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    <title>ビジネス書の杜　令和: ★ファンが選ぶビジネス書</title>
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    <updated>2012-02-23T15:15:22+09:00</updated>
    <subtitle>大人のビジネスパーソンのための書籍紹介をコンセプトに、パソコン通信の時代から２５周年になるのを機に、ブログ版として復活させます。
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        <title>量の経営から質の経営へ（ファンが選ぶビジネス書２０１２－３）</title>
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        <published>2012-02-23T15:15:22+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:51+09:00</updated>
        <summary>ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン（黒沢　健二、松永　...</summary>
        <author>
            <name>好川哲人</name>
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<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0168e7d57c92970c.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0168e7d57c92970c-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="415209267X" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c0168e7d57c92970c" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0168e7d57c9297_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0168e7d57c92970c-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="415209267X" /></a>ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン（黒沢　健二、松永　肇一、美谷　広海、祐佳　ヤング）「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415209267X/opc-22/ref=nosim" target="_blank">小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則</a>」、早川書房（2012）</p>
<p>お奨め度：★★★★★</p>
<p>facebook記事：<a href="http://on.fb.me/HS8tw4" target="_blank">リワークする</a></p>
<p>ＳＯＨＯ向けのソフトウエア開発企業として世界的に有名な「３７シグナルズ」の創業者ジェイソン・フリードと共同経営者のデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンが自らの企業のポリティーをまとめた一冊。会社は大きい方がよいという前提を捨て、どうすればやりがいのある仕事をしながら収益を上げることができるかをメインテーマにしている。</p><br /><br />一般的に経営の前提は、企業にはスケールメリットがあり、大きくなれば「何かいいことがある」というものだ。しかし、今の先進国のように社会が成熟し、多様性が増してくると、「何かいいこと」があるとは限らない。<br /><br />そこで、企業の取る戦略は２つある。一つは、新興国で従来のビジネスモデルを展開してあくまでも企業の規模を追求していくこと、もう一つは規模の追求をやめることだ。３７シグナルズは後者の戦略で成功して代表的な企業である。<br /><br />今、ビジネスにおいて常識だと思われていることは、規模を追求することをやめると大きく変わってくる。もっとも本質的な話は、自分たちが売るべきだと思っているものを売ることができることだ。つまり、質の経営ができる。量を求めて、微妙なラインナップを増やしたり、宣伝や広告にコストをかけたりする必要がない。今の事業を行うために必要な人がいればいい。ワークホリックになる必要もない。起業家としてベンチャーキャピタルから金を借り、不本意な事業を行う必要もない。<br /><br />だが、社会にはなにか貢献したい。そのためには、自分の必要なものを作ることだ。３７シグナルズの最初のソフトウエアである「ベースキャンプ」は、自分たちが始めたデザインのコンサルティングの中で、適したプロジェクト管理のソフトウエアがないから作ったものだ。そして、それを販売した。販売する中で、さまざまなソフトウエアがあればいいと思った。それを開発し、商品ラインナップに加えていった。そうして、３７シグナルズは成長していった。<br /><br />重要なことは作り始めることだ。イーベイをみて、同じことを考えていたんだけどなあという人はたくさんいる。だけど、考えることと実行することは全く違う。<br /><br />そうしてビジネスを始めるときに重要なことは、「視点」を持つことだ。視点とは、なぜそれを行っているのか、何を信じているのかということだ。製品やサービスではない。視点を持ってビジネスをすれば、必要なものがそんなに多くない。人、モノ、カネはすべて、製品やサービスの拡張に付随するからだ。視点を持ち、じっくりを取り組んでいけばよい。<br /><br />そのためには、身軽でいることが大切だ。長期契約、過剰人員、会議、在庫、長期ロードマップなどを持ってしまうと身軽さが失われる。<br /><br />身軽さを持ちながら、商品を展開していくにあたっては、制約を受け入れ、制約の中で自分たちができることは何かをしっかりと考える必要がある。その方向性は、中途半端な一つの製品よりは、よくできた半分の製品にすることだ。そのためには、キュレーターになり、何を取り除くかを意識することが必要である。<br /><br />同時に、芯が必要である。芯を見つけるには、新しいものではなく、変わらないものに注意を向けることが大切だ。<br /><br />製品をつくり、ビジネスを進めていくには、生産性が問題になる。もっとも生産性を害するのは、やらなくてよいことをやっていることだ。つまり、生産性を上げるには、やめるべきことを探す。そのために、自分にこんな問いかけをしてみよう。<br /><br />・なぜ、行うのか<br />・どんな問題を解決するのか<br />・これは本当に役に立つのか<br />・何か価値を加えているか<br />・それは行動を変えるのか<br />・もっと簡単な方法をないか<br />・代わりに何をすることができるのか<br />・本当に価値があるのか<br /><br />他の何よりも生産性を邪魔するのは会議である。会議は極力、行わない。どうしても、行わざるをえない場合には、会議の生産性を上げる工夫が必要だ。また、会議で話しあわれる問題解決の方法については、そこそこのものでよい。極めようなどと思わないことだ。むしろ、柔道のように最小の力で最大の効果を求めることが望ましい。<br /><br />そのためには、小さな勝利を手にいれ、モチベーションを高めていくことが重要である。<br /><br />ビジネスの中で競合の存在は無視できないものだが、大いに影響を受けるとよい。ただし、模倣してはならない。もし、競合が最低だと思ったらそのように言おう。それによって、あなたに同意する人が集まってくる。ダンキンドーナッツ、アップル、アウディ、セブンナップなど、みんなそういう戦略をとっている。<br /><br />ただし、競合に必要以上に関心を寄せる必要はない。その代わりに、自分自身に焦点を当てるのがよい。<br /><br />製品やビジネスを進化させるには、ノーということが大切だ。特に顧客との関係で、ノーということは大切だ。顧客との関係においては、顧客を成長させるより、自分を成長させよう。顧客よりは、顧客になっていない企業の方が圧倒的に多い。特定の顧客にノーを言わないことは、顧客になっていない企業を排除していることになる。<br /><br />プロモーションにおいては、無名であることを受け入れることから始めなくてはならない。そして、顧客を作るのではなく、観客を作ることが大切だ。観客は、自分たちの活動に関心を持ち、常に注意を向けてくれる人たちである。<br /><br />観客を増やすには、料理人を見習うのがよい。彼らは料理本ですべてをさらけ出している。しかし、本当のところ、他が模倣をできない。また、舞台裏を見せることも効果的である。<br /><br />そのようにビジネスが大きくなってくると、人を雇う必要がある。ここが分岐点になる。人は限界まで雇わない。自分自身でできる限りやる。これには意味がある。自分が経験をした業務のための人を雇うときに、どのような人がよいかがはっきりと分かるからだ。<br /><br />人を雇うときには、履歴書も経験年数も学歴も意味がないと思うとよい。雇った人は自分で働いてくれなくてはならない。そのためには、自分マネジャーであることが重要だ。<br /><br />人が増えると不祥事が起こる可能性が増える。ダメージを受けたときに、いかにコントロールをするかが大切だ。ダメージコントロールでは、スピードがすべてを変えると思うべきだ。<br /><br />このように、会社を大きくするという前提を外してしまうと、いま、多くの企業で行われているマネジメントとはまったく異質のマネジメントが必要になる。多くのマネジメントの方向性を見ていると、チームマネジメントのように見えるかもしれない。確かに、一部はチームのマネジメントであるが、それだけではなく、行っていることは経営である。<br /><br />つまり、量を追求せず、質を追求するマネジメントの形がこの本にある。その意味で、リワークが必要である。<br /><br />
<p>&#0160;</p></div>
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        <title>編集力によるイノベーション（ファンが選ぶビジネス書２０１２－２）</title>
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        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-49471659</id>
        <published>2012-01-30T20:21:27+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:51+09:00</updated>
        <summary>勝見明「石ころをダイヤに変える「キュレーション」の力」、潮出版社（2011） お...</summary>
        <author>
            <name>好川哲人</name>
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<p>お奨め度：★★★★1/2</p>
<p>facebook記事「<a href="http://on.fb.me/y5XoBZ" target="_blank">21世紀に求められるビジネスの新発想</a>」</p>
<p><br />今、もっとも注目されている思考方法「キュレーション」について、具体的なプロセスと、そのプロセスにより、iPad、キリンフリー、Wii、セブンイレブンなど、多くの事例の成功要因を分析した一冊。２１世紀に求められるキュレーションについて、具体的なイメージを掴むことができる。</p><br />この本の作りの興味深いことは、新しい概念を説明するときによくある、「キュレーションとは」という定義がないことだ。この本は、著者のキュレーションを理解したプロセスを書くことによって、キュレーションのイメージを伝えようとしている。この活動自体がキュレーションなのだろう。<br /><br />その第一歩として、ネットの世界の佐々木俊尚さんの「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065911/opc-22/ref=nosim" target="_blank">キュレーションの時代</a>」（ちくま新書）の中の定義<br /><br />「無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること」<br /><br />を紹介している。また、大阪で行われたＣＩＹ（Curate It Yourseslf）というイベントについて紹介している。このイベントは、自分の今の仕事の分野の専門性を活かしながら、一見関係なさそうな分野で行われているさまざまな試みと結びつけ、互いに交換し、融合させることで、これまでにないクリエイティブな発想を生みだそうという趣旨のイベントだ。<br /><br />これらの動向から、キュレーションは時代のキーコンセプトになると直感したそうだ。その直感を確信に変えたのが、「キリンフリー」の開発プロセスの取材だったという。この取材を通じて学んだことは、キリンフリーはノンアルコールのビールというだけなく、ユーザが、妊娠中に飲む、休肝日に飲む、平日はビールではなくフリー、など、価値を再編集し、飲んでいたことだ。これが、キュレーションの本質だという。<br /><br />ちなみに、この取材はこちらの本になっている。<br /><br /> <a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c016761577b2d970b.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c016761577b2d970b-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="4833419920" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c016761577b2d970b" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c016761577b2d97_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c016761577b2d970b-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="4833419920" /></a>勝見 明「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833419920/opc-22/ref=nosim" target="_blank">なぜ、20代女子社員は超ヒット商品を生み出せたか ― 「キリンフリー」大成功に学ぶ仕事術</a>」、プレジデント社（2011）<br /><br />このような状況を引き起こすには、「プラットホーム」が必要である。プラットホームとは、その上で多様な知と知が結びつき、つながることで相互作用により価値が生まれる基盤である。たとえば、キリンフリーだと、ビールという商品カテゴリーにおける商品開発のプラットホームがあり、そこに、アルコール以外のコンテンツや機能をキュレートして生まれた商品とみなすことができる。<br /><br />さて、では、キュレーションはどのように行われるのか。著者は以下の３つのステップから構成されるとしている。<br /><br />ステップ１：既存の意味の問い直し<br />知識創造のベースとなるプラットホームを想定する。そのプラットホームに関して、既存の概念が存在していれば、その意味を問い直し、新しい意味を見出す<br /><br />ステップ２：要素の選択・絞り込み・結び付け<br />自分たちを取り巻く環境に埋め込まれたさまざまな知を発見発掘し、選択し、絞り込み、プラット―ホーム上で結び付けていく<br /><br />ステップ３：新しい意味、文脈、価値の生成<br />新しい編集をとおして新しい意味、文脈を生み出し、新しい物語を紡ぎ出す中で、結びつけられたものの総和を超える価値を創発する<br /><br />キュレーションでもっとも重要なのは、ステップ３において、新しい関係性の中でどれだけ新しい意味が編集され、いかに新しい文脈が生まれるかであることに注意をしておいてほしい。<br /><br />iPadを例にとってキュレーションの具体的なイメージを考えてみよう。iPadでは、まず、ステップ１で、ジョブズは<br /><br />タブレット・コンピュータはスマートフォンとパソコンの間の第３のカテゴリー<br /><br />と考えた。それはネットブックとは一線を画するものである。そのために、ステップ２で、<br />「キーになるいくつかの機能」を「はるかにベター」にする<br /><br />ことを考えた。ネットブックは安物のパソコンで、パソコンと比べてベターなところはない。これに対して、iPadは<br /><br />ウェブ閲覧、Ｅメール、写真、ビデオ、ゲーム、電子書籍<br /><br />というキーになる機能で、パソコンをはるかにしのぐデバイスとした。そして、それを背景に、ステップ３では、<br /><br />使いやすさを実現した「魔法のような革新的デバイス」<br /><br />という新しい意味を生成した。その文脈のなかで新しい価値がユーザによって再定義される。たとえば、話題になった自動車のマニュアルをiPadに入れて渡すという使われ方である。<br /><br />キュレーションの基本は、結びつけと切り出し、排除である。ヒット商品をみれば、結びつけで成功しているものは枚挙にいとまがない。ラー油と食べるを結びつけた食べるラー油、女子高生とドラッカーを結びつけたもしドラ、弁当箱と炊飯器とおかずケースを結びつけたＨＯＴディシュラン、等々。<br /><br />また、切り出しとしては、タタ・ナノ、セブン銀行ＡＴＭなどがあげられる。さらに、排除としては、ダイソン・エアマルチプライア、コクヨのハリナックスといった事例を上げることができる。<br /><br />ここで難しいのは、何と何を結びつけるとユーザとの新しい関係が生まれるかという点である。この点において圧倒的にうまいのはアップルである。アップルは既存の概念を捨て、意味を再定義することに長けている。iPadの使いやすさを実現した「魔法のような革新的デバイス」に限らず、iPhoneの電話の再発明、iPodのいつでも好きな時に音楽をダウンロードして楽しめるデバイスなど、見事である。<br /><br />この際重要なのは、顧客の立場で考えることだ。スティーブ・ジョブズは自分がユーザのためではなく、ユーザの立場で考え、好き勝手な意見をぶつけることで有名だったが、キュレーションをうまく行うには、ここが重要なのだ。<br /><br />キュレーションをうまく行うには、いくつかのポイントがある。<br /><br />・改善からプラットホームへ<br />・モノ的な発想から、コト的な発想へ<br />・川モデルから井戸モデルへ<br />・思考のけもの道（結びつかないものを結びつける）<br />・ＷｈｏよりＷｈｙへ目を向ける<br /><br />などである。これらを意識しながら、キュレーションを行う必要がある。<br /><br />情報に関するキュレーションについては、佐々木さんの本もそうだし、最近、入門書として定評のあるスティーブン・ローゼンバウムの本の翻訳も出版された。<br /><br /> <a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c01630061ccac970d.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c01630061ccac970d-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="4833419874" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c01630061ccac970d" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c01630061ccac97_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c01630061ccac970d-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="4833419874" /></a>スティーブン・ローゼンバウム（田中洋監訳、野田牧人訳）「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833419874/opc-22/ref=nosim" target="_blank">キュレーション　収集し、選別し、編集し、共有する技術</a>」、プレジデント社（2011）
<p>しかし、情報のキュレーションというのは、一面に過ぎず、モノ作りにおけるキュレーションはある意味で、ネットにおけるキュレーション以上にインパクトがある。そのように広い意味でのキュレーションの解説書としては、ぜひ、読んでおきたい一冊。ビジネスやデザインに対するヒントが満載である。</p></div>
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        <title>勝ちたければスピードを落とせ（ファンが選ぶビジネス書２０１２－１）</title>
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        <published>2012-01-04T21:04:18+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:51+09:00</updated>
        <summary>リチャード・ワトソン（北川知子訳）「減速思考　デジタル時代を賢く生き抜く知恵」、...</summary>
        <author>
            <name>好川哲人</name>
        </author>
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<p>お奨め度：★★★★1/2</p>
<p>facebook記事：「<a href="http://on.fb.me/xFYfk5" target="_blank">思考の質を高める方法</a>」</p>
<p>世界の動向を論じるウェブサイト「What&#39;s Next」の運営者リチャード・ワトソンの論説。情報洪水ともいえる社会の中で、どのように革新的な思考をし、イノベーションを生み出すかについて論じた本。伝説のレーサー、ジャッキー・スチュワートの言葉を借り、「勝ちたければスピードを落とせ」を主張し、その根拠、スピードを落とす方法について述べている。</p><br /><br /><br />◆スクリーンエイジャー<br /><br />この本の基本的な前提は、人を人たらしめるのは、正しい意味での思考、つまり、深い思考を行い、世界の進歩に役立つ新しいアイデアを生み出し、戦略的な計画や科学的な発見、芸術的な創造を行うことである。<br /><br />ところが現実的には、ひっきりなしに邪魔が入り、ハイパーリンクを飛び回るような環境で、深い思考はできないままでいる。デジタル情報を見ることと、紙の上の情報を見ることの本質的な違いは、後者が考えるという行為の一部になっていることだと指摘する。そのため、デジタル情報は事実を漁るにはふさわしく、紙の上の議論や概念の全体像を理解するには適しており、内省的である。<br /><br />そして、両者のバランスをとることが重要であるが、現実にはなかなかバランスが取れていない。その代表が、のべつスクリーンに向かい、キーボートをたたいている若者（スクリーンエイジャー）である。彼らは共通して<br /><br />・マルチタスクや並行処理、個別化された体験を好み、テクストを縦横に読む。言葉よりもイメージを重視する。<br />・記憶はハードドライブ任せで、情報が必要ならグーグルを検索する<br />・情報を手軽に作り出し、カスタマイズし、発信する能力を持っているため、自己中心的である<br /><br />などの特徴を持っている。スクリーンエイジャーの特性を分析し、それが如何に深い思考を阻害しているかを述べている。<br /><br /><br />◆子供の脳を刺激する<br /><br />さらに、この問題に対して、教育的な観点から、目の前の現実とのかい離を指摘している。つまり、現実は複雑で予測不能なのが今の時代である。このような時代には、変化は常態であり、大胆な再考を促されることが多い。<br /><br />このような状況に対して、幼児期に好奇心のおもむくまま、自由な遊びや経験をしていれば、対処能力が発達するが、現実は教育にコンピュータがどんどん導入され対処能力が身につかないままで大人になっている。子供に対して、たとえば<br /><br />・型どおりの遊びよりも、自由遊びを重視する<br />・限定的な尺度で測られた結果を強調しすぎない<br />・教師や本を犠牲にしてまで、ＩＴにとらわれすぎない<br />・忙しい両親がもっと子供と一緒に過ごせるように手助けする<br /><br />といったことを実現し、子供の脳を刺激すべきだと提唱している。それによって、考える人になる。<br /><br /><br />◆アイデアの育み方<br /><br />では、一般的に考えるというのはどういうことだろうか？この問題を、ワトソンはロボットが情報処理をすることと人間がものを考えることを比較して、明確にしている。人間がものを考えるということは、人やモノ、環境との相互作用がある。思考や行動、さらにはどんなアイデアや思いつきも、過去に行ったことや見たもの、経験したことと何らかのかかわりがある。つまり、出発点は無意識の中にある。問題は無意識の扉を如何に開けばいいかだ。<br /><br />新しいアイデアが生まれるためには、二つ以上の古いアイデアをベットに放り込み、交配させなくてはならない。この交配は意識的に行われることは少ない。アイデアを創造する第一段階は、よく孵化や発酵に例えられる。目の前の問題について考えるのをやめ、全く関係のない活動に没頭していると、あるいは、何もしていないかの状態になると、この第一段階が始まる。この段階は数時間かもしれないし、数年続くときもあるが、あるとき突然、解決策やアイデアがどこからともなく頭に浮かびあがる。このプロセスは行き当たりばったりなので、忍耐がカギになる。<br /><br />このほかにアイデアを育むためには、<br /><br />・思考の行き詰まりを打破するために考えることをやめる<br />・集中的思考と発散的思考を結びつける<br />・間違いを犯す<br />・眠る<br />・夢想する<br />・集合知を活用する<br />・音楽を聴く<br /><br />といったことをするとよいだろう。<br /><br /><br />◆勘がる場所と環境<br /><br />次の問題はどこで考えるべきかという問題である。深く考えるためには、<br /><br />・精神面でも物質面でも不要なものが取り除かれた環境<br />・流水の近く<br />・動いている<br />・景色や見晴らしのいい部屋<br />・スクリーンではなく、紙を使う<br /><br />などの場所がよい。<br /><br />つぎにモノや環境によって深い思考が促されることもある。このためのヒントとして<br /><br />・全体像効果を利用する（全体を見渡すことによって深く考えられる）<br />・スポーツやウォーキング、読書などの外的影響力を有効<br />・海や庭などの自然環境が深い思考を促してくれる<br />・オフィスの壁を取り除き、近隣性を作り出す<br /><br />などを上げることがてきる。<br /><br /><br />◆デジタル社会における思考方法<br /><br />最後にデジタル社会において、深い思考を実現するための方法を提案している。以下の１０個だ。<br /><br />（１）時間や空間を作り出す<br />（２）何でも品よくに吸収する<br />（３）アイデア日記をつける<br />（４）先入観にとらわれない<br />（５）浴室を活用する<br />（６）辛抱強くなる<br />（７）抑制しない<br />（８）失敗を受け入れる<br />（９）問題を共有する<br />（１０）仕事を休む<br /><br />それぞれに対する具体的な方法をしりたければ、ぜひ、この本を読んでみてほしい。<br /><br />デジタルは、もともと、人間の創造性を上げるために存在する。しかし、人間の価値観、つまり、汗をかいて働くことが好ましいことだという考え方が変わらないままに受け入れ、結局、スピードを加速するだけのツールになりつつある。だからといって、いまさら、デジタルを否定することはナンセンスである。デジタル社会で如何にデジタルとうまく折り合いをつけるかが問題になる。<br /><br />この本が提唱していることは、もう一度、デジタルは人間が創造的な活動をするためにあるという価値観に立ち返り、その上で、デジタルの影響を排除し、よいところだけを使うためのヒントである。<br /><br />慣性力がある中で、軌道修正するのは容易ではないが、本当に創造的な仕事をしたければ、取り組んでみる価値はある。</div>
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        <title>【Award2011】候補の３冊</title>
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        <published>2011-12-29T13:21:13+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:51+09:00</updated>
        <summary>５年間続けていますビジネス書の杜Award（このビジネス書がすごい）を今年も実施...</summary>
        <author>
            <name>好川哲人</name>
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        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="★ファンが選ぶビジネス書" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="☆年間＆月間ベストセラー" />
        
        
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<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><a href="http://mat.lekumo.biz/books/2011/12/award_past.html" target="_blank"> ５年間続けていますビジネス書の杜Award</a>（このビジネス書がすごい）を今年も実施します。<br /><br /><a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c01675f91ba95970b8.gif" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c01675f91ba95970b-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="Best3" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c01675f91ba95970b" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c01675f91ba95970b1.gif" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c01675f91ba95970b-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="Best3" /></a>本日は候補の３冊を発表します。今年は、facebookに別館を作った関係で、選定方法を少し変更しました。<br /><br />従来、<br /><br />●戦略・マネジメント<br />●技術マネジメント・研究開発マネジメント<br />●リーダーシップ<br />●意志決定・思考法<br />●オペレーションマネジメント・プロジェクトマネジメント<br />●ビジネス<br />●セルフマネジメント<br /><br />のカテゴリーを設けて、各カテゴリーから２～３冊ずつ選び、その中からAwardの候補として３冊を選び、その中からAwardを決めていました。<br /><br />今年はすでにお知らせしていますように、３冊を選ぶ手続きを一部変更し、３冊のうちの２冊は従来の方法、１冊はファンが選ぶビジネス書として紹介した本の中で、いいね！がもっとも多かった本にしました。</p>まず、「ファンが選ぶビジネス書」からは<br /><br /> <a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0168e492dcb6970c.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0168e492dcb6970c-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="4862761011" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c0168e492dcb6970c" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0168e492dcb697_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0168e492dcb6970c-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="4862761011" /></a>ピーター・センゲ（枝廣 淳子、小田 理一郎、中小路 佳代子訳）「<a href="http://mat.lekumo.biz/books/2011/08/discipline.html" target="_blank">学習する組織――システム思考で未来を創造する</a>」英治出版（2011）<br /><br />が１４１いいね！で選ばれました。<br /><br />今年はイノベーションやデザインへの関心が集まった１年で、来年は成果を求められる１年になります。創造的な成果を上げるための方法を示唆してくれる本を選びました。非常にレベルの高い本が２冊あったので、すんなりと<br /><br /> アトゥール・ガワンデ（吉田 竜訳）「<a href="http://mat.lekumo.biz/books/2011/12/checklist.html" target="_blank">アナタはなぜチェックリストを使わないのか？【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ！】</a>」、晋遊舎（2011）<br /><br />スコット・ベルスキ（関 美和訳）「<a href="http://mat.lekumo.biz/books/2011/11/ideas.html" target="_blank">アイデアの99% ―― 「1%のひらめき」を形にする3つの力</a>」、英治出版（2011）<br /><br />の２冊に決まりました。<br /><br /> <a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0162fe9d30b2970d.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0162fe9d30b2970d-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="4862761178" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c0162fe9d30b2970d" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0162fe9d30b297_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0162fe9d30b2970d-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="4862761178" /></a>スコット・ベルスキ氏の「アイデアの99% ―― 「1%のひらめき」を形にする3つの力」は、まさに、アイデアを実現するプロジェクトマネジメントの方法を紹介した本です。プロジェクトマネジメントの基本を押さえつつ、どのようにアイデアを活かすかに配慮したよい方オフだと思います。<br /><br />目から鱗だったのが、アトゥール・ガワンデ氏の「アナタはなぜチェッ<a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0168e492d996970c.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0168e492d996970c-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="4863912803" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c0168e492d996970c" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0168e492d99697_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0168e492d996970c-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="4863912803" /></a>クリストを使わないのか？」です。この本の原題は、「THE CHECKLIST MANIFESTO」です。仕事の創造性をなくす一因が、その中に含まれる単純な仕事でミスり、それに足を引っ張られるという経験がある方は少なくないのではと思います。著者は医師ですが、たとえば、医療でいえば、難しい手術に成功したけど、感染症で死亡してしまったといったケースなどが該当するでしょう。
<p>そこに、チェックリストを導入しようというのは、チェックリストのイメージを変える本でした。今年もっとも刺激を受けた本です。<br /><br />特に、ビジネスの現場でのイノベーションのチャレンジするときには、やるべきことはきちんとやった上で、イノベーションに意識を集中することが重要です。そのために、いろいろな業界の実に役に立つ実例をたくさん紹介した本です。<br /><br />「ファンが選んだビジネス書」の方からの候補「学習する組織」も創造的な成果を上げるための組織の在り方だとみることができます。<br /><br />ということで、以上がAward2011候補の３冊です。こう並べてみると、今年、出版された本の中で、テーマに関係なく印象に残っている本を選んだという感じです。</p>
<p>Award2011の発表は年明け第２週（１月９日の週）を予定しています。今年は、１冊に絞るのには、相当悩みそうな気がします。</p>
<p>お楽しみに！</p></div>
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        <title>チェックリスト宣言（ファンが選ぶビジネス書２６）</title>
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        <published>2011-12-28T16:20:02+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:51+09:00</updated>
        <summary>アトゥール ガワンデ（吉田 竜訳）「アナタはなぜチェックリストを使わないのか？【...</summary>
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            <name>好川哲人</name>
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<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0162fe9001ae970d.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0162fe9001ae970d-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="4863912803" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c0162fe9001ae970d" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0162fe9001ae97_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0162fe9001ae970d-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="4863912803" /></a>アトゥール ガワンデ（吉田 竜訳）「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863912803/opc-22/ref=nosim" target="_blank">アナタはなぜチェックリストを使わないのか？【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ！】</a>」、晋遊舎（2011）</p>
<p>お奨め度：★★★★★＋α</p>
<p>facebookページ記事：「<a href="http://on.fb.me/s5nXpz " target="_blank">チェックリストは深い！</a>」</p>
<p>チェックリストの力を信じる外科医アトゥール・ガワンデが提言する「チェックリスト」作成のススメ。著者は医者であると同時にジャーナリストでもあり、医療だけではなく、経営、投資、飛行機、建築、料理などでもチェックリストが使われており、驚くような成果が生まれていることを事例を通じて紹介している。読み物としても抜群に面白い。</p><br /><br />◆人間系の問題<br /><br />僕もそうだったが、チェックリストはオペレーションのミスをなくすために使われる網羅的なリストだというイメージがあった。読み進めていくうちに、チェックリストのイメージがだんだん変わってくるのが自覚できる。それほどのインパクトがある本だ。<br /><br />チェックリストはマニュアルではないし、仕組みでも、プロセスでもない。チェックリストはチェックリストである。チェックリストでもっとも難しいのは、網羅的に作ることではない。如何に、項目を絞るかだ。これがうまくできない限り、チェックリストは機能しない。<br /><br />医療に限らず、現代の仕事は複雑である。一人の人間が仕事をするにあたっては、<br /><br />・人間の記憶力と注意力は危い<br />・手順を省く誘惑に駆られる<br /><br />という２つの問題に直面する。<br /><br /><br />◆ジョンズ・ホプキンス病院の事例<br /><br />たとえば、ジョンズ・ホプキンス病院の集中治療の専門家、ピーター・プロノボスト医師が中心静脈カテーテルの挿入の感染予防のチェックリストを作った。手順は<br /><br />１．石鹸で手を洗う<br />２．患者の皮膚をクロルヘキシジンで殺菌する<br />３．滅菌覆布で患者を覆う<br />４．マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋をつけ、カテーテルを挿入する<br />５．刺入点をガーゼで覆う<br /><br />という手順だ。看護婦に１ヶ月医者を観察させると、三分の一以上の患者で一つ以上の手順が飛ばされていることが分かった。そこで、看護婦に医師が一つでも手順を飛ばすと、カテーテル挿入を止める権限を与えたところ、カテーテル挿入から１０日間の感染率が１１％から０％まで下がった。そこで、痛みを止めるチェックリストなども作り、成果を上げた。そこで、プロノボスト医師は全米中を飛び回り、チェックリストの有用性を語り、導入を推奨したが、実際にチェックリストを受け入れた医師は少数だった。ある医師は馬鹿にされたと思って怒り出し、ある医師は効用そのものに懐疑的だった。<br /><br /><br />◆チェックリストはチームビルディングのツール<br /><br />この本の中でこの事例は象徴的な事例である。チェックリストには、いくつかの特徴がある。上で書いたようにチェックリストはミスを防止することが目的だと思っていたと書いたが、この例を見るとそれだけではないことがよく分かる。医師と看護婦のチームが機能するためのツールになっている。本書では、チェックリストはチームビルディングのツールになると主張している。<br /><br /><br />◆建築の事例<br /><br />建築の世界では、かつての一人の棟梁がすべてを設計し仕切るスタイルから、複数の専門家が集まり、協力しながら、一つの建物を建てていくスタイルに変わっている。<br /><br />新しいプロジェクトを始めるときにはまずチェックリストが作られる。１６種の業種の代表が話し合い、各業種の仕事をまとめた大きなチェックリストを作る。そして、出来上がったチェックリストは各専門家と下請け業者に送られ、再度確認される。ここでも、チームビルディングのツールとして使われている。<br /><br /><br />◆航空業界の事例<br /><br />チェックリストがもっとも古くから使われている業界は、航空業界である。ハドソン川の奇跡の中で、チェズレイ・サリー・サレンバーガー三世機長は最初から、乗務員チームの貢献を訴えていた。これは、チェックリストによって乗務員がやるべきことをやったことを意味している。<br /><br />航空機において、エンジンが停止したにも関わらず、チェックリストが機能しているのは医療の現状と比べると驚きである。そのくらい、航空機ではチェックリストが「信頼」されているのだ。１９８９年にユナイテッド航空で、乗客３３７人を乗せたボーイング７３７がホノルルからオークランドに向かう途中、電気システムが故障し、貨物ドアが外れるという事故があった。高度２万２千フォート。加圧により、ビジネスの座席が外に投げ出された。<br /><br />このような状況でも、パイロットはこれ以上、被害を出さないために、チェックリストを使ったという。この背景には、２つの理由がある。一つは航空学校でそのように訓練されていること、もう一つはチェックリストの価値が認知されていることだ。だから、自分の勘よりもチェックリストを信用している。<br /><br />航空機のチェックリストが完璧だというわけではない。曖昧さや間違いもある。しかし、それらをカバーして余るだけの実績があるのだ。<br /><br /><br />◆よいチェックリストの作り方<br /><br />航空機のようなチェックリストを作るにはどうすればよいのだろうか？いくつかのポイントがあるという。<br /><br />ポイント１：いつチェックを行うか、つまり一時停止点をはっきり決める<br />ポイント２：「行動のち確認」か、「読むのち行動」のいずれのチェックリストにするかを決める<br />ポイント３：長すぎない。原則として項目は５～９個<br />ポイント４：キラーアイテム（飛ばされがちだが致命的な手順）に絞る<br />ポイント５：文章がシンプルである<br />ポイント６：見た目がよく、できれば、１ページ以内<br />ポイント６：必ず実世界で試用されている<br /><br /><br />◆投資における事例<br /><br />投資でもチェックリストを使い、成果を上げている人たちがいる。クック氏（仮名）という投資家は、投資過程の分析をし、投資先の選定、投資の決断、投資後の経過観測で起こるミスを防ぐためのチェックリストを挙げ、成果を上げている。たとえば、投資の検討を始めて３日目に使うチェックリスト「３日目チェックリスト」というのを作っている。ある会社は役員が自分たちの素晴らしさをプレゼンする一方で、持ち株を売っていた。ほとんどの投資家は飛びついたが、クック氏は「３日目チェックリスト」で詳細な分析を行い、投資しなかった。<br /><br />また、ベンチャーキャピタルの分野でも、チェックリストを使う投資家は８人に１人だが、他の投資家のリターンが３５％であるのに対して、チェックリストを使う投資家のリターンは８０％を超えている。<br /><br />投資の分野では、成功している投資家のやり方は注目の的であるが、クック氏のチェックリストについては、なぜか、興味を持たない。<br /><br />なぜか？<br /><br /><br />◆なぜ、チェックリストは使われないのか<br /><br />手間がかかる、面白くないといった理由もあるが、本質的な理由は、優秀な人たちはチェックリストを使うことを恥ずかしいと思っていることではないだろうか。複雑で危険な状況でも、度胸と工夫で乗り切ってしまえると思い込んでいる。<br /><br />この本のもっとも重要な指摘はこの部分である。どの分野にもプロフェッショナリズムがある。３つの条件があると思われる。<br /><br />・無私である<br />・腕がよい<br />・信用に足りる<br /><br />航空機業界では、四つ目として<br /><br />・規律<br /><br />を付け加えた。良くできた手順には従い、必ず他者と協力しあうことだ。<br /><br /><br />◆チームワークのツールとしてのチェックリスト<br /><br />この本は現代の仕事の仕方においてきわめて重要なことを２つ指摘している。一つは、一人でできる仕事は少なく、チームワークが求められる。チームワークを実現するためには、チェックリストというプラクティカルなツールを使い、対等な立場でコミュニケーションしあえることが不可欠である。<br /><br />これは専門性のあり方を考えると極めて興味深い。専門性において、看護師が医師にアドバイス（指示）できることがあるのだ。<br /><br /><br />◆創造性を高めるツールとしてのチェックリスト<br /><br />そして、これが２点目に関係してくるが、専門性、あるいは創造性が高い仕事は、一から十までそうだというわけではない。専門性や創造性が求められるステップが混ざっているだけで、その周囲は簡単な仕事であることが多い。たとえば、ホプキンス病院の例で、手を洗うというのは、専門性でもなんでもない。われわれは、これを一括りにして、専門性の高いひとだから恙無くできると思っているが、これは間違いだ。<br /><br />むしろ、単純なところにミスが起こりやすく、そのミスを防ぐことによって、専門家は専門的な業務に、クリエイターは創造的な業務に集中できるようになると考えるべきだろう。そして、ミスを防ぐためにはチェックリストほど、強力な武器はない。<br /><br />にも関わらず、チェックリストに対する偏見があるのは冒頭に述べたように、チェックリストに誤解があるからだ。マニュアル的なチェックリストをチェックリストだと思いこんでしまっている。ここを改めなくてはならない。<br /><br />この問題は、とりもなおさず、戦略と洞察の問題である。つまり、一つ一つのオペレーションの中で押さえておくべきところはどこか、これを明確にできなくてはそのようなチェックリストはできない。日本人が苦手とする思考だが、創造的な仕事を目指して、チャレンジしてみる価値はある。<br /><br /></div>
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        <title>【Award2011】ファンが選ぶビジネス書ベスト３発表</title>
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        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-49471671</id>
        <published>2011-12-26T09:29:46+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:51+09:00</updated>
        <summary>ファンが選ぶビジネス書のランキングは、昨日で締め切りました。 結果は、以下の通り...</summary>
        <author>
            <name>好川哲人</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="★ファンが選ぶビジネス書" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="☆年間＆月間ベストセラー" />
        
        
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c015438eb6fdb970c8.gif" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c015438eb6fdb970c-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="Fan" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c015438eb6fdb970c" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c015438eb6fdb970c1.gif" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c015438eb6fdb970c-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="Fan" /></a>ファンが選ぶビジネス書のランキングは、昨日で締め切りました。<br /><br />結果は、以下の通りです。<br /><br /><span style="font-size: 14pt;">【１位】ピーター・センゲ（枝廣 淳子、小田 理一郎、中小路 佳代子訳）「<a href="http://mat.lekumo.biz/books/2011/08/discipline.html" target="_blank">学習する組織――システム思考で未来を創造する</a>」英治出版（2011）　<strong><span style="color: #c00000;">141いいね！</span></strong></span><br /><br />【２位】スコット ベルスキ（関 美和訳）「<a href="http://mat.lekumo.biz/books/2011/11/ideas.html" target="_blank">アイデアの99% ―― 「1%のひらめき」を形にする3つの力</a>」、英治出版（2011）　51いいね！＋２HB<br /><br /><br />【３位】松本 俊人「<a href="http://mat.lekumo.biz/books/2011/09/star.html" target="_blank">社長、5万円だけ予算をください</a>」、しののめ出版（2011）　38いいね！<br /><br />「学習する組織」の圧勝でした！<br /><br />この企画は、世間での売れ行きとか、評価に影響されず、好川の主観的評価を大切にして続けてきていますので、今回もあくまでも３冊の候補の一冊として扱うつもりですが、この２位との差は、意思決定バイアスになりそうです。<br /><br />というわけで、ビジネス書の杜Award2011の候補３冊のうちの１冊は「学習する組織」になりました。あと２冊は２９日くらいに発表する予定です。<br /><br />お楽しみに！</p></div>
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        <title>ノリの正体を解明する（ファンが選ぶビジネス書２７）</title>
        <link rel="alternate" type="text/html" href="https://mat.lekumo.biz/books/2011/12/nori.html" />
        <link rel="replies" type="text/html" href="https://mat.lekumo.biz/books/2011/12/nori.html" thr:count="0" />
        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-49471673</id>
        <published>2011-12-07T02:00:29+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:51+09:00</updated>
        <summary>遠藤 功「伸び続ける会社の「ノリ」の法則」、日本経済新聞出版社（2011） お奨...</summary>
        <author>
            <name>好川哲人</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="★★★★★" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="★ファンが選ぶビジネス書" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="コミュニケーションマネジメント" />
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        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="チームマネジメント" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="ヒューマンソフトマネジメントスキル" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="プロジェクトマネジメント（PM）" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="リーダーシップ" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="日本型経営" />
        
        
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0162fd7084eb970d.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0162fd7084eb970d-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="4532261171" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c0162fd7084eb970d" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c0162fd7084eb97_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c0162fd7084eb970d-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="4532261171" /></a>遠藤 功「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532261171/opc-22/ref=nosim" target="_blank">伸び続ける会社の「ノリ」の法則</a>」、日本経済新聞出版社（2011）</p>
<p>お奨め度：★★★★★</p>
<p>facebook記事「<a href="http://on.fb.me/tJidqY " target="_blank">「ノリ」を生み出し仕組みづくり</a>」<br /><br />「現場力を鍛える」、「「日本品質」で世界を制す！」など、比較的、硬派の論調で知られる著者の「ノリ」論。これまでの著作を読んでいる人は何となく、底辺で通じているものを感じながら読める組織活性化論。</p><br /><br />著者がノリに興味を持ったのは、コネクターの自動組み立て機を製造販売する長野県駒ケ根市にある天竜精機の芦部社長の一言だったという。<br /><br />人は何より、ノリが大切だと思う。気分よく働き、仕事そのものが面白いと思ったら、生産性は必ず高まる。<br /><br />ノリとは何かというのは難しい問題だが、著者は知り合いの米国人に英語で何と表現するのか尋ねてみたところ、「Swing」が近いと言われたそうだ。ノリとはそもそも、音楽の分野で使われる言葉で、体が自然と動いてしまうような、軽快でリズミカルな状態をいう。「体が自然と動く」ことがポイントで、理性で動くのではなく、感性で感じ取り、体が自然に動き出すことがノリである。<br /><br />そして、組織においては、ノリは土壌であり、戦略や組織や制度は、種とか、肥料、水だと例える。土壌が悪くなると、種や肥料がいくら良くても、だめだ。日本の失われた２０年は、土壌を痛めてきた２０年だと言える。<br /><br />戦略を作って、実行しようとすればノリが不可欠である。「その気にさせる」、「勢いをつける」、「盛り上げる」といったことこそがノリである。ノリという感情的、情緒的な要素がなくては、いくら理詰めの戦略を描いても絵に描いた餅になる。戦略のコンサルタントとして著名な著者の言葉だけに重みがある。<br /><br />ノリの正体は「気」であるという。そして、ノリをよくするとは、やる気の方向に気が向く状況を作り出すことだ。今、経営で必要なことは、組織内の気を充満させ、気の向きを定め、会社一丸となってその方向に気が向く状況を生み出すことだ。<br /><br />ノリには生まれるメカニズムがある。音楽の場合であれば、音楽がノリを生みだし、それに反応した人たちが、それを他の人たちに自然にノリを伝え、大きな波のようになっていく。<br /><br />このようにノリには「相互作用性」がある。一方でノリ自体が自然に生まれることはない。次に、環境がノリに大きな影響を与える。ノリ自体は内発的なものだが、どのような影響を受けるかは環境によって変わる。<br /><br />このようなメカニズムがあるので、まずは個人のノリをどうつくるかが問題になる。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「仕事を祭にする」、そして、そこに関わるみんなを祭の仲間にするという。<br /><br />そして、祭りに参加し、「仕事を忘れたときにいい仕事ができる」という。<br /><br />これに対して、著者は、仕事を楽しむだけでは、本当のノリにならないという。そこに、仕事の成果やプロセスに対する認知や報奨が必要であるという。もちろん、金銭的なものではない。みんなで認め合い、褒め合うのだ。<br /><br />個人にノリが生まれた次の問題は、組織のノリをどう高めるかである。このためには、２つのポイントがある。<br /><br />・協働作業<br />・基本の徹底<br /><br />の２つである。協働作業は職場のみんなが一つのことに取り組むこと。全員が一つの目的に向かって動くことができれば効果的だ。その際、重要なのはみんながやることだ。誰でもできることをやらない人は必ず出てくる。これは人間としての基本的な部分ができていないことによる。ここをまずは徹底しなくてはならない。<br /><br />組織のノリを大きくする上で、経営者の役割は重要である。とくに、「ホラ」を吹くことが重要だ。ホラによって組織が委縮から解放される。<br /><br />本田宗一郎は、１９４８年に会社を創設し、その６年後の１９５４年に、マン島ＴＴに出場し、優勝すると宣言する。そして、なんと１９５９年には本当に初出場し、１９６１年には、二部門で１位から５位までに入るという快挙を成し遂げる。これこそ、ホラの効用である。経営者のホラが、従業員のノリを生み出し、ホラを本当にしてしまったのだ。<br /><br />企業のノリは、神輿を担ぐことに似ている。いくらノリのよい社員がいても、かつぐ神輿がなければなにも起こらない。神輿が準備され、かつぐことによって、ノリも大きくなっていく。<br /><br />組織のノリを大きくしようとすれば、「いいだしっぺ」を評価するのがよい。イニシエイタ―である。ミドルをイニシエーターとし、加点評価をする。これだけで、組織のノリは高まっていくだろう。<br /><br />以上をまとめると、ノリを生み出すには、以下の７つの原則を守ればよい。<br /><br />（１）創造の原則；ノリを意識的に生み出す<br />（２）日常性の原則；日常でノリを生み出す<br />（３）身体性の原則；体を動かす<br />（４）ストレッチの原則；目標をストレッチする<br />（５）認知の原則；周囲が認知する<br />（６）相互作用の原則；ノリを他の人にうつす<br />（７）共感の原則；共感を得る<br /><br />ノリを実際につくっていくには、言語と行動を変えるとよい。言葉では、ポジティブワード、ノリワードを積極的に使う。行動では、とにかく動く。<br /><br />仕事の中では<br /><br />・「適度なストレス」を感じる仕事を与える<br />・仕事を自分で選択する<br />・仕事の意味を見直す<br /><br />といったことが有効である。<br /><br />また、人間関係の再構築をすることも有効だ。<br /><br />ノリというのは得体のしれないものだが、見事にノリを生み出す方法を体系化している。動機づけとは微妙に違うし、組織風土をつくることとも微妙に違う。<br /><br />たとえば、プロジェクトを実施するときに、うまく使うと、非常に有効な武器になるように思う。</div>
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        <title>Award2011でfacebookページからの意見を参考にする方法について</title>
        <link rel="alternate" type="text/html" href="https://mat.lekumo.biz/books/2011/12/fan.html" />
        <link rel="replies" type="text/html" href="https://mat.lekumo.biz/books/2011/12/fan.html" thr:count="0" />
        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-49471675</id>
        <published>2011-12-04T23:08:10+09:00</published>
        <updated>2013-03-01T18:22:56+09:00</updated>
        <summary>facebookページからの意見も参考にする方法についてです。 Award本の選...</summary>
        <author>
            <name>好川哲人</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="facebook" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="★ファンが選ぶビジネス書" />
        
        
<content type="html" xml:base="https://mat.lekumo.biz/books/">
<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p>facebookページからの意見も参考にする方法についてです。<br /><br />Award本の選び方は昨年、プロセスを全公開しましたように、その年にでた本の中から、ビジネス書の杜で取り上げた本の中から三冊に絞り、その中から１冊を選びます（昨年は３冊にできなかったので、４冊になりました）。<br /><br />今年は、ファンが選んだビジネス書の中から、いいね！が最多のものを、３冊のうちの一冊とします。そして、好川が選んだ２冊と併せて、１冊を選ぶことにします。ファンが選んだビジネス書の紹介記事はこちらのディレクトリーで見ることができます。</p>
<p><a href="http://bit.ly/sOAhg2" target="_blank">ファンが選んだビジネス書<br /></a><br />１２月３日現在で、ファンが選んだビジネス書は２５冊ありますが、最初の方はfacebookのユーザが少なかったせいもあり、少な目になっていますので、ぜひ、紹介記事を読んでもらい、いいと思ったら、いいね！をお願いします。</p>
<p>ちなみに現在のトップは、<br /><br />ピーター・センゲ（枝廣 淳子、小田 理一郎、中小路 佳代子訳）「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761011/opc-22/ref=nosim" target="_blank">学習する組織――システム思考で未来を創造する</a>」英治出版（2011）</p>
<p>の５８いいね！です。</p>
<p>１２月２５日２４時点でのいいね！の数で決めます。</p></div>
]]>
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    </entry>
    <entry>
        <title>発想力を問われる時代は、頑張ったら負けだ（ファンが選ぶビジネス書２５）</title>
        <link rel="alternate" type="text/html" href="https://mat.lekumo.biz/books/2011/12/sense.html" />
        <link rel="replies" type="text/html" href="https://mat.lekumo.biz/books/2011/12/sense.html" thr:count="0" />
        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-49471679</id>
        <published>2011-12-04T18:15:07+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:52+09:00</updated>
        <summary>トミタ・ジュン「「センスいいね！」と言われる人の思考術」、アチーブメント出版（2...</summary>
        <author>
            <name>好川哲人</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="facebook" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="★★★★★" />
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<content type="html" xml:base="https://mat.lekumo.biz/books/">
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<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><a href="http://mat.lekumo.biz/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c015393fda2a4970b.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c015393fda2a4970b-popup" onclick="window.open( this.href, &#39;_blank&#39;, &#39;width=640,height=480,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0&#39; ); return false" style="float: left;"><img alt="4905154146" class="asset  asset-image at-xid-6a012876123792970c015393fda2a4970b" src="http://mat.lekumo.biz/photos/uncategorized/2013/03/01/6a012876123792970c015393fda2a497_2.jpeg" data-prevurl="http://mat.lekumo.biz/.a/6a012876123792970c015393fda2a4970b-100wi" style="width: 100px; margin: 0px 5px 5px 0px;" title="4905154146" /></a>トミタ・ジュン「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4905154146/opc-22/ref=nosim" target="_blank">「センスいいね！」と言われる人の思考術</a>」、アチーブメント出版（2011）</p>
<p>お奨め度：★★★★★＋α</p>
<p>※facebookページ記事「<a href="http://on.fb.me/vGkBdI" target="_blank">センスは天性ではなく思考技術</a>」<br /><br /><br />「センス」というよく使うが、実体がよく分からないものについて、建築士であり、グラフィックデザイナーである著者が正体を明らかにし、センスいいと言われるようになるための方法を示した一冊。著者はセンスとは感性と理性の融合であるという。建築士とデザイナーの二面性がある著者ならではのものの見方ではないかと思う。</p><p>◆センスとは人の期待にどれだけ応えられるか</p>
<p>この本の面白いのは、センスがいいということに対する認識である。本書の中に、「自分らしさ」に対する言及がある。そこでこう述べている。<br /><br />「自分らしく」の正体とは、本当の自分ではなく、あなたはこうあるべきという「社会の期待に乗っかる」ことではないでしょうか？<br /><br />本のタイトルも「センスがよくなる」ではなく、「センスがよいと言われる」なのだ。目から鱗で、どんなに卓越した人でも、自分のことをセンスいいというひとを、センスいいとは思わないだろう。センスという何気なく使っている言葉は、本質的に他人からどう見えるか、もっといえば、期待にどう応えるかという議論なのだ。ビジネスにおける創造性も顕在化されているかどうかは別にして、結果としては顧客の期待に応えることである。この点を頭において読んだ方がよい。<br /><br />さて、その上で、著者はまず、センスについて、<br /><br />デザインは才能じゃなく、知識です。<br />センスは天性ではなく、思考技術です。<br />「知識」と「思考技術」ですから、誰でも学べます。<br />電気が発電できるように、「ひらめき」も自家発電できます。<br /><br />と述べている。<br /><br /><br />◆なぜ、センスがないと言われるのか<br /><br />最初になぜ、センスがないと言われるのかを、ファッション、ワークスタイル、インテリア、交際術において、その典型的な症状について例示している。<br /><br />ファッションの場合、全体としてのディレクションがないこと。ワークスタイルについては、頑張りすぎること。「急がば回れ」の重要性を説いている。急ぐ時こそ直線的に進まず、柔らかく回り込む。その過程で余裕ができ、学びや気づきがあり、いい結果が期待できる。インテリアの場合には、その場に目的がないこと。<br /><br />センスのいい空間は、自然な生活から生まれるものではなく、マインドにあるという。交際術については定期的なメンテナンスがされておらず、惰性の付き合いになっていること。人間関係をデザインするという発想で、交際を再構築すべきだと述べている。<br /><br /><br />◆センスのいい思考はどうすればできる？<br /><br />では、センスという思考はどうすればできるのか。これが次のテーマ。ここで７つの思考マッピングという手法を提案している。<br /><br />ここでは、まず、冒頭に述べたように、センスは感性と理性の融合」だと主張している。そのこころは<br /><br />感性により創造力を高め、理性によりブレない成果を生み出すために、感性と理性を周回する思考回路を持つ<br /><br />ことだ。例として、入社１年目のマスコミ系のパーティに誘われたときの状況を使って説明している。センスがない人は手持ちのスーツでとりあえず、フォーマルということで黒っぽい方を選んできている。ところが、センスのある人はあれこれ、考える。<br /><br />（１）ハリウッドのパーティーならテレビでみたことがある。パーティといえば豪華絢爛な装いがイメージできる。自分も仲間に交じってブランドもののラメスーツにエナメルのくるをはいていくのはどうだろう？<br />→スターと同じ格好をしたところで、自分は芸能人でもない。単に友達の招待だから、普段と同じスーツでよいかもしれない。<br /><br />（２）もしかしたら、女優さんが来るかもしれない。お友達になりたい、センスよく目立ちたい<br />→普通のスーツだと相手にされないだろう<br /><br />（３）おしゃれだけど、スターほど派手じゃないジャケットとパンツでもカッコいいのでは？あと、若造だと思われたくない！<br />→シックなジャケットとパンツ路線、大丈夫そうだ。いい時計をしたら信用される<br /><br />（４）雑誌で見たパネライやフランクミューラーーラーがカッコいい！<br />→でも持っていない。お金もない。<br /><br />（５）じゃあ、お気に入りのデザインウォッチでいいんじゃない？<br />→悪くない、服はシック路線。それとポップな腕時計をつけよう。<br /><br />（）は感性思考、→は理性思考である。<br /><br />自分では発想できない場合には、人のアイデアを借りる。これが、バイパス思考。<br /><br />どうしても、発想が固まる場合もある。大きな理由は、考え付けと決めつけ。この２つに対処するには、プロトタイプ（試作品）を作ってみて、早い時期に失敗し、学習していくプロト思考が有効である。<br /><br />発想のためには、アイデアソースを持つことが大切だ。デザイナーが美術館で名画を鑑賞する、外を散歩しながら五感を研ぎ澄ますなど、いろいろな方法があるが、アイデアを生み出すための方法を持つことを心がける。<br /><br />また、連想（アソシエーション）もアイデアを生み出す有効な手段である。連想で有効なのは、マインドマップや、コネクションを重視した電車の路線図などである。<br /><br />ただし、アイデアは連想ではなく、突発的に出てくることもある。これはクラウド発想と呼ぶべきものである。<br /><br />以上の７つの思考をステップを踏んで行う手法が、７つの思考マッピングである。実は、ＰＭ養成マガジンの１０周年企画でこの方法を使ってみた。機会をみて公開する。使いやすい手法である。センスがいいできたかどうかはみなさんの判断である。<br /><br /><br />◆自分をデザインする<br /><br />次に自分をセンス良くデザインする方法を示している。これがなかなか、面白い。まず、フィールドワークを行い、自分が何族かを決定する。<br /><br />次に族の詳細として自分のコンテクストを決める。著者の考えは人には、内面の特徴（ギャラクター）と外面の特徴（コンテクスト）があるというもので、コンテクストには、持ち物、車、家、交友関係、家族、学歴、結婚歴、会社、仕事などがある。コンテクストづくりには、エスノグラフィーが役立つ。コンテクストは、現実だけでなく、理想が含まれていてもよい。<br /><br />コンテクストが決まったら、成りきる。これをアブダクションという。アブダクションでは、現実と理想のギャップが阻害要因になる。そこで現実との折り合いを付けながら、理想に向かって、少しずつリデザインするとよい。<br /><br />アブダクションの際に、ブランドのうまく使うことも重要だ。ブランドはとは、社会の中で使われている信頼と評価の記号である。たとえば、エグゼクティブというコンテクストを持つ人が、ゼニアのスーツを着ると、理想に一歩近づく。本の中ではあまり議論されていないが、ワークスタイルのセンスをよくするために使えるブランドとして、○○企業に勤務しているというのは有効なことが多い。ただし、センスのいい会社であればだが（笑）。たとえば、リクルート出身の起業家、ＩＢＭ出身の経営者などはその典型だ。<br /><br />コンテクストの中で、ウィークポイントの設定というのは意外と重要である。弱みは、社交性であり、愛嬌である。さらに、自信も重要である。自信はセルフエフィカシー（自己効力感）から生まれてくる。セルフエフィカシーを高めるには成功体験を積み上げていくとよく、その意味で、自信もデザインできる。<br /><br /><br />◆ファッション、ワークスタイル、インテリア、交際術のアナロジー<br /><br />次に、スケッチ思考によってセンスを鍛えるというテーマで、具体的なスケッチの方法を、エクスサイズ付きで説明している。文章で説明するのは難しいので、紹介は省略するが、僕はこの本の中で、このパートが一番役立った。それから、パワーポイントにSmartArtというメニューがあるが、このメニューの正当性がよく分かった。<br /><br />最後は審美眼について論じている。例によって、ファッション、ワークスタイル、インテリア、交際術の各カテゴリーで述べているのだが、ここまで読み進めて、この章を読むと、アナロジーが聞くようになる。たとえばファッションの話がワークスタイルの話として読み替えることができる。これはこの本の、本としての素晴らしさの証明だと思う。<br /><br />あまり、ないタイプの本で、最初にさっと読みした印象はあまりファッションやインテリア系のデザインの知識を、ワークスタイルに応用しているような印象を受けたが、丁寧に読んでみるとそんなことはない。分野に関係ない、デザインの本だ。<br /><br />一番、共感できたのは、この言葉。<br /><br />発想力を問われる時代は、頑張ったら負けだ。ワークスタイルに限らず、ファッション、インテリア、交際術すべてにおいて、目的をしっかりともち、自然体で目的に向かうというのが、センスのいいといわれる人になる秘訣ではないかと思った。<br /><br /></p></div>
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        <title>三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で先決まる（ファンが選ぶビジネス書２４）</title>
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        <published>2011-12-01T16:03:16+09:00</published>
        <updated>2014-07-23T16:42:52+09:00</updated>
        <summary>上田 比呂志「ディズニーと三越で学んできた日本人にしかできない「気づかい」の習慣...</summary>
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            <name>好川哲人</name>
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<p>お奨め度：★★★★</p>
<p>※facebook記事「<a href="http://on.fb.me/stM9MK" target="_blank">要求を聞くのではなく、慮る</a>」<br /><br />老舗料亭・橘屋に生まれ、三越、ディズニーで働く経験を持つ著者が、「気づかい」をテーマに、「心」、「スキル」、「仕組み」のあり方をといた一冊。ベテランのコーチだけあって、ストレートに主張をするよりも、自分の経験、歴史的な薀蓄、ある場面で感じたこと、思ったことなどを紹介することにより、読者に気づきを与えるようなスタイルの本になっている。</p><p>全体として３３のポイントが説かれているが、１９に、江戸時代に「子育てしぐさ」という丁稚を立派な商人に育てるためのマニュアルがあったという話がある。このマニュアルは<br /><br />三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で先決まる<br /><br />という教育方針になっているという。三つ心で３歳までに立派な心を教えなさい。六つ躾で、６歳までに躾をしなさい。九つ言葉で、９歳までにお世辞がいえるようにしなさい。十二文で１２歳までに手紙が書けるようにしなさい。十五理で、１５歳までに世の中の理、森羅万象を理解させなさい。という意味。<br /><br />この本の基本にあるのは、気配りを身につける順序は「心、躾、言葉、文、理」であると考えているように思える。<br /><br />最初の３つのポイントは、まず、料亭で学んだ心を取り上げている。ここでは、気づかいとは<br /><br />心をもって正しきことを行うことであり、心とは、人を思いやる気持ち、正しいとは相手の意に沿っているかどうか<br /><br />であると説く。つまり、「心を込めて、相手が望むことをする」のが気配りである。<br /><br />次に、型。心にしたがって行動するにはスキルが必要なことがある。いわゆる業務スキルだ。ここで気づかいの、ポイントになるのは、「意識」だという。意識を持つと、身につけたスキルをほかのあらゆる物事を結びついていく。<br /><br />たとえば、著者は「人に喜んでもらうにはどんなことをすればよいか」という意識を持っていたので、「市場を調べて、ターゲットを固めて、どう声をかけるか」という一連のスキルがいろいろなところで役立っているという。<br /><br />気づかいにおいては、<br /><br />周囲を見渡そうとする意識<br />人の気持ちを察しようとする意識<br /><br />を持つことがポイントである。このような状態を意識のアンテナを立てておくと称している。一般的にいえば、意識は「問題意識」である。問題意識があるから、スキルの習得が加速し、また、習得したスキルが活用でき、スキルが強化されていく。<br /><br />三つ目は仕組み。この本を読んで興味深かったことの一つは、心やスキル橘屋や三越が中心であるが、いろいろな事例が出てくる。しかし、仕組みについては、ほぼ、ディズニー。それだけ、卓越しているということか。<br /><br />ディズニーの仕組みづくりは、明確なコンセプトの元に、それを実現するための設備設計、スタッフ教育、組織作りを科学的に行っている。具体的には、「ゲストを幸せにする」というコンセプトがある。このために、施設はもちろんだが、キャストの選抜や、教育を徹底的に行う。キャストになってもすぐには表にはでない。裏方で教育される。表に出たときには、一定の品質が保証される仕組みがある。<br /><br />また、モチベーションの維持のための仕組みもある。出身国別の食堂、家族を無料招待する報奨制度、ゲストのエピソードを共有する制度などだ。これらは思い付きではなく、心理学者やエンジニアなどの専門家によって、科学的に設計されている。<br /><br />仕組みの重要性は、工夫や気づかいは全員でやらなくては組織に浸透しないという点にある。チームの中の何人かができるというのではだめで、全員ができて初めて組織としてできるようになる。<br /><br />著者は面白い指摘をしている。それは「気が利く社員を育てるには、マネジメントする側が気づかいしないとできない」という指摘だ。日本人は、これを属人的に考えてきた。できる人とできない人がいることを肯定的に捉えてきたように思う。しかし、もはや、そのような時代ではなく、組織としてできないと競争に勝てないということだ。<br /><br />そのための仕組みである。さらに興味深いのはよく知られているようにディズニーにはマニュアルはない。仕組みを作ることによって人を育て、マニュアルを超えた仕事ができるようにする。<br /><br />気づかいについては、このことの意味は多いのだろう。<br /><br />このようなフレームワークを頭において、読んでみると、一層、得られる気づきが深まると思う。<br /><br />最後に、一番、印象に残ったポイントに触れておく。３２で<br /><br />余白を感じ取る、行間を読む、感性を磨く<br /><br />というものだ。このような感性は文化的なものであり、ディズニーをもってしても、仕組化できなかったという。「十五理で先決まる」というが、決まらな先もあるということだ。この話は、続編でぜひ、取り上げて欲しい。心、スキル、仕組み以外に文化という要素があるとすれば、それをどのように構築していくかは非常に興味深い。</p></div>
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