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2017年1月11日 (水)

【イノベーション戦略ノート:109】ビーイング・コンセプチュアルでイノベーションを!

バックナンバー http://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
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◆イノベーションが当たり前の時代に

この1~2年でイノベーションに対する認識が大きく変わってきたように思う。どのように変わったかというと、「特別なこと」から「当たり前のこと」になってきた。そのように感じることが増えてきた。

クライアントと話をしていても、新しいことをすることを前提で話をすることが増えてきた。素晴らしいことだが、では実際にどのようにアプローチするのかというとこ
ろは組織により試行錯誤していることが多い。

その中で提案したいのは「ビーイング・コンセプチュアル」であることだ。詳しくはこちらの記事を読んで欲しい。

【PMスタイル考】第104話:ビーイング・コンセプチュアル
http://mat.lekumo.biz/pmstyle/2015/08/post-8c42.html



◆ビーイング・コンセプチュアル

ビーイング・コンセプチュアルとは、常にコンセプチュアル、つまり

「見えないものを把握し、価値を判断し、全体を描き、思考や行動をすること」

であろうということだ。このためには、

・創造力:ゼロから創り出す力
・エンパシー:他人の感情や問題への理解能力
・直観力:事実分析能力よりもむしろ感情に基づいた理解力や認識力

といった力が必要である。


◆なぜ、新しいアイデアが生まれないのか

ビーイング・コンセプチュアルでどのようにイノベーションを起こすかを考える前に、なぜ、新しいことが考えられないのかと考えてみたい。それは、論理性や客観性へのこだわりがあるからだ。つまり、

・誰もが賛成するアイデアを求める
・論理的に正しい答えを求める
・既存のアイデアをベースにして考える

といった思考をする傾向がある。こういう束縛がある限り、新しいアイデアは出てこないだろう。もちろん、論理性や客観性が不要などと言っているわけではないが、、、

たとえば、論理的に考えて全く市場がない商品を直感だけで開発してみても売れないことは明らかだ。過去にはこれで痛い目にあった人は少なくないだろう。自分がこんな商品が欲しいと思って開発しても、他の人がまったく欲しがらなければ商品は売れない。この手の話、直感とか自分が欲しかったとかいう話は当たれば目立つし、大ヒットする 傾向もあるのでもてはやさるが、冷静に考えれば、失敗の率は高くなることはすぐに分かる。


◆直観や主観を重視する

魚のいないところに釣り糸を垂れても大物どころか、魚は釣れないわけで、大物を釣ろうとおもえば、まず、魚がいそうなところを探すことだ。これが、論理性や、客観性の役割だといってもよい。

問題は、ここからで、どんな餌をつけるのか、どのあたりの深さを狙うのかは論理的に考えていても人と同じ答えしか出てこない。ここで、必要なのは直観であり、主観である。

つまり、論理や客観の中に主観や直観を取り込んだ思考をする必要がある。つまり、ビーイング・コンセプチュアルなのだ。そうすると、

イノベーション:主観、直感
オペレーション:客観、論理

として実現されていくだろう。


◆例

一つの例として、スマートフォンを考えてみよう。ユーザが何を欲しがっているか、何が実現できるかをきちんと分析し、客観的にバランスを取ると、あまり魅力のない日本のメーカーが作るようなスマートフォンになる。

これに対して、アップルの作り方はよく計算されている。スティーブ・ジョブズは初代のiPhoneのプレゼンで電話を再発明したと宣言したが、この部分が客観であり、論理だ。携帯電話には市場がある。その上で、主観、直感でまったく新しい携帯電話を考え、イノベーションを起こしている。つまり、ジョブスはコンセプチュアル思考をしていたのだ。

ジョブズの有名な言葉に、ユーザは自分が何を欲しいか知らないという言葉があるが、この言葉の意味するところは、主観、直観で決めるイノベーションの部分について、欲しい部分を知らないという意味だ。

ただし、直観、主観への拘りだけでやっているわけではないことは明らかだ。アップルの開発方法で興味深いのは、エンジニアは優秀だが、客観、論理で動いている。そこに、主観、直感によるジョブズのアイデアが降りてくるわけだ。

ジョブズの要求をエンジニアは客観、論理に基づき、設計する。それに対して、ジョブズが直観や主観に基づき不十分なところを再度要求をする。つまり、チームとしてビーイング・コンセプチュアルなのだ。


◆主観と直観がイノベーションを生み出す

このようなやり取りによって、オペレーションの領域(客観、論理)と、イノベーション(直観、主観)の領域の間で行き来をし、最終的に製品の仕様が決まっていく。まさに、コンセプチュアルな製品開発だといってよいだろう。

このように主観と客観、論理と直観が組み合わされて初めてイノベーション、新しいものが生まれる。イノベーションにこういう認識を持たない組織からはイノベーションは生まれない。


◆関連セミナー

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  【カリキュラム】                     
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  3.洞察力を高める
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┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

もう一つは、コンセプチュアルスキルのベースになる「コンセプチュアル思考」を学ぶ講座です。

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  場所:ちよだプラットフォームスクウェア(東京都千代田区)
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_thinking.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  【カリキュラム】                     
  1.思考をコンセプチュアルにする思考法
  2.思考をコンセプチュアルにする思考ツール
  3.コンセプチュアルな思考を妨げるもの 
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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。