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2015年2月17日 (火)

【PMstyle Proposition:002】チームでいいアイデアを出す方法

Conceptual5◆KJ法はコンセプチュアルスキルが必要

コンセプチュアルスキルはその生い立ちも「マネジャーに必要なスキル」として提唱されたものだし、スキルとしても思考スキルの側面が強いので、おのずと人のスキルだと考えらている。

しかし、よく考えてみるとそうでもない。

たとえば、コンセプチュアルスキルの一つのスキルとして、抽象と具象を行き来してものごとを考えるというスキルがある。

実はこれはチームのスキルとして非常に大切なスキルである。これをフレームワークにしたのが、フィールドワークの方法として生まれたKJ法である。

KJ法では、まず、具体的な事象なり、現象なり、観察事実なりを片っ端から上げていく。そして、それをグルーピングし、抽象的なラベルを付ける。つまり、概念化するわけだ。そして、その概念に対して、さらなる観察事実はないかと考えたり、あるいは、経験的な事実はないかと考えてみる。新しい事実が出てくれば、もう一度、その概念を見直して、今の概念で適切かを検討する。チームでこの繰り返しをする、すなわち、チームで抽象と具象を行き来していることになる。



◆チームで考える方が生産的&創造的

KJ法を問題解決のようなビジネスの活動に活用する場合、チームであることによって、具象に多様性が出てくるという大きなメリットがある。いろいろな視点で見た問題現象が集まることになるし、また、抽象化された問題の具体的な例の想像もバラエティが生まれ、再発防止の範囲が格段に広くなる。

この議論はかなり本質的な議論である。たとえば、ブレーンストーミングを考えてみてほしい。よくブレーンストーミングは充実感はあるけど、達成感がないといわれる。平たくいえば、議論しているのは楽しいが、新しいアイデアが出てこないので、楽しいだけで終わってしまう。

ブレーンストーミングでこのような現象が起こる一つの理由は、具体的なレベルの情報の言いっぱなしに終わってしまうからだ。ブレーンストーミングにKJ法のようなルールがあるわけではないので、もちろんそれでいいのだが、いくら具体的な現象などの情報を出しても情報交換や対処療法の検討に終わるだけである。議論に膨らみを持たせ、新たな気づきを得るためには、抽象的なレベルの議論に迷い込み、それは具体的はどういうことだといった議論が不可欠である。つまり、抽象と具象の行き来が不可欠なのだが、ところが、ファシリテーターによって、空理空論になるからといってそれを阻止する人すらいる。この時点でアウトだ。

つまり、抽象と具体の行き来というのは、一人で考えるより、チームで行う方がはるかに生産性も創造性も高い。しかもチームの多様性が高ければ高いほど、生産性も創造性も高くなる。ダイバーシティの切り札だといってもいい。


◆主観、直観、大局でも同じことがいえる

抽象と具象以外にもコンセプチュアルスキルはある。

たとえば、主観と客観を行き来するのはチームの対話そのものである。チームで議論するときに、客観的な意見を求めるのはナンセンス以外の何物でもない。誰かがどんなに主観的な意見をいっても、それはチームの各メンバーにさらされ、客観化される。

直観もそうだ。直観で意見をいえば、だれかが論理的な検証をするだろう。だからチームとしての結論は論理的になる。

さらにいえば、イメージで大雑把なことをいえば、それがどういうことかと分析的な突っ込みが入る。ビジョンやミッション、コンセプトの共有などはまさにこのパターンだ。

このように考えてみると、コンセプチュアルな思考というのはチームで行う方がはるかに生産性も創造性も高くなることは明らかだ。


◆コンセプチュアルスキルはチームにこそ必要

まあ、それを誰の手を借りずに自分の頭の中でできるようにならないと上位のマネジャーは務まらないということなのだが、そのように考える必要はない。それは縦の組織で仕事をしていた1950年代の話だ。

今はチームの時代である。チームとして考え、チームとして行動をする。そのためには、コンセプチュアルスキルというのは極めて有効なスキームである。

チームとしてコンセプチュアルな思考を実現し、行動できるようになろう。


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  【カリキュラム】                     
 1.チームを作る
 2.コンセプチュアルなチームは本質にこだわる
 3.コンセプチュアルシンキングで創造的かつ生産的なチームを作る
 4.コンセプチュアルなリーダーシップ~チームの質のマネジメント
 5.コンセプチュアルなチームワークエクスサイズ       
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