【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(12)】 コミュニケーションのうまく行かない理由
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◆コミュニケーションピラミッドとは
コミュニケーションピラミッドという概念をご存じでしょうか。コミュニケーションの対象の階層を表したもので、
価値観>ロジック>情報
という解層があるとしたものです。
情報のコミュニケーションとは情報交換で、たとえば、ホウレンソウで行われます。ホウレンソウには相談が入っているので情報交換以上のものがあると考えている人も多いと思いますが、相談とは判断を行う際に自分のみの判断が困難なときに上司や先輩、同僚に参考意見を聞くことですので、やり取りされるのは情報の範囲です。
その次のロジックになると、伝えたいことは、論理展開です。たとえば、提案や企画を伝えたときには、情報だけではできません。なぜ、そのような結論に至ったかというロジックを説明する必要があります。この場合、重要なのは情報を伝えることではなく、どのように考えたかを伝えることで、ロジカルシンキングが一般的なツールになります。
さらにその上には、価値観を伝えたいというコミュニケーションがあります。これはロジックでは伝えることはできません。感情、あるいは概念が必要になります。
◆ヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルの役割分担
このように考えると見えてくるのは、ヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルの役割分担です。ヒューマンスキルとしてコミュニケーションスキルが語られる場合には、この3つの層を混在した考え方になっていることが多いと思われます。
ところが、これは明らかに間違いです。これはロジックを伝えたい場合を考えると一目瞭然です。ロジカルシンキングができれなければ、ロジック(論理展開)を伝えることはできないからです。
では、価値観を伝えるにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。感情というのは何かと考えてみると、主観であったり、直観であったりするのではないかと思われます。つまり、これらを含めて、「コンセプチュアル思考」だと考えています。
たとえば、おもてなしが重要だという価値観を伝えることを考えてみましょう。おもてなしが好きということを伝えたいわけですが、これは主観的なものです。さらにいえば、おもてなしとは何かをロジックで表現する必要もあります。
◆コミュニケーション力を強化するにはコンセプチュアルスキルが不可欠
以上を整理してみますと、
・コミュニケーションスキル(ヒューマンスキル)は3つの層で必要で、聴く、話すといった行動のスキルとなる
・ロジックの層、価値化の層のコミュニケーションには、加えてコンセプチュアルスキルが必要
ということになります。
つまり、価値観やロジックのコミュニケーションをするには、コミュニケーションスキルに加えて、コンセプチュアルスキルが不可欠だと言えます。逆にいえば、コミュニケーションがうまく行かない理由が、コミュニケーションスキルそのものにあるのではなく、コンセプチュアルスキルにある場合も少なくないのです。
コミュニケーションをこのように捉えてみてはどうでしょう。
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