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2013年7月31日 (水)

【補助線】「例えば」、「具体的には」と「ひとことでいえば」

Mailメルマガを書きだしてずいぶんになるが、最初のころ戸惑っていたことがある。それは、コンサルタントという仕事をしている中で、どのように契約違反にならないように経験から学んだことを伝えるかだった。

そこで編み出した方法が

経験(具体)
 →(学び)
  →抽象化された経験
   →架空の経験(具体)

というものだ。このプロセスの中で、架空経験に落とす際のキーワードが、「例えば」と「具体的には」である。


初期のころ、いろいろな機会で読者に会うことがあり、メルマガについての話をしているとメルマガに対して、

(1)内容のレベルが高く、分かりやすい
(2)内容が具体的で分かりやすい
(3)内容が抽象的で分かりにくい
(4)あとで効いてくる

の4つくらいの評価カテゴリーがあることが分かった。

(1) は抽象的な記述で理解でき、具体的な記述を読んで確認をしている人。言い換えると、著者と同じ思考回路で読んでいる人だ。このカテゴリーの人はコンセプ チュアルスキルが高く、こちらもいろいろと学ぶことが多いユーザである。読者イベントに来てくれるのはだいたい、このカテゴリーの人だ。

(2) は具体的な記述のところをつなぎ合わせて読んでいる人。もちろん、抽象的な記述の部分も読んでいるのだと思うが、必ずしも理解できておらず、ぼんやりとし か分からないが、具体的な記述で分かったすべて分かったつもりになっている人(悪気があってのこのような表現をしているわけではありません)

(3)は抽象的な書き方は受け付けない人。なので、そのあとで具体的な記述を読んで抽象的な記述をなんとか理解しようとはしない人。そんなに多数派ではないが、かなりの割合でいる。

この中にさらに少数派であるが、自分は抽象的な書き方が大好きな人がいる。抽象的な書き方のむずかしさの一つは概念化するので、捉え方が人によって変わってくること。その思考のクセのようなものがあって、他人の思考のクセを受け入れられない人である。

(4)はとりあえず、抽象的な記述と具体的な記述をセットでメモリーに入れてしまう人。そのあと、自分の経験の中で、あれはそういうことだったのかと抽象的な記述の意味を理解していく。これも少数派であるが、そのような人に時々であった。

メルマガの執筆に慣れてくると、少し、違ったパターンをやりだした。事例をどこの企業の話か分からないようにして、具体的な話からはじめ、そこから抽象化するという方法である。

こ の場合のキーワードは、「ひとこといえば」である。このような方法をとるようになったのは、(3)の人たちに読ませるにはどうすればよいかと考えたから だ。結果は失敗だった。多くの人は、やはり、抽象化することを嫌うので、そこは読まない。まあ、具体的な話のところは読んでくれるので、一歩前進ではあっ た。

10年間で、クライアントのところでうちのことを書いていると言われたことも何度かあるが(だいたい、外れている)、クレームになったことはないので、一応、コンセプチュアルスキルはあるということだろう。

日常的にこの3つのワードを頻繁に使用すれば(口に出して言わなくてもよい)、コンセプチュアルスキルを身につける日常的なトレーニングになろうだろう。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。