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2017年10月 4日 (水)

【「コンセプチュアル思考」でプロジェクトを動かす】第1回 なぜ、ITプロジェクトは混乱するのか

◆なぜ、ITプロジェクトは混乱するのか

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次のようなプロジェクトを考えてみよう。

ある通販会社で経営層から「ロイヤルカスタマー戦略のテコ入れによる収益向上」と
う戦略が打ち出された。その実行の一環としてロイヤルカスタマーへの新たな働きかけをする、これまでにはない仕組みの構築を課題としたプロジェクトを実施することになった。

これまではロイヤルカスタマーに対する値引きは行っていたが、即日配送、特別な情報提供などできそうなことはいくらでもある。加えて、これまでには行われていない方法を取ることを前提にすれば、考える範囲はほぼ制約がない。一方でコストは決まっているので、その制約は守らなくてはならない。

このようなプロジェクトにおいて、いきなり、具体的にどのような仕組みを持たせるかを決めようとしても、新しい独自の仕組みを固定的に考えることは非常に難しく、試行錯誤してみなくては決まらない可能性が高い。また、強引に決めてもプロジェクトを進めていくうちに、実現できない、予算が足らないといった問題に直面することが多い。

そもそも、ロイヤルカスタマーの定義は今のままでいいのかといった話にもなってくるだろう。

たとえば、注文の仕組みを変えて、ロイヤルカスタマーになれば他の人に商品を奨めた場合のロイヤリティが入る仕組みを取り入れようとした。ところが、ロイヤルカスタマーがそれなりに満足するにはどういう仕組みにすればよいかは実際にやってみないと分からない部分が多い。仕組みによって、システムの仕様だけではなく、範囲も変わってくるだろう。

このようにシステムとして開発すべき範囲や仕様を明確にした上で、システムを開発するという方法が通用しにくい「ITプロジェクト」が増えている。

にも関わらず、要求仕様を強引に決めようとする。プロジェクトを進めていくうちに、結果として要求仕様は変化し、ステークホルダーの間でプロジェクトの目的に対する共通の認識がなく、また、チームにおいても指針がなく開発を進めていくケースが増えている。

従来のプロジェクトではプロジェクトの目的はシステム目的によってほぼ決まっていたし、システムの要求仕様もプロジェクトの初期で決まっていたので、あえてプロジェクトの目的を意識する必要はなかった。

ところが、問題としているタイプのITプロジェクトでは、プロジェクトの目的とシステムの目的は必ずしも一致しない。つまり、明確なゴールを設定しないままで、プロジェクトを開始することになる。

プロジェクトのゴールが明確になっていない状況でプロジェクトを進めると、プロジェクトは例外なく混乱する。これが、いま、ITプロジェクトが混乱しているもっとも大きな原因である。

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2017年9月27日 (水)

【コンセプチュアルスタイル考】第36話:PMOのためのコンセプチュアルスキル

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Pmo_3◆PMOのタイプ

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は

(1)事務局型(プロジェクトオフィス)
(2)標準化型
(3)問題解決型
(4)戦略実行型

の4つに分けることができます。

(4)に近づくほど複雑な問題の解決をすることになりますので、(1)→(4)を成長とみる向きもあるようですが、プロジェクト形態のニーズとの兼ね合いもあるので、一概に(4)に向かうべきだとは言えません。また、(3)、(4)を役割を持ちながら、(1)や(2)を同時に持つこともありえます。

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2017年9月22日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(19)】洞察力と応用力を身につけ、生産性と創造性を両立しよう!!

バックナンバー http://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure

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◆生産性の向上方法

一般的に生産性と創造性は相反するものだと考えられています。

確かに生産性向上を無駄を削るという方法だけで実現しようとすると、創造的なことをやるというのは矛盾してしまいます。

しかし、生産性向上の方法はもう少し広く考えることができます。つまり、無駄を削減する以外に

・価値を向上する

という方法があります。

例えば、100万円で売る商品を作るのに100時間かかっているとします。この仕事の生産性を倍にしようと思えば、まず50時間で作るという方法があります。もう一つの方法として、100時間で200万円で売れる商品を創るという方法もあります。

前者はプロセスの無駄を削ることによって実現していきます。現実的には継続的な改善を続けているので半分というのは難しいかもしれませんが、そのような場合には、プロセスそのものを見直し、実現を目指すことになります。いわゆるプロセスイノベーションです。

後者は商品の機能を新しくしたり、あるいは商品のコンセプトを変え、商品として別物にすることによって実現していきます。これが一般的なイノベーションのイメージです。

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2017年9月12日 (火)

【PMスタイル考】第128話:なぜ、コンセプトは重要か

バックナンバー http://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆まず、モノありき

日本ではモノを重視する。決めごとをするのに、まず、モノの存在がある。

ここから始まっているので、製品コンセプトやプロジェクトのコンセプト(目的)を考える場合、「後づけ」になる。つまり、固定的なモノのイメージがあってそこからコンセプトや目的を考え、そこで終わるので、非常に限定的なイメージになる。

ここでモノといっているのはハードだけではない。ソフトウエアも含めて、「作る」モノすべてだ。今、生産性が問題になっているサービスもモノとして扱っている場合が少なくない。

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2017年9月 9日 (土)

【お知らせ】「コンセプチュアルスキル」に関する説明会

9月~10月にかけて、PMstyleでコンセプチュアルスキルに関する説明会を2件、行います。

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ご関心があれば、ご参加ください。

1件はPMO向け説明会で、もう1件はコンセプチュアルスキル講座の説明会です。

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2017年9月 8日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座】2017年度下期~コンセプチュアルスキルでVUCAに対応する

2017年1月に日本経済新聞出版社より、PMstyleで展開しているコンセプチュアルスキルの基本を解説した「コンセプチュアル思考」を出版しました。また、8月には日経BP社から「「コンセプト力」でプロジェクトを動かす」という書籍を出版しました。

2017年度下期は、これらの書籍を中心に展開していく計画です。

2017年のコンセプチュアルスキル講座は、

(1)基本
(2)思考
(3)行動
(4)業務

の4分野です。

下期の特記事項としては、一つは「コンセプチュアルプロジェクトマネジメント」を全面改訂し、新講座として「「コンセプト力」でプロジェクトを動かす」を新たに設置したことです。以前、「コンセプチュアルプロジェクトマネジメント」講座を受講された方にもお勧めしたい講座です。

また、下期は兼ねてよりご要望のありました関西(大阪)で、基本講座をトライアル開催することになりました。下期に開催するのは従来から開催していた「クリティカルシンキング」に加えて以下の2講座になります。受講をご検討いただけましたら幸いです。

・コンセプチュアルスキル入門(2018年 01月 23日(火))
・コンセプチュアル思考(2018年 02月 21日(水))

全体のプログラムは以下ののようになっています。

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※診断スコアはコンセプチュアルスキル診断の結果です。こちらから実施できます。

http://pmstyle.biz/cncpt/conceptual_shindan.htm

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2017年9月 1日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座】新刊のご案内~コンセプチュアル思考/「コンセプト力」でプロジェクトを動かす

PMstyleプロデューサーの好川哲人です。

今年、コンセプチュアルスキルの本を2冊出版しました。今日は、これらについてご紹介します。


◆「コンセプチュアル思考」

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1冊はコンセプチュアル思考に関する本です。

好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim

コンセプチュアル思考は

(1)イメージで大雑把に物事を捉えた上で、そのイメージを定量的に説明することによりイメージを明確にする大局と分析軸

(2)現実の現象を抽象化し、抽象的に思考(問題解決や意思決定)を行い、その結果を複数の具体的な事象や行動に落とし込む抽象と具象軸

(3)自身の価値感に基づき思考を行い、その結果について第三者的な視点から妥当性を検証・調整する主観と客観軸

(4)直観的に判断をした結果に対して論理的根拠を構成し、論理で得られた結果の妥当性を直観的に判断する直観と論理軸

(5)長期スパンの思考と短期スパンの思考を行う長期と短期軸

の5つの軸を使って、概念と形象の世界を行き来する思考法です。この本では、簡単な例を示しながら、コンセプチュアル思考の方法を説明しています。

本書を読めば、コンセプチュアル思考が理解でき、実務の中で活用できるようになります。すべてのビジネスマンに読んでいただきたい1冊です。


◆「「コンセプト力」でプロジェクトを動かす」

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2冊目は、コンセプチュアル思考を使って、プロジェクトマネジメントを行う方法について述べた本です。

好川哲人「「コンセプト力」でプロジェクトを動かす」、日経BP社(2017)


https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482225948X/opc-22/ref=nosim

この本では、前半はプロジェクト(マネジメント)においてコンセプチュアル思考(本書ではコンセプト力と呼んでいます)が必要な局面を指摘し、どのように適用するかを解説しています。

後半ではそれらのポイントを中心に、一つの事例プロジェクトにより、プロジェクトの立上げから終了までどのように進めていくかを説明しています。

既存のプロジェクトマネジメントを基本にしていますので、もっとうまくプロジェクトを動かせるようになりたいと考えているプロジェクトマネジャーにお勧めです。

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2017年8月29日 (火)

【PMスタイル考】第127話:コンセプチュアルスキルで業務の質を向上させる

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Kw◆コンセプチュアルスキルの起源

最近、よく聞かれるのが「コンセプチュアルスキルがなぜ必要か」ということだ。関心を持つ人が増えてきたということなのだろう。ありがたいことだ。そこで、今回のPMスタイル考は、この問いに答える形で書いて見る。

ちょっと大きな話になるが、コンセプチュアルスキルはロバート・カッツというハーバード大学の先生がマネジャー、特に経営にタッチする上級マネジャーの特有のスキルとして提唱したものだ。

彼は、工場において、最初の管理職位である作業長になる人の中で、上にあがっていける人といけない人にどういう違いがあるかを観察し、コンセプチュアルスキルの高さによるという発見をした。つまり、業務スキルやヒューマンスキルに加えてコンセプチュアルスキルが高い人は工場長まで上がれるが、あまり高くないとあるところから上の職位にはつけないことに気付いた。

この着眼は日本企業に適合しており、コンセプチュアルスキル(概念化スキル)の向上が日本企業では重要な人事課題になっている。

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2017年8月28日 (月)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(18)】コンセプチュアル思考でプロジェクトを動かす~TQMから真のプロジェクトマネジメントへ

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Project

◆経営戦略の本質に貢献するプロジェクト

15年位前から日本でもプロジェクトマネジメントに関心が高まり、IT業界を中心に盛んに導入が行われてきました。

多くの企業ではマネジメントに関心を持つ一方で、プロジェクトへの関心はあまり高まらず、結果として、品質管理の延長線上で、品質管理目標への取り組みを経営戦略へ適用したTQM(Total Quality Management)に落ち着いてきたような気配があります。

もちろん、これによって失敗するプロジェクトが減り、経営的な成果が生まれていますので十分な意味があったわけですが、一方で、これが原因でイノベーションが起こせないという問題に行き当たっています。つまり、経営戦略をプロジェクト活動に落とし込む際に、不確実性の小さい方法を選んでいくために、本来の挑戦的なプロジェクトにはなりにくいのです。

この問題を解決するには、プロジェクトの創り方を変えていく必要があります。

それは、「失敗しにくいプロジェクト」に落としていくことから、「経営戦略の本質に貢献するプロジェクト」に落としていくように変革する必要があります。

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2017年8月18日 (金)

【PMスタイル考】第126話:プロジェクトチームがコンセプチュアルであるとはどういうことか

バックナンバー http://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Comm◆プロジェクトは具体化してできる

プロジェクトマネジメントでは、やらなくてはならない作業の大枠をプロジェクトとして決め、実際の作業をどのように行うかは担当のチームや担当者が決めて行うという方法で計画をつくり、作業を進めていく。

さらに遡れば、プロジェクトの目標となる予算やスケジュール、あるいは品質基準はチームで共有され、ここからプロジェクトの計画に展開して行く。

そして目標は目的を具体化する形で決められ、目的は戦略から決まってくる。

つまり、戦略、目的、目標、プロジェクト計画、作業計画の間には

戦略
 → (具体化) →目的 
  → (具体化) → 目標
   → (具体化) → プロジェクト(マネジメント)計画
    → (具体化) → 作業計画


という関係があり、最終的にはプロジェクトで行っている作業は何らかの意味で戦略実行のための作業になっている。これがプロジェクトマネジメントの原理だ。

これから分かるように、プロジェクトは戦略を具体化してできているわけだ。

この記事では、上位にあるものを上位概念と呼ぶことにする。目的の上位概念は戦略、目標の上位概念は目的、計画の上位概念は目標ということになる。

さて、以上を前提にしてコンセプチュアルなチームの話を進めていきたい。

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