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2014年4月

2014年4月28日 (月)

【戦略ノート308】今求められている「プロジェクト・イニシアチブ」とは何か<プロジェクト・イニシアチブ>

Human◆プロジェクト・イニシアチブ

戦略ノート306にプロジェクトマネジメントからプロジェクトへという記事を書いた。この中で、プロジェクトのポイントになるのはデザインで、そのためのツールとしてパターンランゲージがキーになるだろうと述べた。

PMstyleでは今年度のテーマを

「プロジェクト・イニシアチブ」

とし、戦略ノート306に書いたようなことに着手した。今回は戦略ノートでも今後の話のベースになるプロジェクト・イニシアチブという概念を説明しておきたい。




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2014年4月26日 (土)

【ブックレビュー】独裁力 ビジネスパーソンのための権力学入門

4799314777木谷哲夫「独裁力 ビジネスパーソンのための権力学入門」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2014)

日本企業は現場力が卓越している、ものごとを決めない、ボトムアップの意思決定をする、擦り合わせや話し合いでものごとを進めていくといった評価があるが、共通しているのは権力を嫌うことだ。本書の帯に権力アレルギーという言葉が出ているが、おそらく、なぜ権力が嫌いですかと聞いても、10人中の9人は答えられないのではないかと思う。要するに権力はよくないものだという思考停止を起こしているし、考えることすらタブー視している。

しかし、ここにきてこのようなやり方に限界が出てきている。日本的なやり方の最大のメリットは多くの人が意思決定に参加するため実行性が高まることである。ところが、今は意思決定にも実行にもスピードが求められている。そこで改めて考えさせられるのが、権力の使い方である。この本は、権力に対する正しい認識と権力の構築、使い方をやさしく述べた一冊である。


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2014年4月21日 (月)

【イノベーション戦略ノート:028】50%の性能を15%の価格で提供する意味

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
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◆挑発する質問

Taki先日開催した「イノベーティブリーダーのための質問力」セミナーの中で、以下のような質問を紹介した。

・顧客の可処分所得が半分になったら、自社の製品やサービスをどのように変えるだろうか

・通信インフラがなかったとすれば、自社の製品やサービスをどのように変えるだろうか

・空輸ができなくなったら、商売の方法をどう変えるべきだろう

お気づきの方も多いと思うが、これは新興国を想定した質問である。

たとえば、新興国では、所得レベルが低いので、先進国に比べると極端に安い商品を求める。有名なのはインドにおけるタタ自動車やノキアの携帯電話だ。タタ自動車は20万円もしないような自動車を作った。ノキアは2~3千円の携帯を作り、一部のユーザには数百円で買えるようにした。いずれもインドでは60%のシェアをとった。

あるいは、新興国には先進国のようなインフラはない。インフラが必要な製品を売ろうとすればインフラを作ってからという発想ではビジネスにならない。

そこで、現状のインフラを前提にして製品を見直すということになる。たとえば、インドでは電力供給が不安定で、医療インフラが未発達だった。そこでGEヘルスケアは電力供給が不安定でも使える携帯型の心電計を開発した。


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2014年4月15日 (火)

【イノベーション戦略ノート:027】続・イノベーションのエンジン

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
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◆真のチームの条件

Tayo_2

前回はイノベーションのためには、効率を犠牲にしてでも多様性のあるチームの必要であることについて述べた。そして車でいえば多様性がエンジンでイノベーションの成果を上げるにはターボチャージャーをつけなくてはならない。


【イノベーション戦略ノート:026】イノベーションのエンジン

今回はこの点について説明する。


「真のチーム」という言葉がある。これはチームに関する世界一の識者だといってもよい、マッキンゼーのパートナーのョン・カッツェンバックが提唱する概念である。ジョン・カッツェンバックは膨大な高業績を上げているチームを調査し、真のチームの条件として


(1)少人数である
(2)メンバーが互いに補完的なスキルを有する
(3)共通の目的の達成に責任を持つ
(4)問題解決のためのアプローチの方法を共有している
(5)メンバーの相互責任がある

の5つがあるとしている。前回の多様性の議論は、(2)に相当しているが、それ以外について説明していこう。


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【ブックレビュー】世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方

440845494x久世 浩司「世界のエリートがIQ・学歴よりも重視! 「レジリエンス」の鍛え方」、実業之日本社(2014)

レジリエンストレーニングの歴史は古いが、そこに新たに、認知行動療法、ポジティブ心理学、PTG(心的外傷後の成長)の研究・手法を統合し、欧州で生み出された第2世代のトレーニング法について紹介した一冊。

トレーニングの紹介の前にレジリエンスそのものについても解説されており、個人レベルのレジリエンスの入門書としても適した内容になっている。


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2014年4月14日 (月)

【ブックレビュー】ソニー伝説の技術者が教える「イノベーション」の起こしかた

4046001674前田悟『ソニー伝説の技術者が教える「イノベーション」の起こしかた』、ADOKAWA/中経出版(2014)

ソニーでエアボードの開発をした伝説の技術者、前田悟さんの経験的イノベーション論。技術者がイノベーションを手掛けるときに、何を考え、どのように進めればよいかを「ルール」、「プロセス」、「チーム」の3つの視点からまとめ、最後にイノベーションを起こすための鍛え方について論じている。製品開発に携わる技術者必読の一冊。

また、非技術系のマネジャーにとっては、優秀な技術者がどのような発想をするかが手に取るように分かる貴重な一冊。


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2014年4月 6日 (日)

【戦略ノート307】プロジェクトにおけるレジリエンス

Rejiru◆普及してきたレジリエンス

レジリエンスという概念がある。東日本大震災のあと、メルマガの配信をしばらく休んでいたが、復活第1号(通算942号)から「難局を乗り切るマネジメントとリーダーシップ」というシリーズを書き、真っ先に取り上げたのがこの話だ。

【戦略ノート247】難局を乗り切るマネジメントとリーダーシップ(1)~レジリエンスを高める


それから3年になるが、当時は一般にはあまり知られていない概念だったレジリエンスがかなり知られるようになってきている。レジリエンスを高めるトレーニングの本も見かけるようになった。



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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。