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2011年12月 5日 (月)

【告知コラム】プログラムマネジメントの時代に求められるプロジェクトマネジメント

Agile2PMstyleプロデューサーの好川哲人です。

僕の知人であるPMAJ副理事長の佐藤義男さんは、10年来、PMIの北米大会に参加されていて(自費!)、PMAJで発表をされています。

今年、目立ったこととして、3点、挙げられていました。

1.名刺交換をすると「プログラムマネジャー」の名刺を持つ人が急増!
2.アジャイルプロジェクトマネジメントのトピックスや、話題が急増!
3.PMOのスタッフにインターパーソナルスキルを身につけさせる企業が急増!

の3点です。


おそらく、すべての根源は「プログラムマネジメントの導入」にあります。最近、日本でも、企業の情報システム部門の責任者や、商品開発マネジャーと話をしていると、プログラムマネジメントの話になることがよくあります。

あるノンバンク系金融機関のCIOが言われていたのですが、もう、不確実さをリスクマネジメントで対応するのは限界にきたと感じることが多いそうです。

最近、セミナーなどでよく紹介するのですが、20世紀前半に活躍した経済学者で、アメリカ経済学会会長も務めたフランク・ナイトという経済学者がいますが、彼はリスクに関して非常に本質的な指摘をしています。それは、

リスクと不確実性の実際の違いは、リスクにおいては母集団における分布が過去の経験で分かっているのに対して、不確実性の場合にはわからないことである。その理由は一般的には、扱う状況が高度にユニークであるため、母集団が分からないからである。

という指摘です。おそらく、いま、多くのプロジェクトが直面している状況は不確実性なのだと思います。不確実性を組織的プロジェクトマネジメントと呼ばれる活動で、リスクに落としていますが、当然、限界があります。不確実性に対処するための方法がプログラムマネジメントで、必然的にプロジェクトマネジメントからプログラムマネジメントに手法を変えていかざるを得ないわけです。これが1.です。

ちなみに、弊社がPMOに関わっているで、今年だけで3本、数億のプロジェクトがキャンセル・仕切り直しになりました。3本ともプログラムとして計画しておけば、もう少しよい結果が得られたと思われる案件でした。

ということで、プログラムマネジメントの導入は対岸の火事ではなくなってきています。

プログラムマネジメントの導入にあたって、問題になるのが個別プロジェクトのマネジメントです。プログラムの中で実行されるプロジェクトは、柔軟に運用される必要があります。PMIの標準体系を見ていると、不確実さはすべてポートフォリオマネジメントで吸収するような体系になっています。これは、日本企業ではあまり適切な方法ではありません。戦略計画を作って、戦略計画実行のためにプログラムマネジメントやプロジェクトマネジメントを導入するという考え方そのものが、リーマンショック以降、現実に合わないものになってきています。むしろ、現場で戦略ゴールを修正しながら、経営の目指す大きな方向性を実現していく方が現実的になってきました。この3年くらいのグローバルな優良企業の動向を見ていると明らかです。

すると現場に必要なのは、PMBOKのようなトップダウンのマネジメント手法ではなく、アジャイルプロジェクトマネジメントのような「ミドルアップダウン」ができる手法です。PMIがアジャイルPMPの認定を始めようとしている背景にはそのような背景があると思われます(ちなみに、佐藤さんに聞いた話では、4月からのトライアルですでに、700人もの認定者がいるそうです)。

日本でも、アジャイル開発は普及の兆しを見せていますが、アジャイルプロジェクトマネジメントはこれからです。アジャイルプロジェクトマネジメントは、プログラムマネジメント時代のプロジェクトマネジャーの必須スキルになることは明らかです。

ぜひ、アジャイルプロジェクトマネジメントのスキルを身につけ、プログラムをリードしていけるリーダーになってください。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【2011.12.21】━
◆アジャイルプロジェクトマネジメント入門                         ◆8PDU's
日時:2011年12月21日(水)  9:30-18:30(9:20受付開始) 
場所:ヴィラフォンテーヌカンファレンスセンター汐留(東京都港区)
講師:好川哲人(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、MBA)
PDU:8PDU's
詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/pm_agile.htm
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【カリキュラム】
1.APMの概要とモデル
2.APMのプロセスとプラクティス
(1)構想
(2)思索
(3)探索
(4)適応
(5)終結
3.APMの適用事例
4.APMワークショップ
・ケース事例を使ったAPMの適用演習
5.APMの実践方法
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