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2009年8月 2日 (日)

プロジェクトマネジメントの成功確率を高める

段階的詳細化をシステマティックに行う(2007/01/31)

◆プロジェクトマネジメント 3つの抵抗

今でもプロジェクトマネジメントは難しいものだとか、あるいは、非現実的なものだとかといった捉えられ方をするのは珍しくありません。

なぜなのでしょうか?

多くの企業で、PMOがプロジェクトマネジメントの導入に当たって必ずといってよいくらい抵抗にあうことが3つあります。

(1)マネジメントドキュメント量への抵抗
(2)あいまいな状況での意思決定への抵抗
(3)マネジメント事項の多さへの抵抗

です。

(1)は圧倒的に多い抵抗なので、よくお分かりだと思います。こんなにたくさんのマネジメントドキュメントを書く時間はとれないという抵抗です。(2)はまだ多くのことが未決定の計画の段階で完璧な計画を作ることなど不可能だという抵抗です。
(3)はスケジュールと要員計画だけでも手を焼いているのに、WBS辞書だの、コミュニケーション計画だのとても作れないという悲鳴です。

いずれも一理ありますが、共通の誤解があります。

◆詳細的段階化はプロジェクトの基本中の基本

ちょっと脱線しますが、みなさんのほとんどの方がPMBOKの5つのプロセスを見られたことがあるでしょう。この中で、計画と実行とコントロールがループになっています。これはPDCAのサイクルだと思っている人が多いようです。確かに、広い意味ではPDCAサイクルなのですが、単純なPDCAのサイクルではありません。
PDCAサイクルは、計画をして実行をする。そして、レビューをし、是正をするというサイクルですが、これは改善をイメージしたものです。

ところが、プロジェクトマネジメントの計画、実行、コントロールがループになっているのは、部分的に計画してとりあえず、その計画を実行し、また、次のステップの計画を作り、実行するという繰り返しでプロジェクトの目標を達成することをイメージしています。これをプロジェクトでは、「詳細的段階化」といい、プロジェクトが最初から持っている性質のひとつだとされています。

ちなみに、このほかには

 ・有期性(はじめとおわりがある)
 ・独自性(そのプロジェクト固有のものがある。たとえば2つと同じものを作らない)

といった性質を並ぶものですが、なぜか、あまり段階的詳細化には注目されてきていませんでした。

もうお分かりですね。上に書いた3つの抵抗に共通の誤解とは、プロジェクト作業(開発作業など)に着手する前にすべて計画を作らなくてはならないという思い込みです。

それでなくてもプロジェクトの立上げは、プロマネはそのプロジェクトの内容の把握とか、ステークホルダとの話し合いとかで、仕事の集中する時期です。そこで、プロジェクトの完全な計画を作れといわれると、

「まだ、全部決まっているわけではないし、時間もないので、そんな計画は作れないし、使うかどうかも分からないコミュニケーション計画など論外」

と言いたくなる気持ちは分かります。

◆プロジェクトは登山、マイルストーンはハーケン、計画はザイル

そうではなく、段階的に詳細化をしていくという発想を持てば、話は全然変わってきます。登山をテレビで見たことのある方は、ハーケンを岩の割れ目や氷に打ち込み、一端の穴にザイルを通し、手がかりを確保しながら、登山する様子を連想してください。いままで、邪魔者に見えていた計画が、プロジェクトのゴールまで導いてくれるザイルのように見えてくるのではないでしょうか?

ハーケンはマイルストーン、ザイルはプロジェクト計画書です。

頂上まで登れるかどうかは、ハーケンを打つ場所にかかってきます。つまり、段階的詳細化をいかに行うかにかかってきます。しかし、段階的詳細化という概念は理解できでもなかなか実行できないのは登山と同じような難しさがあります。

◆セミナーのご案内

そこで、段階的詳細化をシステマティックに行う方法をご紹介するセミナーを開催します。このセミナーを受講していただくことによって、プロジェクト計画書を使った段階的詳細化ができるようになります。ぜひ、ご参加ください。

     http://pmstyle.biz/smn/keikakujissen.htm

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