プロジェクトスポンサーの秘密 Feed

2009年9月18日 (金)

【補助線】マニュフェスト考

◆「計画」に対するマインドセット

いよいよ、鳩山政権が発足した。政権交代もさることながら、なんと言っても「理系」それも、経営工学でStanfordのPh.Dを持つ鳩山由起夫氏が日本のリーダーになることが注目だ。良くも悪くも、社会の価値観や風土が変わるのではないかと期待が高まる。

ビジネス上で考えてみたときに、理系と文系の違いで目立つのは、(構想も含む広い意味での)計画に対する感覚だと思う。いいか悪いかは別にして、日本人のビジネスマンは「計画は計画、実施は実施」と考える傾向が強い。良くも悪くも人に依存した仕事の進め方をする。Aさん、Bさんの計画は単に計画に過ぎないと考える。リスクマネジメントまでを計画ベースで行うプロジェクトマネジメントが普及してきても、この計画に対するマインドセットはあまり変化していないように思える。ここが変われば相当な社会的インパクトがある。

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2009年9月 7日 (月)

【補助線】アクティブ・ノンアクションという問題

◆不毛な忙しさ

プロジェクトマネジメントの成熟が大きな課題になってきた。

プロジェクトの成熟度を考える上で、どうしても見逃せない問題がある。

プロジェクトマネジメントを導入した組織で、マネジャー(課長)やシニアマネジャー(部長)が忙しくて、そんなやり方はできないという問題である。

前々回、前回と述べてきた計画によるガバナンスの仕組みをとってみても、マネジャーやシニアマネジャーがプロジェクトスポンサーとして機能しない限り、仕組みは十分に機能することはなく、無理に機能させると、今度はプロジェクトマネジャーにより負荷がかかり、肝心のプロジェクトマネジメントが十分にできないという悪循環が生じる。

確かに、プロジェクトを管理する立場にあるマネジャーやシニアマネジャーは忙しい。ここで一つ考えたいことは、「アクティブ・ノンアクション」という現象に陥っていないかということだ。アクティブ・ノンアクションは日本語では行動的な不行動とか、不毛な忙しさと訳され、スマントラ・ゴシャール先生が『意志力革命』で指摘した現象で、多忙ではあるが目的を伴う意識的行動をとっていないことを言っている。

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2009年8月25日 (火)

【補助線】プロジェクトにおける例外管理

◆例外管理は基本中の基本

当たり前すぎて、今ではあまり語られることのなくなってきたマネジメントの原則に「例外管理(Manegement By Exception)」という原則がある。

金井 壽宏、岸良 裕司「過剰管理の処方箋 自然にみんながやる気!になる」、かんき出版(2009)

では、

=====
組織には、それまでの経験から、マニュアルや標準業務手順などの形で知識が蓄積されている。管理者はそれをうまく活用して人を動かす。マニュアルは曖昧さがないほど望ましいとされ、それを管理者は部下に渡しておく。「あとは任せた」でいければ、うまくいっている証拠で、管理者は介入しない。うまくいかないとき、つまり、マニュアルに書いていない例外的事象が起きたときだけは、管理者は「俺の指示を聞け」という。
=====

と説明されている。この本では、さらに、最近では例外が多すぎたり、また、例外に対して、経験が常に役立つとは限らない時代になってきたので、例外管理という考え方は現実的ではなくなり、経営学の教科書にすら、あまり出てこなくなった、でも、イロハのイとして、意識しておくべきことだと指摘されている。

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2009年8月21日 (金)

【補助線】改善 vs 戦略

◆改善 vs 戦略

今回の衆議院選挙の自民党と民主党の議論はなかなか面白い。政策そのものについては、このブログの範疇ではないので触れない(高速道路無料化の是非の議論は、システム思考的な視点から興味深いので、時間があれば書きたい)。何が面白いかというと、財源を巡る、改善vs戦略のアプローチの議論。この議論はこの10年くらい、日本企業の経営の場でことあるごとに議論になってきたテーマだが、それぞれを掲げた政党が激突するというのは、そうそう見られるものではない。

政策の議論はしたくないので、たとえ話で書く。

例えば、あなたが、10日間かかると思う仕事を、社長から5日でやれと言われたらどうするだろうか?仕事の工程を検証し、作業を効率化したり、無駄な作業があれば省く。つまり、改善だ。改善策を考えた上で実行し、それでできなければ、とりあえずはごめんなさい、次はきちんとできるようにもっといろいろと改善しますという。

こんな感じで改善の議論を絡めて、成功、失敗をはっきりさせないケースが多い。

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2009年8月18日 (火)

【補助線】プロジェクトの数字は生きているか?

◆生きた数字と形骸化した数字

あるビジネス書を読んでいたら、「生きた数字」という表現が出てきて、はっとした。

内閣府が17日に2009年4―6月期国民所得統計を発表した実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.9%、年率換算プラス3.7%である。この数字を見て、景気は回復したんだと思う人は少ないのではないかと思う。

なぜだろうか?おそらく、リーマンショックからこの1年、毎日のように景気対策、景気対策と繰り返し報道され、4回も予算を組んでいる。

国の補正予算というのは、企業でいえばリストラと同じ位置づけである。普通、リストラというのは一度やって、短期間に二度目のリストラをやるときには経営指標がいくら上向いていても、その企業は危ないと思われても仕方ない。

そんなことを連想させる景気対策があり、いくら、GDPが上がっても、その数字を額面通りに受け取れない。形骸化とまではいわないが、生きている数字だとは思えない。この数字を生かすためには、この数字の背後にある情報が必要である。

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2009年8月 8日 (土)

【補助線】プロジェクトマネジメントの目的を実現する三位一体プロジェクトマネジメント

◆プロジェクトマネジメントの目的はQCDSの目標達成だけか?

語られて尽くしているようで、実は以外に語られていないのではないだろうか?以前、一度、このような記事を書いたら、考える意味が分からないというコメントを貰ったことがあるが、何をやるにしても、目的を持ってやることは前提であり、その意味でなぜ、考えるかという議論は意味がない。

さて、語られているいると考える人は

 プロジェクトを成功させること
  →成功の定義はプロジェクトごとのQCDに対する目標の達成

という方が多い。これが間違っているとは思わないが、本当にこれだけが、プロジェクトマネジメントを行う目的だろうかという疑問はある。

QCDの目標の達成というのは、ある意味で現場の目的に過ぎない。ある意味でと書いているのは、そのようなQCDに対する要求(制約)はそもそもは経営的な要求から出てきているわけだから、これが経営的な目的であることは間違いない。

が問題は、これは、目的として十分条件なのかという点。おそらく、多くのプロジェクトにおいてQCDの目標達成は現場が考える目的で、必要条件の一つに過ぎないのではないだろうか。

ちょっと脱線するが、これを必要十分条件だと考えていると、プロジェクトマネジメントなど行う必要があるのかという議論になりがちである。確かに、QCDの目標達成だけを目的とするのであれば、プロジェクト全体のことを考えなくても、開発マネジメント、プロセスマネジメントだけで十分に足りることは多いのも事実だ。

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2009年8月 4日 (火)

【補助線】なぜ、プロジェクトマネジメントの効果がでないのか

◆プロジェクトマネジャーの組織上の地位

プロジェクトマネジメントもその企業なりに自社の考えに合わせて調整し、定着の兆しが見えてきた。一方で、一定の効果は認める企業が多いが、戦略の実行支援手段として有効かと聞くと、首をかしげる人が多い。マーケティング(商品開発)や一品モノの生産といった「オペレーション」の品質を向上させる手段としては機能しているのだが、経営的な効果は顕著には見られないというのが、この5年くらいの総括ではないかと思う。

この問題については、いろいろな視点からの原因分析が可能であるが、ここでは、プロジェクトマネジャーのスキルという視点からもう一度、考えてみたい。

IT系の企業が典型的な例であるが、業務の大半をプロジェクトとして運営している企業においては、プロジェクトマネジャーはマネジャーの下位の職に位置づけているケースが多い。単純にいえば、

プロジェクトマネジャー 係長クラス
プロジェクトスポンサー マネジャー、シニアマネジャークラス

というパターンだ。このような担当は業務分担からすると自然であるし、また、事業実態から考えても現実的である。まず、これを頭に入れておいてほしい。

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2009年7月27日 (月)

【補助線】計画論~3種類の計画

◆3種類の計画

業務の計画は組織によって、名称や、段階など、さまざまであるので、一般論を論じることは難しいが、計画の本質的な役割を見ると、おおよそ、以下の3つに集約できると思われる。

・構想計画
・基本計画
・実施計画

の3つである。

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2009年7月14日 (火)

プロジェクト目的の秘密(全3回)~その1 目的と目標について理解しよう

◆はじめに

プロジェクトマネジメントの研修や、ワークショップで、「このプロジェクトの目的を設定しましょう」というと、必ず出てくる答えがある。

(例1)顧客の要求を満たす○○システムを作る
(例2)収益を増加させる

このような目的はほとんどの場合、あまり適切な目的だとはいえない。第1回の目的は、なぜ、これらの例がなぜ適切でないのかを理解していただくことである。

また、第2講「プロジェクトの目的・目標の秘密」(全3回)を通しての「目的」は、どのように考えて「プロジェクトの目的や目標」を設定すれば適切な目的の設定ができるかだ。

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2009年7月 7日 (火)

【補助線】プロジェクトを「作業」から「仕事」に

◆仕事と作業の違いは?

いきなりで恐縮だが、PMP(R)の方に質問。work、task、activity の違いが説明できますか?

山﨑裕司さんという方が書かれた本に「日本語で書いた経営の教科書」という本がある。経営者やマネジャーにとっては示唆に富むたいへんよい本だ。

この本の中に、「仕事」と「作業」はどのように違うのかが明確に書いてある。それによると、

作業:定められたことをすること
仕事:目的に対して、効率的に貢献をするように作業を定め、割り当てること

だという。

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。