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2012年4月 6日 (金)

【プロデューサーの本棚】インプロ―自由な行動表現

5~6年前からなんとなく気になっているテーマにインプロ(即興劇)がある。それで、なんとなく情報収集をし、ある人のインプロ研修を共同提案したりしていたのだが、2月11日の野村さんの「ゲームストーミング」のワークショップのエクスサイズにインプロが入っていて、様子を見ていたら、これはすごいと思い、体系的に使い方を考えようと決心した。

4845907011調べていたら、東京学芸大学の高尾隆先生がインプロを教育の中で創造性の開発に活用することを研究されていることが分かった。それで、

高尾 隆「インプロ教育―即興演劇は創造性を育てるか?」、フィルムアート社(2006)

という本を読んでみた。その高尾先生が、大人の学びをテーマに、企業における教育でさまざまな試行をされている中原先生とのコラボレーションで作られた本

4385365636高尾 隆、中原 淳「Learning × Performance インプロする組織  予定調和を超え、日常をゆさぶる」、三省堂(2012)

を買おうと思ってアマゾンのページを開いたら、すごい本を見つけてしまった。とりあえず、高尾先生の本は後回しにして、こちらを速攻で読んだ。



何の本かというと

4880593613キース・ジョンストン(三輪 えり花訳)「インプロ―自由な行動表現」、而立書房(2012)

だ。

この本は、英国の優れた劇作家を生み出して来たロイヤル・コート劇場の座付き作家であり、芸術監督・演出家でもあったキース・ジョンストンが、大人になって潰されてしまった自由な表現力をまた取り戻させるため、俳優向けに様々なトレーニングやエクササイズを生み出し、1979年に書いた本である。

一説によると、ワークショップもこの本が始まりだということだそうだ。

この本は5章からなっている。最初の章は、キース・ジョンストンがなぜ、演技教育に関わったのか、そして、それまでの一般的な教育がどれだけ創造性を妨げているかを論じている。ここで、キース・ジョンストンの基本スタンスを象徴するアントニー・スターリングという教師のエピソードがある。訳者の三輪さんは、このフレーズにより人生が変わったとのこと。

教師は生徒より優れていない。だから、演じてみせるというのはだめで、これはよい、これは悪いという価値観を押し付けてもならない。

「でも、木を描く方法を教わりたいという子供がいたとしたら?」
「木を見に行かせればよい。登らせてみればよい。触わらせてみればよい」
「それでもなお描けなかったら」
「粘土でつくらせてみればよい」

第2章は、ステータスというツールを説明している。ステータスは、人間と人間、人間と場所、人間と物体との間の微妙な上下関係のものさし。ステータスは常に変化するが、そのさまざまな変化をエクスサイズで起こし、人間関係で把握する、相手の感情や状態を読み、自分の態度や適応力、危機管理能力を養うものである。

第3章は、ひらめきについて述べている。ひらめきを口に出せない人は、どのようにいえば安全なのかを考え、結局、すべてのアイデアをノーにしていることが多い。そこで、考える暇を与えないようなエクスサイズにより、瞬間的な思い付きを良しとする。それを繰り返すことにより、アイデアを本人が大丈夫だと思えば、想像力が自由に働き、アイデアがあふれ出るようになる。

第4章は、ナラティブの技をたくさん述べている。作家は、書き出せば、あんまり考えなくても出てくる。この状況をナラティブで作っていく。第3章で出てきたひらめきをもとにして、物語を紡ぎ出す方法、効果的に鑑賞者を引き付ける方法を述べている。

最後は、仮面とトランス。この章では演技がトランス(催眠状態)に似ているということを説明している。普通の人間でも催眠状態では異常な経験をする。また、仮面をつけることによっても同じようなことが起こる。そして、仮面の威力を演劇に及ぼす効果を述べている。




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