よく「具体的に考えろ」、「抽象的なことばかり言っていないで、具体的に説明しろ」とかいいます。なぜ、具体的に考えられないのでしょうか?
それは「コンセプチュアルスキル」が低いからです。コンセプチュアルスキルは日本語では「概念化スキル」とも言われ、この名称のせいか、概念的、抽象的にものを考えるスキルだと思われがちです。そのため、コンセプチュアルスキルが高い人(コンセプチュアルな人)というと抽象的、曖昧なことばかり言っていて、実行力や行動力に欠けるイメージがあります。
行動をしようと思えば、必ず具体的に考えなくてはなりません。そのため、そんなイメージができるのだと思いますが、誤解です。
たとえば、みなさんが上司から指示をされるときに、具体的な指示があることは期待できません。上司に対して言っていることが抽象的で分からないと批判をす る人がいますが、それは見当違いです。役割が違いますので、部下からみれば抽象的な指示になりますし、上司は自分の考えを具体化する良いアイデアを部下に 求めているわけです。
みなさんは、まず、上司の指示を具体化するプランをいくつか考え、その中からよさそうなものを選び、実行します。問 題なければOKです。うまくいかなければ別のプランを実行します。それでもうまくいかなければ上司の指示の妥当性について検討します。必要があれば修正 し、再び具体的なプランに落とし直して実行します。
これができるのが、コンセプチュアルな人です。
もうお分かりいただけたと思います。コンセプチュアルな人になるには、抽象的に考えられることはもちろんですが、抽象的に考えた結果を具体に落とし行動に移すことができることが必要です。
さらに、その行動や実行の結果を踏まえて、抽象的に考えたことを考え直し、また、具体に落とせることが必要です。
つまり、コンセプチュアルな人とは、抽象と具体の間を自由に行き来できる人なのです。
そ して行き来のスキルがコンセプチュアルスキルです。上の例でお分かり頂けると思いますが、コンセプチュアルスキルによって、幅広い思考ができるようにな り、より質の高い具体案を創造できるようになります。つまり、問題解決の可能性が高まったり、意思決定の柔軟性が高まったり、計画の実行性が高まったりす るわけです。
今回のメルマガセミナーは、マネジメントに必要だと思われるコンセプチュアルスキルを「具体的」にし、そのトレーニングに取り組みたいと思います。コンセプチュアルな人になりたいと思う人はご参加ください!
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◆マネジメントセンスを高めるコンセプチュアルスキルトレーニング◆(7PDU's)
日時:2013年09月 07日(土)10:00-18:00(9:40受付開始)
場所:国際ファッションセンター(東京都墨田区)
講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/sense_conceptual.htm
主催 有限会社エムアンドティ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【カリキュラム】
1.センスとは何か
2.マネジメントセンスを高める7つのコンセプチュアルスキル
3.センスを高めるコンセプチュアルスキルトレーニング
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
メルマガ創刊から2~5年目にやっていた時期を第1期として、今回は第2期とします。
第1期は多くの企業がプロジェクトマネジメントを導入し、プロジェクトマネジャーの数を増やそうとしていた時期でしたので、プロジェクトマネジメントスキルをテーマに、1テーマ1回で、半日のセミナーとして実施していました。
第2期ではプロジェクトマネジャーは「量から質を求める」時代になっているという認識のもと、プロジェクトマネジャーの品質アップを目指して、プロジェクトマネジャーにとってより「本質的」なスキルを取り上げて、土曜日の1日セミナーでじっくりと取り組んで戴くことにしました。
第2期第1回のテーマは
「マネジメントセンス」
を取り上げます。
プロジェクトマネジメントは、従来はモノやシステムを作るオペレーションのマネジメントとして発展してきました。しかし、モノ作りやシステム開発はサービ スに移行してきており、技術に加えて、ステークホルダーとのかかわり方が成果に大きな影響を与えるようになってきました。
それとともに、プロジェクトマネジメントはオペレーションのマネジメントというよりも「有期的な活動のマネジメント」の性格が強くなってきました。そこで、要求されるのは、プロジェクトマネジメントのノウハウより、「マネジメントのセンス」です。
マネジメントのセンスに強く影響を与えているのが、「コンセプチュアルスキル」です。センスがいいと思われるプロジェクトマネジャーは
1.期待を把握する
2.自分を客観視する
3.コンセプトを明確にする
4.バランス感覚を持つ
5.過去の経験にこだわらない
6.論理と感情をうまく使う
7.経験のないことに適切に対処する
などの高いコンセプチュアルスキルを持っています。つまり、これらのスキルを磨くことによって、マネジメントセンスが身についていくわけです。
第2期1回目のPM養成マガジンセミナーでは、これらのスキルを磨くトレーニングを行います。
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◆マネジメントセンスを高めるコンセプチュアルスキルトレーニング◆(7PDU's)
日時:2013年09月 07日(土)10:00-18:00(9:40受付開始)
場所:国際ファッションセンター(東京都墨田区)
講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/sense_conceptual.htm
主催 有限会社エムアンドティ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【カリキュラム】
1.センスとは何か
2.マネジメントセンスを高める7つのコンセプチュアルスキル
3.センスを高めるコンセプチュアルスキルトレーニング
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【お得なお知らせ】
PM 養成マガジンプロフェッショナル版を購読されている方は、受講料1万5千円のところ、1万円で受講できます(いずれも税別)。差額5千円は10か月分の PM養成マガジンプロフェッショナル版の購読料です(最初の月は無料ですので、計11か月に相当します)。まず、プロフェッショナル版を購読いただき、お 申込みになると、お得です。申込方法はプロフェッショナル版のお知らせをご覧ください。
プロフェッショナル版の購読はこちらからできます。
http://www.mag2.com/m/P0000985.html
PM養成マガジン10周年記念セミナーの第3回のテーマは「デザイン思考」です。この記事では、なぜ、デザイン思考をプログラムにいれたのかについて、お話したいと思います。
狩野紀昭先生が提唱された顧客の要求事項のレベルを示す「kanoモデル」というモデルがあります。日本だけではなく、海外の書籍でも取り上げられるような有名なモデルです。
PM養成講座10周年記念セミナーも第3回を迎えます。6回のセッションの中で、好川が個人的にもっとも関心があるのが、第3回のデザイン思考です。今回の棚橋さんのワークショップでは、デザイン思考の本質だと思う行動観察を取り上げて頂きました。
僕が行動観察の重要性に最初に出会ったのは、もう20年近く前になります。マネジメントの大家の一人であるヘンリー・ミンツバーグ博士がマネジャーの業務の実態を調査し、結果をまとめた「マネジャーの仕事」という著書があります。マネジャーは、当時考えられていたようにまとまった体系的な仕事をしているわけではない。短い時間で終わる雑多な仕事をつぎから次に処理していることを見つけた名著ですが、この調査で使われたのは行動観察です。実際に、マネジャーの行動を観察し、常識とは異なる事実を発見したわけです。
「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、まさに、これですね。
対人関係スキルに関するアンケートの結果です。アンケートへのご協力ありがとうございました。
◆アンケートのテーマと方法
今回、ちょっと複雑なことをしてまして、
・対人関係スキルの連載のテーマ
・対人関係スキルの講座のプログラム
の2つのテーマを、同じ選択肢で質問しました。それぞれの対象は以下の通りです。
・連載テーマ
メルマガ(PM養成マガジン、戦略実行プロ)
プロジェクトの補助線ブログ
コミュニティ(プロジェクトの補助線)
好川の個人的なフェースブックページ
・講座プログラム
PMstyle+会員
PMstyleメール会員
PMstyleプロデュースブログ
◆連載テーマの結果
まず、連載テーマの方ですが、115名の回答を戴き、以下のような結果になりました。
リーダーシップ 27(23%)
チームビルディング 15(13%)
動機づけ 11(10%)
コミュニケーション 17(15%)
ステークホルダへの影響力 9(8%)
意思決定 14(12%)
交渉とコンフリクトマネジメント 16(14%)
ストレスマネジメント 6(5%)
もっとも多かったのが「リーダーシップ」、2位が「コミュニケーション」、僅差の3位が「交渉とコンフリクトマネジメント」という結果になりました。
◆講座プログラム
つぎに、講座のプログラムですが、52名の回答を戴き、以下のような結果になりました。
リーダーシップ 14(27%)
チームビルディング 4(8%)
動機づけ 2(4%)
コミュニケーション 10(19%)
ステークホルダへの影響力 6(12%)
意思決定 5(10%)
交渉とコンフリクトマネジメント 6(12%)
ストレスマネジメント 5(10%)
1位の「リーダーシップ」、2位の「コミュニケーション」は同じでした。3位に「交渉とコンフリクトマネジメント」に加えて、「ステークホルダへの影響力」が入りました。
◆併せてみると
アンケート先が変わっているので重複回答は少ないと考え、合計してみました。
リーダーシップ 41(25%)
チームビルディング 19(11%)
動機づけ 13(8%)
コミュニケーション 27(16%)
ステークホルダへの影響力 15(9%)
意思決定 19(11%)
交渉とコンフリクトマネジメント 22(13%)
ストレスマネジメント 11(7%)
◆アンケートの結果から分かること
ベスト3は
リーダーシップ
コミュニケーション
交渉&コンフリクトマネジメント
の3つは、ITの分野ではITスキル標準でも取り上げられているヒューマンスキルで、妥当なところだと思います。
4位は、連載の方では「チームビルディング」、プログラムの方では、3位が「交渉とコンフリクトマネジメント」、「ステークホルダへの影響力」でした。
トータルでみると、同数4位で、「チームビルディング」と「意志決定」でした。
1位と2位のリーダーシップ&コミュニケーションは定番だと思いますが、興味深いのは、3位以下です。ここに交渉がくるというのは、決めたことと通すというよりも、仮決めして、調整型のプロジェクト運営をしていることの表れだと思われます。
◆メルマガコミュニティの結果について
もっとも変わった傾向がでたのが、最近作ったメルマガのコミュニティ「プロジェクトの補助線」でした。
http://mat.lekumo.biz/ppf/2012/04/community.html
回答してくださったのが15名で、1位「交渉とコンフリクトマネジメント」が8人、2位が「チームビルディング」が4人、あと3人はばらばらという結果でした。
一 般論としていえば、プロジェクトが素直な場合(開発業務が中心の場合)には、リーダーシップ&コミュニケーションが非常に効果的に機能します。しかし、ス テークホルダが増えてくると、リーダーシップやコミュニケーションより、交渉とチームが重要になってきます。チームを機能させ、自律的に動くようにした上 で、プロジェクトリーダーはステークホルダとの交渉を中心に活動する必要があるからです。
コミュニティの結果は、そのように読めるのではないかと思います。
仕事柄、プロジェクトマネジャーの評価をすることがあります。評価をするときに、もっとも注目するのは、スキルでも、コンピテンシーでも、経験でもありません。プロジェクトマネジャーとしての「持論」を持っているかどうかです。
なぜでしょうか?
スキルやコンピテンシーは開発する必要がありますが、学習できるかどうかの決め手になるのが持論を持っているかどうかです。プロジェクトマネジャーに必要なスキルは極めて多く、要求されるコンピテンシーも広範です。それらを完全に身につけることは不可能です。
つまり、自分のスタイルを決めて、必要なスキルやコンピテンシーを見極め、それらを磨いていくという方法をとらないと、スキルやコンピテンシーは開発できません。そのスタイルを決めるのが「持論」です。
経験については、時間がたてば経験を積むことができますが、プロジェクトマネジャーを担当するだけでは経験にはなりません。経験を経験として活かすには、自分のやり方を持ち、経験によってやり方を改善していく必要があります。自分のやり方=「持論」と言うわけで、ここでもやはり、持論がポイントになります。
このような考えで、PM養成マガジンはできるだけ、読者の方が持論を持てるように働きかけていますが、10周年記念ということで、「持論を作る」アクティビティを行うことにしました。
持論を持ち、自分を成長させていきたいと思うプロジェクトマネジャーの方の参加をお待ちしています!
参加費は無料ですが、簡単な参加要件があります。参加方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
【第2弾:アクティビティ「持論を持とう!」】
また、長いプログラムですので、スケジュールの確認もお願いします。
2月11日にPM養成マガジン10周年記念セミナー第1回「ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法」のワークショップ、54名の方が参加され、盛会のうちに終了しました。
ファシリテータは国際大学GLOCOM主幹研究員「イノベーション行動科学」プロジェクトリーダー、富士ゼロックス株式会社 KDI(ナレッジ・ダイナミクス・イニシアティブ) シニア マネジャー、K.I.T.虎ノ門大学院ビジネスアーキテクト専攻 客員教授といろいろな活動をされている野村恭彦さんでした。
(ゲームの進め方を説明する野村さん)
(今日の想い出)
最後に野村さんから、何か使えそうだと思った人という質問に、ほぼ、全員手を上げていました。ぜひ、プロジェクトで活用していただければと思います。
なお、途中、野村さんから今回の参加者が中心になり、ゲームストーミングのコミュニティfacebookページを作ろうという提案があり、さっそく作りました。ぜひ、ご参加ください!
ゲームストーミングの広場 www.facebook.com/gamestorming
また、ゲームストーミングについてより詳しく知りたい方は本を読んでみてください。
Dave Gray、Sunni Brown、James Macanufo(野村 恭彦監訳、武舎 広幸、武舎 るみ訳)
「ゲームストーミング ─会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム」、オライリージャパン(2011)
PM養成マガジン10周年記念セミナー第2回
「システム思考は私たちに何をもたらすか?」
日時:4月9日 19-21時
講師:小田理一郎さん((有)チェンジエージェント)
の募集を始めました。講師の小田さんは、日本におけるシステム思考の です。自分の体験からシステム思考の重要性を説き、普及する活動を熱心にされていらっしゃいます。今回の講演タイトルからも分かりますように、システム思考ありきの我田引水的な普及ではなく、問題ありきでシステム思考がどう役に立つかを説いておられます。まあ、そのような説き方ができるのは、システム思考という手法が強力だからではありますが。
PM養成マガジン編集長の好川哲人です。
10周年記念セミナーの第1回(開催決定)のセッション(開催決定)では、野村恭彦(のむら・たかひこ)さんをファシリテータにお迎えして、ゲームストーミングの体得ワークショップを行います。
野村さんは、国際大学GLOCOM主幹研究員「イノベーション行動科学」プロジェクトリーダー、富士ゼロックス株式会社 KDI(ナレッジ・ダイナミクス・イニシアティブ) シニア マネジャー、K.I.T.虎ノ門大学院ビジネスアーキテクト専攻 客員教授を併任されており、イノベーションマネジメントに深い知見をお持ちの方です。
今日は、このセッションへの理解を深めて戴く目的で、ゲームストーミングとはどんなものなのかを
・ゲームストーミングとは何か
・ゲームストーミングというビジネスプロセス
・ゲームストーミングのプロジェクトでの使い方
・野村 恭彦さんからのメッセージ
という順で、ご紹介したいと思います。
PM養成マガジン編集長の好川哲人です。こんにちは。
PM養成マガジン10周年記念セミナー
プロジェクトマネジメントを深化させるもの
~センスのよいプロジェクトマネジャーになるための6つのスタイル
の開講セッション
第1回 ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法(ワークショップ)
講師:野村恭彦氏(国際大学GLOCOM)
日時:2012年2月11日
まで、あと1ヶ月となりました。
10周年記念セミナーは、PM養成マガジンの編集長好川哲人が、PM養成マガジン的視点で、「プロジェクトマネジメントの深化」をテーマに編集した「セレクトセミナー」です。
そこで、今日は、セレクトにあたっての「コンセプト」をご紹介したいと思います。