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2008年4月17日 (木)

【補助線】ミーティングアジェンダでプロジェクトをコントロールする

ミーティングマネジメント本などにもあまり書いていないが、ミーティングによる意思決定をする際にアジェンダマネジメントというのは極めて大切である。

分かりやすいのが、今、国会でやっている道路特定財源の協議だ。新聞の世論調査結果などを見ると、入口でもたもたしていることに対する批判が多いようだが、たぶん、ここが大切なのだ。「暫定税率をなくすかどうか」という協議をするのと、「暫定税率を何%にするか」という協議をするのでは、論点が全く異なる。自民党のいうように、確かに数字上でいえば、%の協議をする中で0%という選択もあるということになるが、存続を「前提」にしているのだから極論として扱われ、まず、この意見が影響を与えることはないだろう。だから、民主党は拘る。

柔道でいえば、組み手のようなものだ。組み手によってそのあと、出せる技が異なってくる。

プロジェクトの中でもミーティングアジェンダの設定が、その後のプロジェクトの流れを決めることは少なくない。にも関わらず、ほとんど無意識のままで進んでいるのが怖いところだ。

以前はミーティングの達人の話を聞くと、例外なく、ミーティングは会議の設定がされた時点でほとんど終わっているといっていた。今は、違う。ファシリテーションをうまくして、多くの意見を引き出し、よい結論を生み出すことこそが重要だという。

もうお分かりだろう?ファシリテーションをいくら上手にやってみたところで、アジェンダの中での話だ。もし、アジェンダを無視した議論をしたとすれば、仮にそれでいくらよい議論が得られたとしてもそれはビジネスとしてルール違反である。

たとえば、スケジュールが遅れてきたときのミーティング。「このあとどうするか」というアジェンダを設定するのと、「遅れてきたスケジュールを如何に回復するか」というアジェンダの設定をするのでは内容も意味あいもまったく異なる会議になることは容易におわかりいただけるだろう。

さすがに、「とりあえず集まろう」という会議は少なくなってきた。これだけでも進歩だと思うが、もう一歩、踏み込んでアジェンダマネジメントをきちんとやるようにすれば、もう少し、プロジェクトの統制ができるようになる。

プロジェクトをコントロールする手段はミーティングしかない。これはミーティングの中でのコミュニケーションでメンバーに指示をしたり、依頼したり、影響を与えたりすることが一つの方法だ。しかし、これ以上に重要なのはアジェンダとマネジメントして、プロジェクトの進め方をしっかりとコントロールしていくことだ。

知り合いのプロジェクトマネジャーに、シナリオを作るときにターニングポイントになるとことではミーティングを想定し、ミーティングアジェンダをだいたい設定してしまうという人がいる。その人のコミュニケーションログを見せてもらったことがあるが、確かに、ミーティングアジェンダを並べてみると、大体、プロジェクトの流れが分かるので大したものだ。

もっとアジェンダの設定にこだわろう!

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。