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2013年10月20日 (日)

【プロジェクトの補助線ワークショップ】みんなのイノベーション

Minnaプロジェクトの補助線の 好川哲人 です。こんにちは。

今日は「プロジェクトの補助線」メルマガセミナー第一弾のご案内です。プロジェクトの補助線は、イノベーションをメインテーマにした本誌、プロジェクトマネジメントをメインテーマにしたPM養成マガジン、マネジメントとリーダーシップをメインにしPMstyle Mailの3つのメルマガの合同メルマガで、今年度からセミナーをやることにしました。

今年度はイノベーション・イニシアチブからはイノベーションの自分ゴトをテーマにした「みんなのイノベーション」をやります。このメールではセブンイレブンの事例を紹介し、イノベーションの自分ゴト化の必要性をお伝えしたいと思います。


今や、コンビニ・スーパー業界で一人勝ちしているセブンイレブンですが、セブンイレブンといえば、データに基づく経営を徹底している企業として有名です が、もう一つの顔がイノベーティブな企業としての顔です。今、新規のセブンイレブンの店舗にいくと、どの棚も半分くらいはPB(自社ブランド)商品になっ ていますのですごい商品開発力ですが、商品だけではなく業務の仕組みのイノベーションでも有名です。

特に、店舗在庫管理で多くのユーザーイノベーションを起こしています。

そ のスタートになったのが、商品バーコードを使った納品リストの検品の仕組みです。コンビニでは商品の70%が1年以内に新商品に入れ替わるといわれます。 また、従業員もバイトが中心ですので、入れ替わりが激しくなります。そのような背景があって、納品リストにある商品名がどの商品なのかを探すのに苦労し、 検品に時間がかかっていました。

そこで、検品用のスキャナーを開発し、商品についているバーコードをスキャンすれば商品名と発注量がスキャナーに表示されるようにしました。これで商品のパッケージと商品名を覚えなくても検品ができるようになったわけです。

実際にスキャナーを開発したベンダーにはこのコンセプトは思いもつかないものだったそうです。ユーザーならでは発想だったわけですが、この開発は検品にかかる時間を大幅に短縮し、画期的なイノベーションになりました。そして、他のコンビニにも広まっていきました。

こ のセブンイレブンの例をベンダーの立場と、セブンイレブンの店舗の従業員(ユーザー)の立場で考えてみてください。ユーザーの立場からすれば、業務上の問 題解決をするちょっとしたアイデアです。ベンダーの立場からみても、在庫管理の仕組みを作ったベンダーが気が付かないような仕組みではないように思えま す。自分たちの製品を使ったユーザーの業務を少し観察していれば、突合に長い時間がかかることはすぐに分かりますし、その問題を解決しようと思えば、既に レジでバーコードを使っているわけですからすぐに気づくでしょう。

あなたが、ベンダーの立場にしろ、ユーザーの立場にしろ、セブンイレブンの検品スキャナーのようなイノベーションのチャンスを逃しているのではないでしょうか?

なぜか。イノベーションを自分事として考えていないからです。

自分は決められたことをやるのに精いっぱいで、余計なことを考えている時間はないと思っている人は多いと思います。それはそのとおりだと思います。

しかし、もし、あなたがセブンイレブンの店長で、検品スキャナーを提案して採用されれば、一年後にはあなたの仕事は確実に楽になっているはずです。うまく行けば表彰ものですし、この仕組みを特許申請していれば、すごい報奨金を貰えたでしょう。

も しあなたがベンダーでセブンイレブン新規店の店舗在庫管理システム導入のプロジェクトマネジャーで、問題に気づいて検品スキャナーを顧客提案すれば、大規 模な追加発注になり、顧客から喜ばれ、間違いなく社長表彰でしょう。これは業務の範囲です。他のベンダーが気づいて売込みをかけられれば、店舗在庫管理シ ステムを盗られても仕方ないような問題になります。

セブンイレブンの例は1990年代の話ですが、イノベーションは製品やシステムの設計 の人たちの専売特許だった時代は終わり、日常的に行っている業務の中で、イノベーションが考えなくてはならない時代になっています。成熟した分野では技術 開発のような大上段からのイノベーションは起こりにくく、大きなイノベーションは小さなネタから起こるようになってきたのです。検品スキャナーの例は、ネ タとしては些細なものですが、コンビニ店舗だけで2万以上ありますし、検品に頭を悩ませている業界はたくさんありますので、大きな市場を生み出していま す。

そんな時代に生き延びていくための基本的な視点を持つセミナーです。コンセプトはタイトルの通り

「みんなのイノベーション」

です。自分なりのイノベーションと向き合うスタンスを見つけることが目的です。

なお、本セミナーでは、今話題のビジネスモデルキャンバスを使ったワークで進めていきますので、ビジネスモデルキャンパスを体験することもできます。

ひとつで二度おいしいプロジェクトの補助線セミナー「みんなのイノベーション」にぜひ、ご参加ください。

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 ◆みんなのイノベーション                   ◆(7PDU's)
  日時:2013年11月 09日(土)10:00-18:00(9:40受付開始)   
  場所:国際ファッションセンター(東京都墨田区)
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/innovation.htm
  主催:有限会社エム・アンド・ティ
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 【カリキュラム】
  1.イノベーションとは何か
  2.イノベーションの対象と事例
  (1)組織やプロセス
  (2)顧客へ提供するもの
  (3)顧客の体験
  3.イノベーションと定常業務をどのように位置づけるか
  4.イノベーションにおけるITの活用
  5.ワークショップ「自業務におけるイノベーション」を構想する
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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。