プロジェクトスポンサーの秘密 Feed

2010年2月 2日 (火)

【補助線】プロジェクトのインテグリティ

◆リーダーの人間力

最近、人のインテグリティについて体系かつ、分析的に述べれた名著、ヘンリー・クラウドの「Integrity」の翻訳が出た。ビジネス書の杜にも紹介記事を書いたが、プロジェクトに関わるすべての人にとって、とても大切なことが書いてある本なので、ぜひ、一読をお奨めする。

リーダーの人間力
http://mat.lekumo.biz/books/2010/02/integrity.html

さて、この記事で書こうとすることは、人のインテグリティの話ではない。人に人間性というインテグリティが必要であるように、プロジェクトにもインテグリティが必要である。プロジェクトをインテグリティという目で見ていると、インテグリティのないプロジェクトは「大きな失敗」をすることも多いし、失敗しないまでも大きな成果は得られにくい。


ヘンリー・クラウドの本の解説を借りながら、プロジェクトのインテグリティについて考えてみたい。

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2010年1月27日 (水)

【補助線】プロジェクトマネジメントとプロジェクト管理

◆マネジャーとリーダーの違い

PM養成マガジンを始めたころに、「プロジェクト管理とプロジェクトマネジメントは違う」、「プロジェクトマネジャーがすべきことはプロジェクトマネジメントであってプロジェクト管理ではない」と言い続けてきた。それは言葉の遊びだと指摘されることも少なくなかったが、僕の中では明確な区別があった。そろそろ、区別を明確にしたいと思う。

これに関連する議論で、マネジャーとリーダーはどう違うかという議論がある。この議論は、古くから行われている。この議論のベースラインができたのは、ハーバード・ビジネススクールの名誉教授アブラハム・ザレズニック氏の論文
「マネジャーとリーダー:その似て非なる役割」
という論文だ。この論文はハーバードビジネスレビューに1977年に掲載され、当年のマッキンゼー賞を受賞し、大変有名な論文である。ザレズニック氏はマネジャーとリーダーはまったく別の人種であるとして、以下のような指摘をしている。

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2010年1月 5日 (火)

PMサプリ200:管理メカニズムと哲学を混乱してはならない(フルバージョン)

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管理のメカニズムを、本質や哲学と混乱してはいけない(フレデリック・テイラー)

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◆テイラーの科学的管理法

PMサプリもおかげさまで、今回で200話になる。200話ということで、少し、重みのある言葉を探して、見つけたのがこれだ。フレデリック・テイラーが1911年に著した「科学的管理法」からのフレーズである。

現代では、科学的管理法の評判は決してよいものではない。もっとも批判されているところは、人間を機械として扱っているという点だ。テイラーは科学的管理法の父と呼ばれるが、マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーは著書「マネジメント」の中でテイラーを以下のように称している。

テイラーは、労働の生産性を押し上げ、それによって労働者たちにまずまずの暮らしをさせたいと願ったわけだ

管理のメカニズムの本質とは労働の生産性の向上であり、労働によって得られる対価
を引き上げることであった。日単位の出来高払いの仕事の中で、労働者はテイラーの
科学的管理法の指導を受けて作業方法を変えることによって、生産性を向上すること
ができ、それによって従来よりははるかに多い報酬を手にすることができた。

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2009年12月 8日 (火)

【補助線】プロジェクトマネジャーのフォロワーシップ

◆フォロワーシップという考え方

「フォロワーシップ」という概念がある。くどくど説明するより、リーダーシップの逆の概念だと思ってもらうのがいいだろう。この概念は、1980年代に、リーダーシップの研究者だったロバート・ケリーが提唱し、1992年に「The Power of Followership」という本にまとめた。この本がバイブル的な位置づけになっている。

2~3年前から、日本でも着目する人が増えてきた。

ただ、リーダーシップが普及の初期において、「上司力」だと限定的に考えられていたように、現在のところ、「部下力」であると限定的に考えている人が多い。ロバート・ケリーが指摘しているように、リーダーシップがリーダーが目標とするものであるのに対して、フォロワーシップは「不快感」を与えるものである。従って、部下力と限定されているのではないかと思える。

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2009年12月 2日 (水)

【補助線】プロジェクトをみる3つの方法

◇プロジェクトの3つの見方

プロジェクト活動を企業にとって有意義なものにするためには、デザインにおいてプロジェクトに対して3つの見方をしてみる必要がある。その3つとは

(1)視座
(2)視野
(3)視点

である。

最初の視座とは、誰がどのような目的を達成するために実施するプロジェクトかという見方だ。二番目の視野とは、そのプロジェクトをどのような範囲、どのような時間で捉えるかという見方だ。三番目の視点はよく使われるとおり、そのプロジェクトにどのようにアプローチしていくか、言い換えると目標をどのように設定するかという見方だ。

現場のプロジェクトマネジメントでは、視点が重視されている。しかし、視座や視野も持ち込まないと、経営的な成果は上がらない。

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2009年11月24日 (火)

【補助線】「任せる」と「丸投げ」

◆実行責任と結果責任

「任せる」と「丸投げ」の違いがよく分かっていないマネジャーが少なくないことに愕然とすることがある。両者の違いは、「責任」の負い方にある。

任せるというのは、実行責任(業務プロセスに対する責任)は任された人が負い、結果責任は任せた人が負う。丸投げというのは、任せて結果責任も負わないことをいう。

レスポンシビリティとアカウンタビリティをきちんと分散するのが任せることで、双方を末端に押しつけることが丸投げだと言ってもよい。

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2009年11月 5日 (木)

【補助線】顧客視点とはプロダクトライフサイクルの視点

◆プロダクトライフサイクルとプロジェクト

先日、第6回のPMstyleスペシャルセミナーを開催した。テーマは戦略経営におけるプロジェクトマネジメントのあり方。

フロアディスカッションの中で、顧客視点の話が出てきた。いつものことながら、IT業の人たちは、プロダクトのライフサイクルについて考えているのだろうかという疑問を持つ。

顧客の要求をうまく引き出し、また、品質管理に全力を尽くし、顧客が満足するシステムを提供しましょう

という。これはすばらしいことだと思う。

だが、システムのライフサイクルを考えて見ると、短くとも5年、長ければ10年を超えるようなことも少なくない。すると、当然のことながら、5年~10年先にどのようなシステムが求められるかという議論が必要になる。必然的に、本当にこういう議論ができるのかという疑問が生じる。

今の時代、5年先に組織や業務が現状のままと思っているとしたら、危機感がないと怒られるのが関の山である。ましてや10年となると、なくなっていてもおかしくない。組織や事業が変われば多くの場合、システムに求められるものも変わる。

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2009年10月13日 (火)

【補助線】リスクを制約条件として捉える意味

◆制約条件は6つ

PMBOKのプロジェクトマネジメントの対象となる制約条件が、従来の3つ(4つ)から6つに変わった。

・スコープ
・品質
・スケジュール
・予算
・資源
・リスク

説明としては、これらの要素は相互に影響を与えるため、そのバランスが重要であるという説明にとどまっているが、なかなか、興味深いのは5つのベースラインに加えて、リスクが入っていることである。

他の5要素が変わるとリスクも変わるので、リスクも併せてどうするかを考えなさいといえば一見当たり前のように思えるが、実はそうでもない。

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2009年10月 8日 (木)

【補助線】プロジェクトマネジメントエグゼクティブ

◆プロジェクトマネジメントエグゼクティブとは

企業(組織マネジメント)には、エグゼクティブと呼ばれる人たちがいる。

エグゼクティブとは、組織運営に関して、「重要かつ決定的な意思決定を行っている人たち」で、一般的には上級管理職、経営幹部、重役などを指す言葉である。

これと同じようにプロジェクト(プロジェクトマネジメント)にもエグゼクティブと呼ばれる役割の人がいる。

プロジェクトマネジメントエグゼクティブの役割は

「プロジェクト運営に関する重要かつ決定的な意思決定を行っている人たち」

である。これは一体誰だろうか?

プロジェクトマネジャー?
プロジェクトマネジメントオフィス?
上位管理者?

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2009年10月 6日 (火)

【補助線】「目的を変えても仕事を続ける」謎

◆ダムを造ることが目的なら、プロジェクトを中止する理由はない

ダム建設中止の是非が大きな問題になってきた。住民は、今の「中止ありき」で協議をしていくという方法に激しく反発している。

ダムのプロジェクトではダムを造ること自体を目的にしているわけではない。たとえば、熊本の川辺川の場合だと、ダムを造る目的には、治水、水源(かんがい)、発電の3つの目的があるとされる。時代が経てば、状況が変わり、目的が消失することがある。当たり前の話だ。3つある目的のうちの治水だけが残っている。

当然、投資対効果が変わってくるし、目的が変わるということはプロジェクトとしては仕切り直しをすることを意味する。しかし、仕切り直しをすることなく、40年継続された

この問題の構図ははっきりしている。戦略的にプロジェクトを進めようとせず、「実行ありき」なのだ。目的というのはある意味でどうでもいいのだ。ある意味というのは、必要ないというとではない。「実行ありき」で、目的は実行するための「理由」に過ぎないということだ。従って目的が変われば、仕切り直しするという理由はない。

つまり結果としてか、確信犯かは別にして、ダムを建設すること自体が目的だったということになる。

よく走り出したプロジェクトは中止できないというが、目的が「ダムを造ること」だとすれば、中止する理由などないわけである。この点をよく押さえておいてほしい。

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。