日本では取り纏め型PMが求められる
●プロジェクトマネジメントブームの前までは、プロジェクトマネジャーを「取りまとめ役」といった呼び方をしている企業が多かった。また、ベンチャー企業で事業密度の濃い企業には「代表取締役」ならぬ、「代表取りまとめ役」がいるという説がある。
●ファシリテーションという考え方がある。プロジェクトファシリテーションというのも出てきた。横文字を使うと「また、新しい言葉か」となるが、実態は取りまとめである。
●「プロジェクトにはファシリテータが必要である」と言われるとそんなものいらないと思う人でも、「プロジェクトには取りまとめ役が必要である」といわれて、そんなもの要らないという人は少ないのではないかと思う。
●プロジェクトの取りまとめが、プロジェクトマネジャーになってきた理由はレスポンシビリティの不明確さとアカウンタビリティの不足に対する反省である。その反省の中で、これらのマネジメントの先進国である米国に学べということで取り入れられたのがプロジェクトマネジメントであり、PMBOKである。
●PMBOKを真剣に適用しようと考えた人は気づかれた人が多いと思うが、PMBOKは日本の平均的な企業イメージからすると、明らかにマネジメントの比重が異なる。端的にいえば、計画の比重が高く、コミュニケーションの比重が低い。これは、「マネジメントのフロントローディング」ともいえるもので、計画をできるだけ手厚くすることによって、物事を計画通りに進めることを「良し」としているからだ。ただし、現実には、状況変化が起こるので、それにはリスクを計画することで、あくまでも計画的に対応しようという発想になっている。
●これは正しいと思う。しかし、これが唯一の方法ではないとも思う。
●元来、日本人には計画的なマネジメントというのはあまり適さないスタイルだと思われる。むしろ、明確な目標の元に、柔軟性のあるマネジメントを行うというスタイルが適している。
●では、取りまとめ役型のプロジェクトマネジメントとはどんなものか?取りまとめ型のプロジェクトマネジメントとは、合意点を探りながら、その合意点に全体が行くようにファシリテートしていくスタイルになる。これは、プロジェクトマネジャーによるプロジェクトマネジメントと組織によるプロジェクトマネジメントの統合の役割を持つPMOリーダーの活動に近い。
●PMOリーダー養成講座は、PMOのスタッフの育成を目的とした講座であるが、取りまとめ型プロジェクトマネジャーを目指す人にも受講をお奨めする。
●興味をもたれた方は、概論講座の位置づけになっている
事例にみるプロジェクトマネジメントオフィスの役割と機能
http://www.pmstyle.biz/smn/pmo2.htm
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