【告知】プロジェクトの生産性を上げるのはプロジェクトマネジャーではなく、マネジャーの役割です。
15年前に日本でもプロジェクトマネジメントが注目されるようになりました。このときによく耳にした理由は、現場力の強化でした。かなりの割合でうまく行かないプロジェクトがある中で、プロジェクトマネジメントが福音になるような期待がありました。
当時、プロジェクトの失敗は現場の問題であると考えられていたわけです。現場の問題である限り、プロジェクトマネジャーがなんとかしろということになったわけです。
しばらくこういう発想でやっていましたが、なかなか思ったような効果は出ませんでした。そこで、プロジェクトマネジメントをうまくやるための方法として注目されたのがPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)です。あるときはプロジェクトマネジャーを支援し、あるときにはプロジェクトマネジメントを指導する役割です。
PMOの設立はかなり効果があったように思います。理由は2つあります。一つは、プロジェクトに第三者的なチェックが入り、やるべきことがやられるようになってきたことです。もう一つは、PMOが動くことにより、社内のコミュニケーションがよくなったことです。
ただ、企業によって少し違いがありますが、総じていえば、PMOも含めて現在のところ、現場の活動の域を出ていません。これは、プロジェクトマネジメントが現場のオペレーションのマネジメントであることを考えると正しいことだと言えます。
ただし、ここで一つ問題があります。それはオペレーションのマネジメントは効率を上げることはできても生産性を上げることはできないことです。
もちろん、効率は生産性の一部ですので、効率が良くなればぞれなりに生産性は上がります。ただ、本質的な問題は、生産性を上げるにはムダの削減やコストダウンだけではダメだと言うことです。
なぜなら、売値はだんだん下がり、リードタイムはだんだん短くなるからです。
コストダウンやリードタイムの短縮には当然のことながら限界があります。その限界を超えたコストや納期を実現しようと思えば、製品の設計を変えるとか、開発プロセスを変えるといった根本的な対策が必要になります。
つまり、改善によって効率化を行い、イノベーションによって生産性の向上を行う。
これが今の時代の仕事の仕方です。
効率化はプロジェクトマネジメントの問題ですが、生産性の向上はプロジェクトマネジメントの問題ではありません。これはプロジェクトの上位の管理の問題で、プロジェクトスポンサー(マネジャー)が対応すべき問題です。
プ ロジェクトマネジメントの導入以来、効果が出たのは効率に対しです。きちんと計画することによって無駄な活動がなくなり、リスクを考えることによって手戻 りを防ぐことができるようになりました。製造と較べるとコスト管理の甘かった設計、開発の現場もかなり厳しいコスト管理ができるようになってきたわけで す。
ところが上に述べたように売値もどんどん下がってきます。デフレ下で製品価格は下がり続けていますし、ITプロジェクトの受注条件も どんどん厳しくなってきています。このため、コストを下げても(効率を良くしても)儲からないという現象が起こっています。生産性を考えざるを得ないので す。
つまり、上位マネジメントをしっかり行わないと儲からない時期に来ています。上位マネジメントはコストを下げることが目的ではありません。生産性を上げることが目的です。そして、結果として「価値」を上げることが目的です。
幸い、アベノミクスで企業の業績がよくなってきています。効率重視から、生産性重視へ舵を切るのは今しかありません。プロジェクトマネジメントの強化の次のステップとして、上位マネジメントの強化に取り組みませんか?
その第一歩は、上位マネジャーが各プロジェクトの生産性の強化に取り組むことです。そのヒントになる視点をいろいろと提供するセミナーです。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆マネジャーのためのプロジェクト管理講座
~プロジェクトを通じて部門の将来を創る ◆7PDU's
日時:2013年10月23日(水) 10:00-18:00(9:40受付開始)
場所:銀座ビジネスセンター(東京都中央区)
講師:好川哲人(エムアンドティ・コンサルティング)
詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/pm_managers.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【カリキュラム】
1.マネジャーからみたプロジェクト活動の位置づけ
2.プロジェクトに対するマネジャーの役割と責任
3.組織の方針をプロジェクトにより実現する
4.管理下のすべてのプロジェクトを成功させるために
5.現在の成果を上げながら、将来への投資をする
6.プロジェクトに適した人材育成と風土づくり
7.プロジェクトスポンサーシップを身につける
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
コメント