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◆ニーズに聞いても分からない
ニーズをウォンツは違うという話は30年前からある話だが、ここにきてまた、話題になることが多くなった。それは、デザインや行動観察に関心が高まってきたためだ。
昔からある話は、ニーズは顧客やユーザに尋ねるものではない。開発者が考えるものだ。という話。考える方法の一つに市場調査があった。市場調査をして、その結果からニーズを分析する。
ところが、特定の状況を除いて市場調査には極めて高い想像力が必要である。特定の状況と書いたのは、後追いをする状況である。後追いをする分には、先行の商品の機能やせいぜい改善的プラスアルファを調査範囲にしておけばよい。
ところがトップを走りだすとそうはいかない。ゼロから新しいものを考えることになる。すると、市場の調査の範囲も想像(創造?)しなくてはならなくなる。日本の多くの企業はまず、ここで躓いたように思う。
そこで、始めたのが顧客の声を聞くという話。市場ではなく、個々の顧客をインタビューなどで聞くようになった。
ここで問題になるのが何を聞くかである。ニーズを聞いても答えは返ってこない。たとえば、顧客にどんなクルマが欲しいですかと答えは返ってこない。当然のことだ。
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