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2014年6月

2014年6月30日 (月)

【イノベーション戦略ノート:032】良い失敗と悪い失敗

バックナンバー http://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
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◆組織における3種の失敗

Sippai

イノベーションにおける失敗について語られるときに、良い失敗(意味のある失敗)と悪い失敗(意味のない失敗)という言葉が出てくる。今回の戦略ノートは、失敗の意味について考えてみた。

失敗の区分についてはいろいろな言及があるが、「最も影響力のある経営思想家」50人に選ばれた組織学習の専門家であるハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授は、組織における失敗には

(1)予防できる失敗
(2)複雑さに起因する失敗
(3)「知的な失敗」

の3つがあると指摘している。この区分がもっともしっくりくる。

※「安心して失敗できる組織をつくる 失敗に学ぶ経営」(ダイヤモンド・ハーバードビジネスレビュー、2011年7月号)

予防できる失敗とは、不注意や不勉強による失敗である。複雑さに起因する失敗とは、業務プロセスやタスクの複雑さ、難しさに起因する失敗である。このような失敗は(1)の失敗とは異なり、避けることは難しい。

イノベーションにおいて重要なのは、(3)の知的な失敗である。知的な失敗というのは、デューク大学のシム・シトキン教授の造った言葉だ。



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2014年6月25日 (水)

【イノベーション戦略ノート:031】自分の使いたいものを作る

バックナンバー http://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
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◆イノベーションをめぐる2つの考え方

Yokubou

イノベーションは生活者の観察から見とれるニーズから生まれる

という考え方をする人が増えてきた一方で、

イノベーションは市場ニーズを知り、顧客ニーズを知るところからは起こらない

と考える人もいる。どちらが正しいのだろうか。

たとえば、アップルで世紀初頭にして、世紀のイノベーション「スマートフォン」を実現したスティーブ・ジョブズは

・顧客は自分たちが何をほしいか知らない
・自分が使いたいものを作る

といった発言をしている。つまり、後者の立場をとっている。

もう一つ例を上げると、ソニーの伝説の開発者でエアボードを開発した前田悟氏は自著「ソニーの伝説の技術者が教えるイノベーションの起こしかた」(中経出版、2014)において、

ソニーには自分がほしくなる商品を作れという文化がある

と言っている。この2つのイノベーションに共通するのはコンセプトの斬新さである。



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2014年6月24日 (火)

【ブックレビュー】33の法則 イノベーション成功と失敗の理由

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オリヴァー・ガスマン、サシャ・フリージケ(山内 めぐみ、黒川 亜矢子訳)「33の法則 イノベーション成功と失敗の理由」、さくら舎(2014)

教授、学者として活躍する二人の著者が、BMW、メルセデス・ベンツなどのドイツ企業の実例、日本やアメリカ企業のイノベーション、その他グローバルに進化し続ける企業の成功の秘訣を分析した一冊。


大きなテーマは、なぜ、大抵の企業は、似たり寄ったりの製品を提供してしまうのか? イノベーションの失敗と成功を分けるものは何か?

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2014年6月18日 (水)

【ブックレビュー】「ひらめき」を生む技術

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伊藤 穰一(狩野 綾子訳)「「ひらめき」を生む技術 (角川EPUB選書)」、KADOKAWA/角川学芸出版(2013)

MITメディアラボで伊藤穣一所長が自分の人脈をつなぎ各界の第一線で活躍するスペシャリスト達を呼んで、学生たちの前でディスカッションする「カンバセーション・シリーズ」の中から、伊藤さん自身が対談した4名の対談録に、伊藤さんの解説をつけた本。

刺激を受けるという点においては、まれにみる一冊だ。


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2014年6月17日 (火)

【ブックレビュー】オーケストラ・モデル 多様な個性から組織の調和を創るマネジメント

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クリスティアン・ガンシュ(シドラ房子訳)「オーケストラ・モデル 多様な個性から組織の調和を創るマネジメント」、阪急コミュニケーションズ(2014)

オーケストラ組織はよく企業組織のモデルになるといわれる。指揮者や奏者はプロフェッショナル中のプロフェッショナルであり、癖も個性もある。そのようなプロフェッショナルが集まって、一つの統一されつつも、魅力のある音楽を生み出す組織というのは、ある意味で企業組織の理想だからだ。

古くはリーダーシップについて述べたオルフェウスプロセスが話題になった。

ハーヴェイ・セイフター、ピーター・エコノミー(鈴木 主税訳)「オルフェウスプロセス―指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント」、角川書店(2002)

最近では、山岸 淳子さんの「ドラッカーとオーケストラの組織論」があるが、これらの本はオーケストラの知識がないとなかなか手ごわい。この本は、オーケストラとビジネスを対比させながら書かれているので、これらに比べると読みやすい。

著者は、オーケストラの奏者、さまざまな国での指揮者、音楽プロデューサーといろいろな立場を経験し、さらにはオーケストラ型の組織を企業に導入するコンサルティングや講演を行っているクリスティアン・ガンシュ。自分の経験に基づくオーケストラ・モデルを紹介しながら、企業組織にどのように取り入れていけばよいかを解説している。テーマは多様性と統一性。

オーケストラは見たとおり、プロフェッショナルな奏者の集まりで、明確な役割と厳格なヒエラルキーがある組織で統一性が要求される。一方で多様性がないと演奏はつまらないものになる。この二律背反をどのように克服しているかがこの本を読むとよく分かる。

今、大企業で硬直した組織を乗り越え、イノベーションを興すためのチームが注目されているが、大企業と同じ前提が多いオーケストラのやり方は非常に参考になる。

ある企業の幹部が

「オーケストラ全体の調和、実に見事だ。当たり前のように一つにまとまって。うちの会社はどうしてこんな風に統一がとれないのだろう」

とつぶやいたそうだ。このつぶやきにオーケストラの本質がある。その本質を追求した本である。

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2014年6月16日 (月)

【プロジェクトマネジメントをコンセプチュアルにしよう!】第2回 PMBOK(R)とコンセプチュアルスキル 

バックナンバーはこちら http://mat.lekumo.biz/ppf/conceptual_pm/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆はじめに

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前回

コンセプチュアルスキルがプロジェクトマネジメントにどのように役立つか

という問いについて


(1)PMBOK(R)を実行するにはコンセプチュアルスキルが不可欠
(2)プロジェクトで起こりそうな問題を予測する
(3)実行できる計画を作る
(4)プロマネやエンジニアとしての過去の経験を活かす
(5)トラブル発生時の厳しい制約の中で、創造性に富んだリカバリーのアイデアを出す
(6)コミュニケーションを向上させる
(7)プロジェクトのインパクトを大きくする

の7つのポイントを上げた。今回から何回かに分けて、それぞれについて詳しく検討していこう。まず、今回は(1)のPMBOK(R)の実行について。

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2014年6月14日 (土)

【ブックレビュー】君に友だちはいらない

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瀧本 哲史「君に友だちはいらない」、講談社(2013)

マッキンゼー仕込みのチームマネジメントの実践経験を通じて、チームマネジメントのあり方を書いた本。良いチームはたいてい


・小人数である
・メンバーが互いに補完的なスキルを有する
・共通の目的とその達成に責任を持つ
・問題解決のためのアプローチの方法を共有している
・メンバーの相互責任がある

という性質を持っているとし、その実現方法を述べた一冊。

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。