なぜ、PMOはうまくいかないのか?
(2008/06/11)
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なぜ、PMOはうまくいかないのか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆PMOがうまくいかない理由
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の設立もピークを迎えた感がありますが、いざ、立上げとなると、なかなか思い通りにいかないという問題に直面します。
PMOの立上げにあたっては、2つの大きな問題があります。ひとつ目は、PMOにどのような機能を持たせるか、そして、それをどのくらいのスパンでどういう手順で実現していくかという問題です。二つ目は、PMOの投資対効果をどのようにマネジメントしていくかです。
最初の問題に対しては、中期の経営計画・事業計画を踏まえて、PMOの展開をどのような形で「ロードマップ」として描いていく必要があります。
二つ目は「ビジネスケース」などの形で、PMOの計画と評価をし、その結果を踏まえて、効果の出る活動に調整をしていく必要があります。
このような取り組みは多くの企業がそれなりにやっていることですが、現実にはなかなか、絵に描いたようにはいきません。
◆提唱する施策が浸透しない
なぜでしょうか?いろいろな企業を見てきて、大きく分けると2つの原因があることに気付きました。
ひとつ目の問題は、PMOの提唱する施策がなかなか浸透していかないことです。別の言い方をすればプロジェクトマネジメントが定着しないことです。ここには、変革マネジメントに対する未熟さがあります。プロジェクトマネジメントを導入するというのは、仕事のやり方を画期的に変えるということです。したがって、絵を描いたらそのままスムーズに行く考える方がどうかしています。いろいろな壁を乗り越えて、初めて達成されるものです。なかなかできないので、競争力の源泉としての価値があるわけです。
この問題に直面して多くのPMOは自分たちの活動をサービス的なものに舵を切ります。サービスはサービスで重要な活動なのですが、基本的な施策の定着前にサービスに舵を切ると、定着の阻害要因にしかならないことを認識しておく必要があります。
◆PMO機能のニーズ把握がきちんとできていない
二つ目の問題は、機能的な工夫をしていないことです。プロジェクトマネジメントの制度というのは、
(1)戦略実行からのニーズ
(2)経営管理(組織マネジメント)からのニーズ
(3)プロジェクト運営からのニーズ
の3つのニーズが交わるところにしか存在しえません。どれか一つだけのニーズで作った制度は長持ちしません。このことをよく考えてPMOが持つ機能設計を行う必要があります。たとえばPMOの機能としてナレッジマネジメントを持つことにします。
このニーズは企業に関係なく共通かも知れません。ところが、どういう機能にするのかは、工夫の余地がありますし、上のニーズを反映していく必要があります。このようなことをあまり考えずに、PMOの機能を設計してみても効果は出ません。
PMOの立ち上げをしていく際には、以上の2点をよく考えて進めていく必要があります。
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