パフォーマンスコンサルティング Feed

2011年7月25日 (月)

PMO2.0のためのパフォーマンスコンサルティング入門(6)~パフォーマンスコンサルティングの問題解決プロセス(後)

◆はじめに

前回は、パフォーマンスコンサルティングの問題解決プロセスのSTEP1として

・ビジネス成果のあるべき姿
・パフォーマンスのあるべき姿

について述べた。次のステップは、現状を分析し、ビジネス成果とパフォーマンスのギャップを明確にすることである。

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2011年7月 4日 (月)

PMO2.0のためのパフォーマンスコンサルティング入門(5)~パフォーマンスコンサルティングの問題解決プロセス(前)

◆これまでの振り返り

第3回にパフォーマンスコンサルティングにおける問題解決(改善)の視点として、

(1)ビジネスニーズ
(2)パフォーマンスニーズ
(3)能力ニーズ
(4)環境ニーズ

の4つがあるという話をした。また、第4回では、問題解決の視座として、

・プロセスレベル
・戦術レベル
・戦略レベル

の3つがありうるという話をした。

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2011年6月13日 (月)

PMO2.0のためのパフォーマンスコンサルティング入門(4)~組織の不条理と戦う

◆問題をどう見るか

前回、コミュニケーションの事例に基づき、パフォーマンス改善には

(1)ビジネスニーズ
(2)パフォーマンスニーズ
(3)能力ニーズ
(4)環境ニーズ

の4種類の視点(ニーズ)があり、どこがもっとも重要なニーズであるかを見極め、そのニーズに対して手を打っていく必要があることを説明した。

しかし、この話はそんなに単純な話ではない。仮に、事業部長がPMOに相談したとしても、必ずしも、事業部長の言い分だけを聞いておけばよいとはならない。研修とパフォーマンスコンサルティングの違いはこれまでに述べてきたが、この違いは単に活動の違いだけではなく、問題の見方、言い換えると問題のオーナーの違いでもある。

実は前回のコミュニケーションの問題もそうだが、組織は問題が発生したときに、「下」の問題だと考えたがる。たとえば、コミュニケーションが悪ければ、現場のメンバーのコミュニケーションスキルの問題だと考えがちである。そもそも論をいえば、プロジェクトマネジメント自体、たとえば、納期の問題とか、品質の問題を現場の問題だと考えたから、導入されたものだ。

しかし、前回も述べたように、問題のとらえ方が不適切であればいくら一生懸命、問題を解決しても、本質的な問題は解決しないし、本当の問題が別の問題を引き起こすだけだ。実際に、プロジェクトマネジメントの導入はそのような失敗をしている。

これはガバナンスやメンツやいろいろな要素が絡む組織の不条理だと思うが、パフォーマンスコンサルティングではこの不条理に切り込んでいく必要がある。

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2011年6月 6日 (月)

PMO2.0のためのパフォーマンスコンサルティング入門(3)~パフォーマンスコンサルティング流問題解決事例

◆顧客とのコミュニケーションが悪い!→研修をやろう!

まず、現実問題としてどのような対象をしているか。一つの事例を紹介する。

IT業界でプロジェクトマネジメントが定着し始めたころから、認識が高まってきた問題に、顧客からシステムの仕様やプロジェクトの運用に関する顧客の要望(プロジェクト要求)をうまく聞き出せず、プロジェクトの終盤になって認識が異なるという問題が発生し、プロジェクトが窮地に追い込まれるという問題がある。この問題への対処をパフォーマンスコンサルティングの観点から考えてみよう。

このような問題を抱えるある企業の事業部門は、この問題を顧客とのコミュニケーション、特に上流工程で、顧客とのコミュニケーションに問題があると考え、コミュニケーションの改善を目的とした研修を実施した。

残念ながら、この部門では問題が解決されたとは言い難い結果に終わった。研修プログラムに問題があると考え、数回改善をしたが、目立った効果もなかった。

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2011年5月23日 (月)

PMO2.0のためのパフォーマンスコンサルティング入門(2)~パフォーマンスコンサルティングと研修の違い

◆パフォーマンスコンサルティングの背景

前回は、パフォーマンスコンサルティングのさわりと、PMOがパフォーマンスコンサルティングを展開せよという主張をした。さっそく、いくつかのクライアント企業、特に研修をやらせていただいている企業でも話題になった。facebookでも何人からかコメントをもらった。大枠では共感するところが多かったようである。

ただ、この議論で研修との比較にどうしてこだわるかという意見もあった。確かに日本の現場の優秀さは研修による育成の成果とは言い難い部分がある。いわゆる「人創り」と呼ばれる現場密着型の活動で優秀な人材を育ててきたという過去がある。

これは的を得た指摘であるし、欧米でパフォーマンスコンサルティングという発想が出てきた背景の一つはそこにあると著者も考えている。しかし、そういう時代ではなくなったということだ。

一言でいえばそういう時代ではなくなった。最大の原因は成果主義だろう。二番目はリストラ。成果主義では仕事の中で人を育てるのは難しい。ただでさえ難しいのに、加えて人を減らしており、人を育てる余裕もない。

そのような経営環境では、人を育てるのはトレーニングに頼るしかない。しかし、前回も述べたように単純にトレーニングをしても人は育たない。ここが「パフォーマンスコンサルティング必要論」のスタート地点である。そして、パフォーマンスコンサルティングは人を育てることによりパフォーマンス上の問題を解決する方法である。

したがって、「いや、違う。まだ、うちの会社では、仕事の中で人を育てながら、かつ、競争力を持つ(=成果を出す)ことができている」という組織であれば、パフォーマンスコンサルティングなど必要はないし、本音を言えばそれが望ましい姿であるとも思う。

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2011年5月 9日 (月)

【新連載】PMO2.0のためのパフォーマンスコンサルティング入門(1)~PMO2.0はパフォーマンスコンサルティング部門を目指せ!

Pc ◆パフォーマンスコンサルティングとは

これまでプロジェクトマネジメントが定着し、これまで定着化を推進をしてきたPMOの役割が改めて問われるようになってきた。昨年末から調査したところでは、弊社がPMOの設立やプロジェクトマネジメントの導入を手掛けてきた企業の50%強の企業で、なんらかの形でPMOのリストラが行われている。

PMstyleでは、定着化・標準化の役割を終え、次の段階を目指すPMOをPMO2.0と呼んでいる。そして、PMO2.0の一つのあり方として、パフォーマンスコンサルティング部門になることを提唱している。

パフォーマンスコンサルティングは日本ではあまり知られていないが、ASTD(American Society for Training & Development)など、人材開発に関する国際会議ではトラックが設定されるようなメジャーな分野である。

パフォーマンスコンサルティングとは

人にかかわる問題の適切なソリューションを見つけ出し、実行し、効果測定をするまでの一連のプロセス

だと定義される。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。