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2010年1月

2010年1月27日 (水)

【補助線】プロジェクトマネジメントとプロジェクト管理

◆マネジャーとリーダーの違い

PM養成マガジンを始めたころに、「プロジェクト管理とプロジェクトマネジメントは違う」、「プロジェクトマネジャーがすべきことはプロジェクトマネジメントであってプロジェクト管理ではない」と言い続けてきた。それは言葉の遊びだと指摘されることも少なくなかったが、僕の中では明確な区別があった。そろそろ、区別を明確にしたいと思う。

これに関連する議論で、マネジャーとリーダーはどう違うかという議論がある。この議論は、古くから行われている。この議論のベースラインができたのは、ハーバード・ビジネススクールの名誉教授アブラハム・ザレズニック氏の論文
「マネジャーとリーダー:その似て非なる役割」
という論文だ。この論文はハーバードビジネスレビューに1977年に掲載され、当年のマッキンゼー賞を受賞し、大変有名な論文である。ザレズニック氏はマネジャーとリーダーはまったく別の人種であるとして、以下のような指摘をしている。

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2010年1月26日 (火)

PMサプリ204:どんなプロジェクトでも調整を避けることはできない

修正や変更の生じないプロジェクトはない(平野暁臣、空間メディアプロデューサー)

◆平野暁臣さんのプロデュース論
◆プロジェクトの特徴
◆プロジェクトマネジャーの行動パターン
◆本質は何をみているかにある

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【補助線】プロジェクトライフサイクル考

◆構想・企画 → 売り込み・巻き込み → 実行 → 終結

プロジェクトマネジメントが定着するにつれて、プロジェクトライフサイクルに対する概念が曖昧になってきたように感じる。フェーズの並びがプロジェクトライフサイクルだという考え方にだんだんシフトしているような感じがする。

プロジェクトマネジメントでは、プロジェクトの開始(組織の承認)から終了までがプロジェクトライフサイクルである。プロジェクト側からみればそういうことなのだが、経営側から見れば、「プロジェクト立ち上げ」の準備というフェーズがある。プロジェクトの企画、あるいは構想である。

ガバナンス的にいえば、どんなプロジェクトでもこのフェーズはあり、重要である。

さらに、構想がまとまってきたら、売り込み、あるいは巻き込みのフェーズが必要である。プロジェクトメンバーとして、あるいは協力者としてステークホルダを巻き込んでいくフェーズである。このフェーズをきちんとやらないと、大きな成果を得ることは難しくなる。できる範囲でしかできないからだ。

そして、プロジェクトの実施のめどが立てば、プロジェクトは実行のフェーズに移る。ここでは、プロジェクトのプラニング作業を行い、策定した計画に従ってプロジェクトを進めて行く。

最後は、終結。プロジェクトの成果をしかるべき人に引き渡す。プロジェクトでやってきたことに意義を持たせるためにはここが大切である。IT業界では、「動かないコンピュータ」という言葉がある。せっかくシステムを作ったのに動かないのでは、それがいくらすばらしいシステムでも一文の価値もない。終結というのは終わりではなく、プロジェクトの成果が会社や顧客、世の中に貢献する「始まり」である。「始まり」はしっかりとする必要がある。

このようにプロジェクトライフサイクルは

構想・企画 → 売り込み・巻き込み → 実行 → 終結

が一般的である。

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2010年1月19日 (火)

PMサプリ203:目の前の仕事を処理することは手段に過ぎない

目の前の仕事を処理することは手段に過ぎない(柴田昌治、プロセスデザイナー)

◆仕事の最終目的は何か
◆解決策は「深く考える」こと
◆悪化するプロジェクト環境とその対応
◆プロジェクトマネジャーだけでは「考えは深まらない」
◆プロジェクトの目的を上司と一緒に考えよう!

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2010年1月 7日 (木)

PMサプリ202:何が目的か、何を実現しようとしているか、なぜ行うかを問う

知識労働の生産性の向上を図るうえで問うべきは、何が目的か、何を実現しようとしているか、なぜ行うかである(ピーター・ドラッカー)


◆仕分けの視座
◆「無駄はない」という主張
◆プロジェクト仕分け!?
◆視座が違えば、合理性が無駄になる
◆知識労働の無駄排除には仕分けが有効!

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【補助線】仕分けの本質

◆何故世界一じゃなければダメなんですか?

昨年、あるプロフェッショナルエンジニアの電子コミュニティに事業仕分けについてのストレートな意見を書いたら、ぼろくそに言われた。ブログに書くと収拾がつかなくなるかもしれないという不安で控えていたが、そろそろ、ほとぼりが冷めてきたので、この話題を解禁することにした。

何故世界一じゃなければダメなんですか?2位ではダメなんですか?

次世代スーパーコンピューターの開発を巡る事業仕分けでの、仕分け人の発言だ。

仕分け人は、「有識者」から、袋叩きにあった。「歴史という法廷に立つ覚悟があるのか」とまで言われた。結局、予算案では、40億円減の228億円で決着。

仕分けに対して否定的な意見を聞いていると事業仕分けがやろうとしていることに誤解があるのではないかと思う。事業仕分けでやろうとしていることは、専門的な議論ではない。マネジメントである。

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2010年1月 5日 (火)

【プロジェクトにおけるフォロワーシップ】第1回~戦略的プロジェクトにおけるフォロワーシップの重要性

◆プロジェクトをとりまく環境の変化

プロジェクトマネジャーの重要な資質の一つはリーダーシップである。プロジェクトマネジャーの個性による違い、組織の特性によって求められるもの違いによって、スタイルの違いはあれ、プロジェクトマネジャーはリーダーであることを求められる。

この前提になっているのは、プロジェクトの成功はプロジェクトマネジャーに依存することである。この前提は、現在も将来も正しいと思う。同時に、プロジェクトを取り巻く環境が変わっていることも理解しておく必要がある。

プロジェクトの成功がプロジェクトマネジャーに依存するという前提と書いたが、もっと正確に書くと、「リーダーとしての」プロジェクトマネジャーに依存している。もちろん、組織は「リーダーの育成」という責任を持つという前提の上での前提である。

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PMサプリ201:可能性を求める姿勢が成果や結果を左右する

可能性を求める姿勢によって、心構えが永遠に変わるし、それが成果や結果をも左右する (ケン・ブランチャード、ケン・ブランチャード社CSO)

【成分】

◆あなたならどういう態度をとりますか?
◆管理職 vs マネジャー リーダー
◆相互の見方
◆可能性を求めるか、評価をするかで結果が変わる
◆現実指向のポジティブ思考でいこう!

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PMサプリ200:管理メカニズムと哲学を混乱してはならない(フルバージョン)

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管理のメカニズムを、本質や哲学と混乱してはいけない(フレデリック・テイラー)

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◆テイラーの科学的管理法

PMサプリもおかげさまで、今回で200話になる。200話ということで、少し、重みのある言葉を探して、見つけたのがこれだ。フレデリック・テイラーが1911年に著した「科学的管理法」からのフレーズである。

現代では、科学的管理法の評判は決してよいものではない。もっとも批判されているところは、人間を機械として扱っているという点だ。テイラーは科学的管理法の父と呼ばれるが、マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーは著書「マネジメント」の中でテイラーを以下のように称している。

テイラーは、労働の生産性を押し上げ、それによって労働者たちにまずまずの暮らしをさせたいと願ったわけだ

管理のメカニズムの本質とは労働の生産性の向上であり、労働によって得られる対価
を引き上げることであった。日単位の出来高払いの仕事の中で、労働者はテイラーの
科学的管理法の指導を受けて作業方法を変えることによって、生産性を向上すること
ができ、それによって従来よりははるかに多い報酬を手にすることができた。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。