな非合理です。

また、もう少し大きなところでは、事業計画として指示した商品開発で、とりあえず、計画通りに商品は開発したものの、諸般の事情によりその商品は販売されなかったという経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。現場からすれば、非合理の極めつけです。

こういう非合理はプロジェクトの中ではよくあります。そのときに、合理性を追求していると、プロジェクトの目的そのものを損なってしまうケースが少なくありません。あるいは、ITプロジェクトのように、合理性の追求が、そのプロジェクトのみならず、長期的なビジネスの失敗を招くこともあります。その意味で、非合理は受け入れるべきです。


◆非合理であっても、不条理であってはならない

そこで、重要になるのが、非合理は受け入れるが、「不条理」にならないようにすることです。条理とは物事の道理や筋道のことで、不条理とは道理が通らない、筋道が立たないことです。

組織において、条理とは何か?いうまでもなく、「組織の方針」です。このように書くと、このメルマガの読者の多くは反発されると想うので、補足しておきます。ここでいう組織の方針とはトップダウンで与えられるものではなく、現場と経営が一体になり、作られるもの。もっとはっきりいえば、トップのリーダーシップと現場の「勇敢なフォロワーシップ」の成果です。

さて、非合理と非条理にしないことは理屈の上ではそんなに難しいことではありません。非合理的な仕事をする「目的」を明確にすればよいだけの話です。

つまり、担当者からみたときに、自分のやった仕事が日の目を見ない理由が明確になり、同時に、自分の仕事が決して無駄ではないことに納得できればよいわけです。


◆どうすれば不条理にならないですむか

が、現実にはそんなに簡単ではありません。例えば、上の最初の事例でAとBという2つの方式があり、Aの方がコスト的に優位性があったとします。そのとき、競合がA方式を出してきたので、競合と機能を差別化した方が売れると思う。だからBでいくとプロジェクトマネジャー(あるいはもっと上位の管理者)が決断しました。あなたがA方式を担当したメンバーだったら納得しますか?

まあ、納得する人もいるかもしれませんが、納得できない人も多いと思います。では、企業として、競合との価値の差別化を図るという方針があったとし、プロジェクトマネジャーはその方針に従って、ユーザにとっての価値が高いBでいくと決めたらどうでしょう?

今度は、納得する人の方が圧倒的に多くなるのではないでしょうか?

あるいは2番目の例で、その理由がプロジェクトの上位管理者が「俺は売れないと思うから、この商品は塩漬けだ」という理由で発売しないという判断をしたら、プロジェクトをやっていた人は怒りますね。でも、例えば企業の方針として、ロイヤルユーザの囲い込みという方針があって、この商品は少し既存ユーザのマーケティング結果を見る限り、別のターゲットで販売した方が良さそうだから、当面、発売はしないと言えばかなりの人は納得するのではないかと思います。


◆不条理は、組織の方針と現場の「想い」のギャップで起こる

このようにプロジェクトの不条理というのは、組織の方針とかけ離れた決定をすることによって起こることがほとんどです。言い換えると、組織の方針に従って意思決定を行えば、例え非合理であっても不条理にはならないでしょう。また、そもそも論をいえば、最初から組織の方針を取り込んでプロジェクトを進めていき、すべてのメンバーがそれを理解していれば、非合理だとも感じないかもしれません。

このように、プロジェクトにおける組織としての条理を「プロジェクトガバナンス」と言います。プロジェクトガバナンスを強化することによって、現場の不条理だけではなく、いろいろなレベルでのプロジェクトの不条理を解消することが可能になります。

■プロジェクトガバナンスの基本知識を学ぶセミナーのご案内

そのための第一歩はプロジェクトに関わるすべてのレベルの人(プロジェクトマネジャー、メンバー、プロジェクトスポンサー、PMO、シニアプロジェクトスポンサー、エグゼクティブプロジェクトスポンサーなどなど)がガバナンスに対する正しい認識をし、ガバナンスの強化のために「自らが知らないことを知り」、何をすべきかを学ぶことです。このセミナーはそのような目的を達成するために行うセミナーです。

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◆【共通】プロジェクトガバナンス入門◆(4PDUs)
  日時:2010年05月20日(木)13:30-17:30
  場所:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京都港区)
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ・コンサルティング、MBA)
  詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/strategy/governance.htm
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【カリキュラム】
1.プロジェクトガバナンスとはなにか
2.プロジェクトガバナンスの欠如が引き起こす現場の問題
3.プロジェクトマネジメントのガバナンスの枠組みをどのように設計するか
4.組織のガバナンスとプロジェクトガバナンスの整合
5.プロジェクトマネジメントのガバナンス
6.プロジェクトガバナンス強化の具体的な方法
7.まとめ
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