【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(7)】新しいコンセプチュアルスキルを求めて
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◆すべての仕事でコンセプチュアルスキルが必要になる
ローバト・カッツの研究はマネジャーのスキルについての研究だったわけですが、担当者には本当にコンセプチュアルスキルは要らないのかという疑問があります。今回の気まぐれコラムはこの話題を。
著者の答えは否です。おそらく、PMstyleが定義しているようなコンセプチュアルスキルは、担当者も含めたどのレイヤーでも必要になってくるものだと思われます。
たとえば、エンジニアであれば、設計というのはとても概念的な仕事です。自動化された生産ラインにおいても、実際に生産担当者がやっている仕事はほとんどがコンセプチュアルワークだと思われます。
とくにこれからは人工知能とロボットが普及してきて、人間が行う仕事はほとんどコンセプチュアルワークという時代になるのではないかと思われます。
◆新しいコンセプチュアルスキル
ただし、ここでいうコンセプチュアルスキルは、抽象化を中心にするコンセプチュアルスキルとは少し違います。抽象/具象の軸だけではなく、主観や直観を積極的に使い、大局的視点や長期的視点を重視するというもので、
見えないものを把握し、価値を判断し、全体を描き、本質をふまえた思考や行動をするスキル
のことです。
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◆マネジメントという仕事
では、新しいコンセプチュアルスキルがどういった形で必要になってくるのかを考えるときに、カッツの時代との大きなギャップがあることに気が付きます。
つまり、カッツの時代には、マネジメントという仕事はありませんでした。ピーター・ドラッカーが「マネジメント」でマネジャーの仕事を明確にしたのは、カッツがコンセプチュアルスキルに関する論文を書いた後です。
そこから、さまざまな人がドラッカーがいうマネジャーの仕事であるマネジメントを行うにはどのようなスキルが必要か考えるようになりました。いわゆる「マネジメントスキル」です。
現代では、マネジメントスキルもコンセプチュアルスキルもマネジャーが必要とするスキルであることは疑いようのない事実だと思われますが、では、どういう関係があるのでしょうか?
◆新しいコンセプチュアルスキルの位置づけ
そこで我々は、新しいコンセプチュアルスキルを定義するときに、マネジメントスキルも含めた新しい位置づけを考えてみました。それが図に示すものです。
カッツの図と比較すると、コンセプチュアルスキルの位置付けを考えてみました。これはプロフェッショナルを対象したコンセプチュアルスキルの位置づけです。プロフェッショナルである限り、担当者でもコンセプチュアルスキルが必要だという図になっています。
というか、プロフェッショナル(あるいはタレント)と、普通のエンジニアを分けるのがコンセプチュアルスキルだと考えています。
マネジャーであればマネジメントスキルが基本スキルであり、そのスキルがどのように機能するかはコンセプチュアルスキルによって変わってくるのです。担当者であればいろいろなテクニカルスキルが基本スキルですが、やはり、どれだけ仕事ができるかはコンセプチュアルスキルによって変わってくるというモデルになっています。
このように「新しいコンセプチュアルスキル」は、すべてのレイヤーの人にとって、自分の業務の質を高めるために不可欠なスキルだと言えます。
◆コンセプチュアルスキルのトレーニング
PMstyleではこのような考えのコンセプチュアルスキルトレーニングを行っています。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアル思考~見えないものに挑む思考法 ◆(7PDU's)
日時:2015年 11月 13日(金) 10:00-18:00(9:40受付開始)
場所:銀座ビジネスセンター(東京都中央区)
講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_thinking.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
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【カリキュラム】
1.思考をコンセプチュアルにする思考法
2.思考をコンセプチュアルにする思考ツール
3.コンセプチュアルな思考を妨げるもの
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