◆コンセプチュアル思考、コンセプチュアルスキル、コンセプチュアルリーダー
PMstyleでは、2021年4月からコンセプチュアルリーダー塾を設立し、コンセプチュアルリーダーを育成する活動に取り組んでいます。コンセプチュアルリーダーは一言でいえば、
「コンセプチュアルスキルを活用して、センスのよい成果を上げる人材」
のことです。
コンセプチュアルスタイル考にコンセプチュアルリーダーについて本格的に書くのは初めてになりますので、最初に簡単に、コンセプチュアルという概念の整理をしておきたいと思います。
まず、コンセプチュアルスキルは、コンセプチュアル思考で実現されるスキルだと考えています。コンセプチュアル思考は、
・大局/分析
・抽象/具象
・直観/論理
・主観/客観
・長期/短期
の5つの軸を使いながら、概念の世界(大局、抽象など右側)と形象の世界(分析、具象など左側)を行き来する思考法です。もっとも普及しているのは、抽象と具象の軸の行き来で、例えば、抽象的に機能を考え、それを具体化し、さらに、その具体から抽象的な機能を見直すといった行き来で考えることによって、同じ(概念)アイデアから、全く異なる製品(形象)が生まれてイノベーションを起こすといったものです。
詳しく知りたい方は、好川哲人の「コンセプチュアル思考」という本を読んでみてください。
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
コンセプチュアルスキルは、一般には、
「周囲で起こっている事柄や状況を構造的、概念的に捉え、事柄や問題の本質を見極めるスキル」
という意味で使われます。具体的なスキルとしては、例えば、問題解決や意思決定のスキルがあります。
ポイントは本質を見極めて本質的な問題を解決することや、本質を押さえた適切な意思決定をすることです。問題解決や意思決定をしても本質からずれたものであれば、それがコンセプチュアルスキルとは言えません。
PMstyleでは、コンセプチュアルスキルを使ってこのような活動をした結果、成果に付与される要件をセンスだと考えています。つまり、コンセプチュアルスキルと呼べるクオリティの活動をすることによって、センスのよい成果が得られるわけです。
そして、本質を見極める際に役立つのが、コンセプチュアル思考です。
このように考えていくと、コンセプチュアルスキルを活用した活動をするということは、コンセプチュアル思考を使いこなし、本質を見極めた上で、本質を踏まえてさまざまな活動をしていくことに他なりません。このような活動をするのがコンセプチュアルリーダーです。
ちなみに、コンセプチュアルリーダーが集まって作るチームや組織をコンセプチュアルな組織と呼んでいますので、こちらも覚えておいて頂ければと思います。
◆コンセプチュアルリーダーの中核能力
以上のようなコンセプチュアルの体系に基づき、PMstyleではコンセプチュアルリーダーを
「複雑にからみあい、変動する事象を概念化することにより、ものごとの関係性や本質を認識してリーダーシップを発揮できる人材」
だと定義します。簡単にいえば、コンセプチュアル思考を自身や、チームの活動に活用して、センスのある成果を出しているのがコンセプチュアルリーダーです。
このようなコンセプチュアルリーダーには3つの中核能力があります。以下の3つです。
1.意味をつくる
2.問題を創る
3.柔軟性を重視する
この記事では、コンセプチュアルリーダーの中核能力について簡単に説明していきたいと思います。例として少し古くなりますが、非常に分かりやすいのでグーグルの例を取って考えていきます。
◆意味をつくる
一つ目の中核能力は、意味をつくることです。
VUCA時代を迎えた今、最適化の意味がなくなっています。最適だと考えているものが次の瞬間には最適ではなくなるのがVUCAの時代です。このため、誰もが必要だと考えたり、適切だと考えるものがありません。事実、そのようになってきていることを実感されている方は多いと思います。
このような状況に対応するには、サービスや製品の提供には要求があってそれに応えるという考え方ではなく、要求自体をつくって意味を持たせていく必要があります。例えば、何かサービスを提案するときに、そのサービスが顧客にとってどのような意味があるのかを考え、それを提案していく必要があるのです。このような発想で考えることができるのがコンセプチュアルリーダーです。
例えば、グーグルは自分たちの提供する検索サービスを
「1クリックで世界の情報へアクセス可能にする」
ものだとしました。今や当たり前ですが、実はグーグルの登場した1990年代の後半にはこれはほとんど考えられていないものでした。
グーグルは、インターネットに着目し、検索に、1クリックで世界の情報にアクセスすると意味付けを提案しました。多くの人にとって検索がそのように位置付けられることは予想もしなかったことですが、これは非常にインパクトのある意味付けで、多くの人に受け入れられ、グーグルは成功していきます。そして、グーグルの提案した検索の意味は常識と思われるものになっていったわけです。
意味をつくるとは、このように、目的や、市場などを新たに定義することです。いわゆる、センスメイキングです。
最近では、ストーリーテリングが当たり前のように使われるようになってきましたし、有能なマネジャーはストーリーテリングがうまいと考えられています。この背後にあるのが、センスメインキングです。つまり、相手が想像しなかったような意味をつくって、それをストーリーとして語ることができるのが、有能なマネジャーと考えられています。
また、これはイノベーションに欠かせないものです。特に、既存の技術を組み合わせて行うイノベーションにおいては、不可欠だと言えます。
コンセプチュアルリーダーであるためには、その範囲は自分の業務の範囲であっても、新しい意味を定義して、その意味に基づいて新しい考え方を発想していくことが必要なのです。
◆問題を創る
二つ目の中核能力は、問題を創ることです。つまり、提唱した新しい意味を実現するために、どのような問題を解けばよいかを明確にすることです。
創られる問題によって、その意味の値打ちが決まってきます。提唱した意味が受け入れられるかどうかは、その意味の元で創られる問題次第だと言ってもよいでしょう。
例えば、上の例のようにサービスに意味をつくって提案したとします。その意味が受け入れられるかどうかは、そのサービスが実現してくれるものが自分にとって価値のあるものだと感じるかどうかにかかっています。価値があると感じたら、そこで初めて意味があると考え、意味を受け入れます。
グーグルの例でいえば、グーグルは、「1クリックで世界の情報へアクセス可能にする」という検索の意味を実現するために、
「卓越した検索を行うエンジンを作る」
という問題を立て、この問題を解決することによって、事業を成功させていきました。イノベーションでいえば、用途を開発することに当たります。
◆柔軟性を重視する
三つ目の中核能力は、柔軟性を重視することです。
VUCAの時代ですから、環境も変われば、要求も変わります。ここで問題になるのは、何が変わったかです。例えば、要求が変わる場合、要求されているもの自体が変わってもさほど問題はありません。問題なのは、なぜそれを要求しているか、つまり、要求の前提が変わる場合です。
前提が変わっていなければ要求が変わっても対応を調整できます。しかし、前提が変わると、これまでとは全く異なる要求になる可能性が大きく、調整というレベルでは無理になることが多いのです。
グーグルの例でいえば、グーグルは検索対象はテキストで表現されており、検索はテキストベースで行うものだという前提でした。しかし、さまざまな技術の進化の中でテキスト以外による検索対象もあると考えます。そして、例えば、グーグルマップという検索サービスを提供しましたし、そのほかにもさまざまな形態の検索を提供しました。
このように考えられる背景にはビジョンやパーパスがあるのかもしれませんし、また、ライフサイクルに対するしっかりとした認識があり、それを背景に持つことの重要性も感じます。
◆中核能力によるコンセプチュアルリーダーの行動例
このような3つの中核能力を使って行われる、コンセプチュアルリーダーの行動には以下のようなものがあります。これらはコンセプチュアルリーダーの行動規範だといってもよいかもしれません。
<意味をつくる>
・常にものごとの意味を考え、新しい市場を創り出す
・常に目的に立ち返り、少しでも多く目的を実現する
<問題を創る>
・市場や顧客の要求の本質を見極め、期待を上回る製品やサービスを提供する
・前提を疑い、まったく新しい製品やサービスを考える
・自身の興味を業務に活かす
<柔軟性を重視する>
・多様な意見を統合した新しいアイデアを生み出す
・柔軟な発想の問題解決をする
・意思決定を速く、適切に行う
・失敗は成功の過程だと考える
・仕事の本質を見極め、仕事の生産性を上げる
この一部については、「コンセプチュアル思考」の中で説明していますので、読んでみてくだい。また、もっと詳しく知りたい方は、このあとで紹介します、コンセプチュアルリーダー養成講座を受講ください!
◆コンセプチュアルリーダーを養成する講座
コンセプチュアルリーダー塾では、3つの中核能力のトレーニングを提供しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルリーダー養成講座(全4回) ◆
日時:<基本編> 2021年07月14日(水) 19:30-22:00
2021年08月18日(水) 19:30-22:00
2021年09月15日(水) 19:30-22:00
<センス編>2021年10月13日(水)19:00-22:00
形態:ZOOMオンライン
講師:好川哲人(有限会社エムアンドティ取締役)MBA
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_juku0.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、エムアンドティ
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【カリキュラム】
第1回 意味をうくる(基本編
第2回 問題を創る(基本編
第3回 柔軟性を重視する(基本編
第4回 コンセプチュアル思考でセンスを高める(センス編)
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PMstyleプロデューサーの好川哲人です。
コンセプチュアルリーダー塾の活動を見直し、リスタートします。ロゴも作りました。
コンセプチュアルスキルを仕事やマネジメントに活かしたいと考えている人の交流の場にしたいと思っています。ぜひ、ご参加ください!
塾のホームページはこちらのFBグループです。
コンセプチュアルリーダー塾
https://www.facebook.com/groups/354890747963982
濃度の濃い交流をしたいのでクローズなグループになっています。お手数ですが、上のページから登録申請をお願いします。
さて、コンセプチュアルリーダー塾の活動としては、まず、2021年から
「コンセプチュアルスキルを活用した思考と行動をする」
ことを目指すワークショップ活動を開始します!ちょっとフライングですが、12月24日に第1回のイベントを行いますので、ぜひ、ご参加ください!
このほか、現在計画している活動としては、オンラインのダイアログを企画中です。2021年3月くらいから開始できそうな感じです。
このような活動について、状況を共有するために、今後、「コンセプチュアルリーダー塾」通信として週1回くらいの感じでニュースレターを発行します。こちらもお楽しみいただければ嬉しいです・
コンセプチュアルリーダー通信は、メルマガ「コンセプチュアル・マネジメント」のチャネルで配信していますので、配信を希望される方は「コンセプチュアル・マネジメント」にご登録ください。
こちらから登録できます。
メールマガジン「コンセプチュアル・マネジメント」登録・解除
https://mat.lekumo.biz/ppf/conceptual_management.html
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「コンセプチュアルスキルを活用した思考と行動をする」活動開始!
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◆「コンセプチュアルスキル実践」シリーズのコンセプト
コンセプチュアルリーダー塾のセミナーとして、
「コンセプチュアルスキル実践」シリーズ
を開始します。シリーズのコンセプトは
「コンセプチュアルスキルを活用した思考と行動をする」
で、コンセプチュアルに考えたアイデアを行動に移し、行動の際にもコンセプチュアル思考を活用し、実行していくことを目指します。
◆シリーズの形態
本シリーズでは、1回1回のセミナーのテーマをできるだけ絞り、深掘りしつつも、3時間で終了します。また、塾のセミナーということで、講義はできるだけ短時間で終え、
個人ワーク→グループディスカッション
という流れを重視した進め方にします。
また、講座自体をコンセプチュアルなデザインにしています。
現時点で10テーマくらいを予定していますので、関心のあるテーマを選んで繰り返しトレーニングをすることで、そのテーマに対するスキルが向上すると共に、コンセプチュアルスキルの底上げができまます。
つまり、セミナーを具象として、コンセプチュアルスキルを概念として、目には見えにくいコンセプチュアルスキルを徐々に強化していくスキームを取っています。
半年後くらいを目途に、実践を計画し、塾のメンバーのフィードバックを受ける機会も設定したいと考えています。
◆今後のテーマ
今後、考えているテーマには、以下のようなものがあります。裏を返せば、コンセプチュアルスキルはこれらの分野で思考や行動のクオリティ向上を実現できます。
・新しい方法や製品の発案する
・顧客や市場の真の要求を読み取り、対応する
・仕事の本質を見極め、仕事の生産性を上げる
・答えのない問題する
・意思決定を速く、適切に行う
・ある仕事の経験を別の仕事に活かす
・過去の経験を未来の活動に活かす
・相手を理解しながらコミュニケーションをする
・様々な意見を引き出し、統合し、新たなアイデアを生み出す
・想いを仕事や提案に落とし込む
・戦略的に考えて、行動する
これからも熟成の方の意見を聞きながら、コンセプチュアルスキルが有効だと思うテーマを探しながら増やしていきたいと思っています。
]]>PMstyleでは、「コンセプチュアル思考」という思考法を提唱しています。
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
コンセプチュアル思考は5つの軸の軸の行き来で実践します。
大局/分析
抽象/具象
直観/論理
主観/客観
長期/短期
の5軸です。大局や長期は経営者やマネジャーのスキルとしては古くから重要性が指摘されていたものですが、この5年くらいで他の軸についても急速に認知されるようになってきたように感じています。
そこで、この記事では、抽象/具象、直観/論理、主観/客観の3軸に関する書籍を簡単にコメントをつけながら紹介してみたいと思います。
◆抽象/具象の本
まず、最初に重要だと言われるようになってきたのは、抽象と具象の行き来です。これについては90年代から指摘する人もいましたが、具体との行き来で初めて意味が生まれるということを言っていた人はありませんでした。それを最初に言ったが楠木建先生のこの本です。
楠木 建「経営センスの論理 (新潮新書) 」、新潮社(2013)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106105152/opc-22/ref=nosim
この後、この分野では定番になる本が登場します。ビジネスコンサルタントの細谷功さんの
細谷 功「具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ」、dZERO(2014)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4907623100/opc-22/ref=nosim
です。細谷さんはそれまでにも、「地頭力」や「アナロジー思考」などで、抽象化能力の重要性を言われていましたが、この本で全貌を描かれた感じです。また、最近ではこのテーマでトレーニングブックを出されています。
細谷 功「「具体?抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問 (PHPビジネス新書)」、PHP研究所(2020)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569845991/opc-22/ref=nosim
細谷さんのほとんどの著作ではこの問題へ言及されています。
抽象と具象の行き来に関しては、他にもこんな本があります。
安田 健介「抽象・具体の往復思考 ―安田健介傑作選―」、幻冬舎(2016)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434499440X/opc-22/ref=nosim
また、ビジネス書ではなく、創造行為や芸術の分野を想定した本だが、読んでみて非常に面白かったのがこちらの本です。
栂 正行「抽象と具体 創造行為を描き出すこと」、三月社(2020)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4990775546/opc-22/ref=nosim
この本では、抽象と具象をどのように表現しているかを論じていて、この議論の本質に触れることができます。
このほかにも、抽象と具体について述べたり、論じたりしている本は非常に増えてきています。
◆直観/論理に関する本
次に直感(直観)に関する本です。この分野も古くから本があるのですが、どちらかというと直感力が高いことは人生にとっていいことだという前提があり、そのため、直感力がどう役に立つかはあまり深堀りされず、直感力の高め方に関するものがほとんどだったように思います。ビジネス書としては際物的な位置づけだったわけですが、ビジネスの分野につないだ本がこの本だと思っています。
羽生 善治「直感力 (PHP新書)」、PHP研究所(2012)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569804896/opc-22/ref=nosim
棋士は「直感」と「読み」と「大局観」の三つを使いこなしながら対局に臨んでいるという話からこの本は直感について述べられたものですが、「読む」とは直観と論理の組み合わせであることがよく分かる本です。ちなみに羽生さんは大局観に関する本も書かれています。
羽生 善治「大局観 自分と闘って負けない心 (角川新書)」、角川書店(2011)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047102768/opc-22/ref=nosim
この本を読むと、「読む」ことのもう一つの側面として、大局と分析の行き来をすることであることが分かります。
直感は今、ビジネス書ではブームともいえるような状況になっていますが、そのきっかけになったのが、内田和成さんのこの本です。
内田和成「右脳思考」、東洋経済新報社(2018)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492557865/opc-22/ref=nosim
内田さんは2008年に「スパークする思考」(角川書店)という本でクリエイティブな仕事をする上で、右脳思考が重要であることを述べられていますが、その部分だけを深堀りした内容になっている本です。ちなみに、「スパークする思考」は
内田 和成「右脳思考を鍛える: 「観・感・勘」を実践! 究極のアイデアのつくり方」、東洋経済新報社(2019)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492557911/opc-22/ref=nosim
として復刊されています。このほか、2019年には、
野中 郁次郎、山口 一郎「直観の経営 「共感の哲学」で読み解く動態経営論」、KADOKAWA(2019)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046024909/opc-22/ref=nosim
佐宗 邦威「直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN」、ダイヤモンド社(2019)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478102856/opc-22/ref=nosim
といった本が出されています。また、2020年になってからは、
田坂 広志「直観を磨く 深く考える七つの技法 (講談社現代新書) 」、講談社 (2020)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4065187958/opc-22/ref=nosim
伊丹 敬之「直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍: 経営の知的思考」、東洋経済新報社(2020)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492315306/opc-22/ref=nosim
といった本が出版されています。野中先生、内田さん、田坂さん、伊丹先生という大物がラインナップされていますので、出版社もそれなりに気合が入っているテーマなのでしょうし、これからもしばらく続くのではないかと思います。
それからビジネス書という範疇ではありませんが、僕が気に入っている直感の本に、内田樹先生の本があります。この本です。
内田 樹「直感はわりと正しい 内田樹の大市民講座 (朝日文庫)」、朝日新聞出版(2017)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022619082/opc-22/ref=nosim
(これは論理との行き来について書いた本ではなく、あくまでも直感の役割について書いた本です)。
◆主観/客観に関する本
この軸では、客観性に関する本はビジネスの分野でもそれなりにありましたふが、主観についてはビジネス書ではあまり見当たりませんでした。ところが、最近注目されるようになってきた美意識系やセンスメイキングを中心に本を見かけるようになってきました。代表的なのはこの本です。
山口 周「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」」、光文社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334039960/opc-22/ref=nosim
山口さんは、役に立つことをする時代は終わり、意味があるかどうかが問題になってくるだろうという指摘をしています。いろいろな本で述べられていますが、例えばこの本です。
☆山口 周、水野 学「世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術」、朝日新聞出版(2020)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022516739/opc-22/ref=nosim
山口 周「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式」、ダイヤモンド社 (2019)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447810834X/opc-22/ref=nosim、
こういう価値観のもとで仕事をするには、意味の定義は客観的、普遍的なものではなく、個々人や組織が主観で決めることになります。
意味を考えるということでは、センスメイキング系も主観の話です。センスメイキングは、人間が経験から意味を与える過程であり、本としては2018年に出たマスビアウさんの本がよく知られています。
クリスチャン・マスビアウ(斎藤栄一郎訳)「センスメイキング」、プレジデント社(2018)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833423065/opc-22/ref=nosim
しかし、実はバイブル的な本もあったりします。この本です。
カール・E. ワイク(遠田 雄志、西本 直人訳)「センスメーキング イン オーガニゼーションズ」、文眞堂(2001)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4830943807/opc-22/ref=nosim
ワイク先生は組織の社会心理学者ですが、その理論の中でセンスメーキングを提唱しました。
いずれにしてもビジネスでも主観はこれから欠かすことのできない分野になっていくと思われます。その懸け橋になりそうなのが、アートで、アートとビジネスの本についてはこちらの記事を参考にしてください。
「アート」と「ビジネス」や「マネジメント」の関係づけを考えた本(改訂版)
https://mat.lekumo.biz/books/2020/02/post-5882.html
ちなみに、哲学の分野では古くから、結構、多い分野でもあります。中でもお薦めはこの本です。
ドナルド・デイヴィドソン「主観的、間主観的、客観的」、春秋社(2007)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4393323076/opc-22/ref=nosim
ということで、コンセプチュアル思考の5軸のうち、最近重視されるようになった3軸に関する本を紹介しました。問題はこれらの軸を如何に統合していくかです。これがコンセプチュアル思考にキモでもあるわけですが、これについては冒頭に紹介しました、こちらの本をお読みください!
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルリーダー塾◆(1回 2.5PDU's)
日時/場所
基本編:2020年8月7日(金)、21日(金)、9月04日(金) 19:00-21:30
応用編:2020年9月18日(金)、10月02日(金)、16日(金) 19:00-21:30
※ ZOOMによるオンライン開催です。
講師:好川哲人(有限会社エムアンドティ取締役)、MBA
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_juku0.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、エムアンドティ
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【カリキュ>ム】
<基本編】コンセプチュアルスキルの基本を身につける
1.課題の本質を見極め、コンセプトを創る
2.コンセプトから実現シナリオへ
3.創造的に問題解決する
<応用編>コンセプチュアル思考を活用する
1.直観を効果的に活用し、生産性を高める
2.対立を統合する
3.コンセプチュアルスキルを活かしたコミュニケーション
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「コンセプチュアル・マネジメント」ブログで、コンセプチュアルスキル講座、コンセプチュアル・マネジメント講座の各セミナーの背景にある問題意識や考え方を紹介する連載
バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/conceptual_training/
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コンセプチュアルスキル講座では、下期を見据えて、8月~9月に以下の新講座をトライアル開催します。ぜひ、ご参加ください!
【8月】
コンセプチュアル思考で実行する戦略マネジメント(8月19日)
https://pmstyle.biz/smn/conceptual_strategy.htm
【9月】
コンセプチュアル思考のポイントと活用~VUCA時代の思考法(9月11日)
https://pmstyle.biz/smn/conceptual_thinking.htm
コンセプチュアルなプロジェクトマネジメントのポイント(9月12日)
https://pmstyle.biz/smn/conceptual_pm.htm
詳細は以下の通りです。
(1)コンセプチュアル思考で実行する戦略マネジメント(8月19日)
コンセプチュアル思考を活用した戦略マネジメントのセミナーです。
戦略を有効なものにするには、
(1)適切な戦略の策定
(2)創造的な戦略実行戦術の策定
の2つが必要です。
本セミナーでは、戦略を概念の世界、戦術を形象の世界に置き、概念と形象の行き来をするコンセプチュアル思考を活用しながら、(1)、(2)を実現していく方法を学びます。
戦略策定の担当者、戦略実行の責任者の方にお勧めしたいセミナーです。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアル思考で実行する戦略マネジメント ◆(7PDU's)
日時・場所:【東京】2019年 08月 19日(月) 10:00-18:00(9:40受付開始)
ちよだプラットフォームスクウェア(東京都千代田区)
講師:好川哲人(プロジェクトマネジメントオフィス)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_strategy.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス
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【カリキュラム】
1.戦略的に考えるとはどういうことか
2.戦略マネジメントのクオリティはコンセプチュアル思考で決まる
3.戦略マネジメントにおけるコンセプチュアルスキルの活用
4.戦略マネジメントとプロジェクト
5.戦略マネジメントワークショップ
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(2)コンセプチュアル思考のポイントと活用~VUCA時代の思考法(9月11日)
コンセプチュアルスキル講座の中核セミナー「コンセプチュアル思考」がリニュアルされました。
コンセプチュアル思考の考え方とその実践方法を学んだ上で、その活用を体験し、自らの基本思考法にしていきます。
コンセプチュアルスキルを高めたいを思う方のご参加をお待ちしています。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアル思考のポイントと活用~VUCA時代の思考法◆(7PDU's)
日時:2019年 09月 11日(水) 10:00-18:00(9:40受付開始)
場所:国際ファッションセンター(東京都墨田区)
講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_thinking.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【カリキュラム】
1.コンセプチュアルスキルとコンセプチュアル思考
2.コンセプチュアル思考のモデル
3.コンセプチュアル思考の実際
4.コンセプチュアル思考を応用した活動
5.コンセプチュアル思考でビジネスが変わる
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
※個人で受講料を負担されている方は、受講料が50%引きになる個人受講割引を
ご利用ください。
(3)コンセプチュアルなプロジェクトマネジメントのポイント(9月12日)
VUCA(「Volatility」(変動が激しく不安定)、「Uncertainty」(不確実性が高く)、「Complexity」(複雑で)、「Ambiguity」(曖昧な))の時代を迎え、プロジェクトの前提が変わりつつあります。
プロジェクト自体がVUCAになってきているのです。
VUCAなプロジェクトをマネジメントするには、「コンセプチュアルなプロジェクトマネジメント」が不可欠です。といっても、すべてが変わってしまうわけではなく、ポイントとなるところを変えていく必要があります。
本セミナーでは、プロジェクトマネジメントをコンセプチュアルにするためのポイントを解説します。具体的には
・プロジェクトのコンセプトを明確にする
・コンセプトを実現する目的な目標を設定する
・本質的な目標を達成する計画を策定する
など、6のポイントについて学びます。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルなプロジェクトマネジメントのポイント ◆(7PDU's)
日時:2019年 09月 12日(木) 10:00-18:00(9:40受付開始)
場所:国際ファッションセンター(東京都墨田区))
講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_pm.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【カリキュラム】
1.VUCA時代に必要なコンセプチュアルなプロジェクトマネジメント
2.プロジェクトへの要求の本質を反映したコンセプトを創る
3.コンセプトを実現する目的と目標の決定
4.本質的な目標を優先する計画
5.プロジェクトマネジメント計画を活用した柔軟なプロジェクト運営
6.トラブルの本質を見極め、対応する
7.経験を活かしてプロジェクトを成功させる
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