【イノベーション戦略ノート:069】イノベーションと好奇心
バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆イノベーションの推進力は野心と好奇心
イノベーションという言葉には価値創造という言葉をつけて考えるので分かったようでわからない言葉になっているが、もう少し簡単にいえば
ものごとを変える方法を「新しく」考えること
である。
このように考えたときにイノベーションにとってもっとも重要なことを一つ上げるとすれば、「好奇心」だと思う。日本のエンジニアが非常に優秀なのは好奇心が強い人が多いからである。ついでにいえば、これまでに付き合ったことのある米国のエンジニアでは好奇心より野心が強い人が多いように思う。
昨年、ノーベル賞を取った中村修二先生に対して日本人がもろ手を挙げて評価しないのは彼からは好奇心より、野心を感じるからだろう。彼の著作を読んでいると好奇心がないとは思わないが、同時にノーベル賞を受賞した2名の先生と比べると、研究の推進力の割合として野心の方が大きいと思う。
ただ、今回10年ぶりくらいにマスコミに大量露出したのを見て感じたのは、だいぶ、好奇心の割合がだいぶ増えてきたなということだった。
誤解のないように言っておくが、野心といっているのはイコール私利私欲ではないし、誰かに勝つことでもない。
たとえば、世界の人を貧困から解放したいというのも野心だし、戦争のない世界を作りたいというのも野心である。これらがイノベーションの推進力になっているケースは多い。
最近のコメント