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2013年4月

2013年4月22日 (月)

【イノベーションを生み出すマネジメント】第17話 失敗のジレンマとその解決法

Innovative ◆イノベーションは評価されない仕事?

前回、イノベーションプロジェクトの中止について話をしたが、中止をどのように扱うかというのと同じくらい難しい話が、「失敗」の話である。

イノベーションでは失敗を認めなくてはだめだという議論がある。観念的にはそのとおりなのだが、この話はそんなに単純な話ではない。失敗の仕方の問題で、全力を尽くして失敗したのと、適当にやって失敗したのでは全く意味が違う。適当というのは、自分がそこに投入できる時間の中で全力を尽くすという意味だと思ってほしい。

イノベーションのようなテーマをやるのに適当にやる人はいないだろうと思う人がいるようだが、これが実に多い。むしろ、適当にやる人の方が多いかもしれない。これは、評価の問題が絡んでくるが、イノベーションは難しさの割には評価されない一面がある。


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2013年4月19日 (金)

【イノベーションを生み出すマネジメント】第16話 プロジェクト中止の経済学~サンク・コストとオポティニティ・コスト

Innovative ◆ゲートがうまく機能しない理由

前回、ステージゲートの話をしたが、ステージゲートを導入している企業の話を聞いてみると、必ずしも、ステージゲートの理念通りに運用されているとは言い難い状況にあるという話をよく聞く。具体的にいえば、ゲートの評価が厳密に機能していない。

その理由が、プロジェクトを中止するプロセスがないことだ。この問題は別にイノベーションや製品開発に限ったことではなく、プロジェクトマネジメント全般の問題である。今回はこの問題について考えてみよう。

一般論として、イノベーションプロジェクトはアイデア出しから、実行段階に移るところでプロジェクトとして組織が承認して、予算をつけていることが多い。ステージゲートでいえば最初のアイデアの絞り込みゲート以前は予算をつけず、最初のゲートを通過したアイデアがプロジェクトをして予算をつけられる。

アイデア出しまでの取り扱いは多様である。もちろん、アイデアの段階からプロジェクトとしている組織もなくはないが、一般的ではない。部門の予算でまかなったり、15%ルールのように予算管理の俎上に載せないというやり方をしているところもある。

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2013年4月12日 (金)

【イノベーションを生み出すマネジメント】第15話 ステージゲート法

Innovative_3 ◆ステージゲート法

欧米の多くの企業がイノベーションの管理に採用しているのが、ステージゲートである。日本でもステージゲートを採用する企業が増えてきた。

ステージゲートという言葉は一般的な用語であるが、ステージゲートといえばロバート・クーパーのステージゲート法というくらい、代表的な手法だ(注)。日本でも、昨年やっと、ロバート・クーパーの翻訳が出版されたので、イノベーションのマネジメントをする立場の人は目を通しておくといいだろう。

ロバート・G・クーパー(浪江一公訳)「ステージゲート法――製造業のためのイノベーション・マネジメント」、 英治出版(2012)

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2013年4月 9日 (火)

【イノベーション戦略ノート:001】イノベーションは手段ではなく、目的である

バックナンバー http://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
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◆はじめに

Innovation1

「イノベーションの理論と実際」という連載の構想をしている中で、ある人とイノベーションに関してどんな情報提供がいいのだろうというやり取りをしていたら、PM養成マガジンの戦略ノートのような何でもありというスタイルがいいのではないかという話になった。確かにそうだと思い、連載のタイトルを本タイトルに変えた。

不思議なもので、タイトルを変えるだけで、いろいろな発想が湧いてくるものだ。

この連載はイノベーションに関して、さまざまな視点から考えたこと、感じていること、学んだことなどを、気の向くままに書いていこうと思う。

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センスのよいプロジェクトマネジャーの10の特徴~第5回(第4の特徴)「ポジティブである」

Sense_2◆はじめに

日本でプロジェクトマネジメントが注目されだしたころ、マネジメントと管理はどう違うのかという議論があった。今、どうなっているかというと、管理の色合いが強まってきて、マネジメントの色合いが褪せている。

この議論の不幸なのは、マネジメントか管理かという二項対立で考えてしまうことである。本来、管理というのはマネジメントの一つの活動であり、不可欠な活動である。二項対立で考えた瞬間に、管理があればマネジメントはいらないという話になって、マネジメントの活動はプロジェクトマネジャー個人のレベルの活動になってしまっている。

そして、プロジェクトマネジメントは多くの企業が「プロジェクト管理」と読んでいるように、文字通り、管理活動になっている企業が多い。そして、それまでに行っていた品質管理の活動に、リスクマネジメントというスパイスをかけたものになっている。

そして、プロジェクトマネジャーは、ひたすら、リスクマネジメントと品質マネジメントをやっている。

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2013年4月 5日 (金)

【プロジェクト活用講座】第2回 戦略実行にはどのようなプロジェクトが必要か

Project4 ◆戦略を3種類のプロジェクトで実行し、中期計画を達成する

プロジェクトを実施する最大の理由は戦略実行です。そして、戦略実行が必要な理由は事業計画(年度)や中期計画の達成というのが一般的です。

実はなんでもない話のようですが、中期計画や戦略が背景にあるというのは大きな意味があります。成長することを諦めた企業を別にすると、中期計画には成長目標が盛り込まれています。3年先の人員規模、売上、収益、ブランドなどの目標です。そして、当たり前の話ですが成長するということは、新しい能力を身につけるということです。

このためには業務的には、自分たちが持っていない技術を使った製品をつくるとか、新しいビジネスモデルを作るとか、新しい市場を開拓するとか、さまざまな業務が必要になります。つまり、前回説明したように、新規性のある仕事をしなくてはならないということなのです。それ故に、戦略実行においては、成長分の仕事はプロジェクトとして実行していくことが求められるのです。

では、実際に戦略実行においてはどんなプロジェクトが必要になるのでしょうか。簡単に整理してみます。

戦略実行のために必要なプロジェクトは、大きくは、業務革新プロジェクトと機能別革新プロジェクトに分けることができます。さらに細分化してみると、以下のようなプロジェクトとして戦略を実行します。

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【補助線】日本にチームは必要ないのか?

Term3_2今、ある農業法人におけるプロジェクトマネジメントの話をしている。まだ、お話できる段階ではないが、ちょっと面白いかもしれない。その中で出てきた話。

日本の農家は、戦後、小さな水田を持ち、用水を都合しあいながら、米を作ってきたそうだ。上流にある水田のオーナーは下流の水田に水が途切れないように用水に気を配るし 、下流側も心配する。しかし、決して、一つの水田にして、米をシェアしようという発想にはならないらしい。これって、農耕民族日本人のDNAなのだろうか?

この話を聞いて思い出したのが、チームマネジメントのグル「カッチェンバーグ」のいうチームとワーキンググループの話。

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2013年4月 2日 (火)

【イノベーション・リーダーシップ】第7話 トライブを率いる

Tribe ◆トライブとは

イノベーティブリーダーが活動しようとしたときに、真っ先に問題になるのが、リソースである。一人でできることは限られている。新しいことを興すときには常について回る話だが、社内のリソースは承認された活動とならないと割り当ててもらうことができない。社外のリソースを使うにも資金がない。

組織に所属して働く人がいろいろと考え、一人でできる範囲でアクションを起こすことができても、大抵はここで挫折をする。イノベーティブリーダーの活動もまた同じだ。

イノベーティブリーダーの活動の最初の難所を乗り越える方法として、「トライブ」という概念が注目される。トライブは部族という意味で、「トライブ」という本を書いた、セス・ゴーディンは

互いにつながり、リーダーとつながり、アイデアとつながった人々の集団

だと定義している。そして、2つのトライブの例を挙げている。

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センスのよいプロジェクトマネジャーの10の特徴~第4回(第3の特徴)「目的を明確に決め、目的にあったプロジェクトのコンセプトを考える」

Sense_2 ◆センスのない目的

前回は第2の特徴として、ステークホルダの期待を受けて、「自分の行動を他人の視点から振り返り、修正する」ことについて述べた。今回は、もう一度、ステークホルダの期待に応えるというテーマを、目的とコンセプトという観点から考えてみたい。

プロジェクトの目的を明確にして、プロジェクトを進めることについては、この5年くらいでずいぶん普及してきたように思う。しかし、プロジェクトの中で目的設定にこそ、プロジェクトマネジャーのセンスが現れる。

センスがないと思う目的の例を2つ挙げてみたい。一つは、ITなどの受注型のプロジェクトでよく見受ける目的で、「収益を上げる」という目的だ。二つ目は、開発型のプロジェクトでよく見かける「○○を開発する」という目的だ。

まず、前者から。どこがセンスがないと思うかと言えば、収益を上げることは前提であって目的ではないことだ。ここを取り違えている。

二つ目は、「○○を開発する」のも、プロジェクトの前提であって、目的ではない。センスのよいプロジェクトマネジャーは、開発の先に何があるのかを考える。

いずれの例も、ステークホルダが当たり前だと思っていることを達成できればよいと考え、その先まで達していないのだ。これは、ステークホルダの期待に応えることはできない。


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センスのよいプロジェクトマネジャーの10の特徴~第3回(第2の特徴)自分の行動を他人の視点から振り返り、修正する

Sense ◆期待に応えるには自分が与える影響を知ることが必要

前回期待を把握して、期待に応えるという話をしたが、期待に応えるためには、自分が相手に対してどういう影響を与えているかを適切に知ることが必要である。期待は把握できても、自分の与える影響を知らないと、良かれと思った行動が思わぬ事態を招くことがある。

そのような事態を防ぐためには、自分の行動を相手の立場から眺めてみて、問題があれば修正することだ。特に重要なことは相手の持っている「感情」と「前提」を相手の立場になって探してみることだ。


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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。