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2015年10月

2015年10月 7日 (水)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(9)】 体験を経験に

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Keiken◆経験と体験の違い

最近、「経験」に対して、否定的な人が増えています。理由は、経験が足を引っ張って、新しいことを考えたり、行ったりすることができないというものです。今回はこの問題を取り上げたいと思います。

ちょっと話に入る前に経験と言う言葉を定義しておきたいと思います。経験に似た言葉に体験という言葉があります。どう異なるのでしょうか。体験は自分自身の遭遇したことを意味する言葉です。

これに対して、体験を自分なりに受け止めたものです。体験しなくても、実際に見たり、聞いたりするだけでも、そこから何かを感じとることができれば経験になります。逆にいえば、いくら体験をしても、自分なりに受け止めができなければ、経験にはなりません。

ここで気をつけて戴きたいのは、何度も同じような体験を繰り返していると、そこで起こっていること、やっていることがすべてという受け止めが自然にできることです。

こういう言葉の定義で話を進めていきます。


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2015年10月 2日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(8)】 プロジェクトではなぜ、コンセプチュアルスキルの開発が必要なのか

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Project3先日、ある方から「好川さんはPMの人だと思っていましたが、なぜそこまでコンセプチュアルスキルに拘られるのですか」と聞かれました。今回のコラムはこの話をしたいと思います。


◆ライン型組織は自然に回る

実は、一般的な組織形態(いわゆるライン型組織)においては、コンセプチュアルスキルの開発がそこまで大切だとは思っていません。技術系のスキル(テクニカルスキル)と較べると、コンセプチュアルスキルは人による差が大きいものです。

はっきりいえば、テクニカルスキルであれば一定のトレーニングで最低限のスキルを身につけることができる人は7割~8割くらいだと思いますが、コンセプチュアルスキルだと3~4割ではないかと思っています。最低レベルというのは監督職であれば何とか仕事をしていけるレベルで、課長になったら少し苦しいと思います。

ただそれでも問題はないのです。キャリアの中の機会を利用して高いコンセプチュアルスキルを身につけている人が10人に1人くらいおり、、おそらく、部長まで昇進する人というはそれ以下の比率ですので、構図としてはコンセプチュアルスキルが高い人が昇進するような形になっているからです。

会社によって全体のレベルにはかなりの差はありますが、どんな会社でもその中で部長と(部長になっていない)課長を比べると、コンセプチュアルスキルの差は歴然としているものです。

もちろん、コンセプチュアルスキルが高いから部長に昇進できるわけではありません。実績を上げた人が昇進しているわけですが、課長で成果を上げるにはコンセプチュアルスキルが重要だからこういう構図ができているのだと思います。

簡単にいえば、需要と供給のバランスが取れているわけです(ただし、組織に構成バランスが悪く、管理職にテクニカルスキルを求めざるを得ない組織では、うまくいっていない)。

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【PMスタイル考】第105話:スキルアプローチ考~マネジャーはスキルで評価されるべきか、人で評価されるべきか?

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Skill

◆ロバーツ・カッツが示したスキルアプローチ

ロバート・カッツのコンセプチュアルスキルについて書いた有名は論文のタイトルをご存知でしょうか?

「スキル・アプローチによる優秀な管理者への道」 Harvard Business Review(1955)

という論文です。ここでスキルアプローチという言葉が出てきます。今回のコラムはこの話をしたいと思います。

この論文のリードに以下のように書かれています。

優秀なマネジャーとは、どのような人かではなく、何ができるかによって判定することが求められる

今、考えるとさほど違和感はないと思いますが、もう60年前のことですから、かなり、画期的な主張であったことが分かると思います。マネジャーは何かができるより、まず人物だと考えられていた時代です。

ただし、部長や事業部長になっても、業務スキル(テクニカルスキル)が役に立つわけではありません。何か別のスキルが必要だと考えて、発見したのがコンセプチュアルスキルだというわけです。

言い換えると、テクニカルスキル、ヒューマンスキルだけだったスキルにコンセプチュアルスキルを加えて初めてスキルアプローチが成り立つといってもよいでしょう。

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