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2018年1月11日 (木)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(21)】顧客の要望を洞察する

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Request◆なぜ、生産性が上がらないのか

仕事の生産性が向上しない理由はさまざまだですが、本質的だと思われる理由はコンセプチュアルスキルの高さにあることだと思われます。

コンセプチュアル思考の軸でいえば、抽象と具象の行き来がうまくできないことに代表されます。自分の担当している業務については、具体的にいつ、何を、どのようにすべきか、具体的に分かっています。これは、デザインやコンサルティングのような、非定型の仕事でもある程度、当てはまると思われます。

ところが、この具体的な手順を何も考えないままに実施しているだけという人やチームが珍しくありません。もちろん、マニュアルやルールになっているのでそのようにしている人も多いとは思いましすが、これでは生産性の向上といっても精神論になってしまいかねません。


◆抽象化で違うやり方を考える

ではこのような壁を乗り越えて生産性を上げるにはどうすればよいのでしょうか?一言でいえば、仕事の本質を考えて、違うやり方を考えることです。

例えば、顧客Aの業務が楽にできる提案をするという仕事を考えてみます。この組織では通常のやり方にならって<具体1>のように行いました。

<具体1>まず、顧客Aの誰に尋ねるかを決め、アポを取る。そして、顧客Aのもとを訪れ、目標を聞いていき、録音し、テープ起こしをする。関係者全員のインタビューが終わったら、顧客Aの目標を要求として整理し、まとめていく。そして、その要求にどのように応えるかを決め、提案書を作る。提案書ができたら再びアポを取り、提案のプレゼンをする。

こんな一連の作業の流れになりますが、ここで、顧客Aは何か変えたいけど、さほど明確な目標を持っていないし、問題意識もあまりないとしたらどうでしょうか?この具体的な流れはうまくいかないでしょう。

そこで、やるべきことを抽象化してみます。例えば

<抽象1>顧客Aの目標を聞き、整理し、目標に応える方法を提案する

ということになります。あるいは

<抽象1’>顧客Aの業務の問題点を聞き、整理し、問題点を解消する方法を提案する

でもいいかもしれません。これでも、顧客Aが何をやりたいのか明確な目標を持っていないとすれば、作業はできないでしょう。

そこでさらに抽象化します。例えば

<抽象2>顧客Aの目的を探り、かなえる方法を提案する
<抽象2’>顧客Aの業務の問題を探り、解決する方法を提案する

となります。

そこで、抽象2までさかのぼって、ここから具体的な作業に落とし込んでいくことを考えます。例えば、顧客に直接尋ねるのではなく、

<具体2>顧客の取引先にコンタクトし、担当者から顧客の問題点を聞き出す。そして、なぜそのような問題が起こっているかを分析し、問題点の解消のための方法を考え、顧客の意見を聞き、最終的な提案をまとめる

といった具体化が考えられます。これは抽象2の具体化の一つの例ですが、もともと、考えていた具体的な作業の流れとは全く異なります。しかし、この活動の本質を抽象2のようなものだと考えると、この方が適切であるといえるわけです。

このような抽象と具象の行き来は洞察と呼ばれます。


◆洞察なくては生産性は上がらない

ここで一つ考えておく必要があるのは、具体1のような行動を実際にとって顧客からうまく要求を聞き出せないことから始まって、紆余曲折があり、最終的に具体2のような活動になることもあり得ることです。

にもかかわらず、生産性向上のために取り組んでいることは、

・顧客とのコミュニケーションを効率しよう
・顧客から得られた情報の整理を効率しよう
・プレゼン資料を効率よく作ろう

もちろん、これらの効率化も必要ななことです。

ボトムアップなスタイルを好む日本人としてはこちらの方がよいと考える人が多いかもしれません。しかし、こういうやり方をしていると生産性は上がらないということです。この時代、目に見えている問題はおおむね、ある程度効率をやられているからです。

もう一つ、多くの組織では具体1のようなプロセスがマニュアルで決まっているケースが少なくありません。あるいは、組織で常識的なやり方として引き継がれていることもあるでしょう。このような状況が、上のような発想を妨げています。場合によっては、間違っているといわれることもあります。これが生産性の向上を妨げていることに注意を払っておく必要があります。

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