【補助線】「任せる」と「丸投げ」
◆実行責任と結果責任
「任せる」と「丸投げ」の違いがよく分かっていないマネジャーが少なくないことに愕然とすることがある。両者の違いは、「責任」の負い方にある。
任せるというのは、実行責任(業務プロセスに対する責任)は任された人が負い、結果責任は任せた人が負う。丸投げというのは、任せて結果責任も負わないことをいう。
レスポンシビリティとアカウンタビリティをきちんと分散するのが任せることで、双方を末端に押しつけることが丸投げだと言ってもよい。
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◆実行責任と結果責任
「任せる」と「丸投げ」の違いがよく分かっていないマネジャーが少なくないことに愕然とすることがある。両者の違いは、「責任」の負い方にある。
任せるというのは、実行責任(業務プロセスに対する責任)は任された人が負い、結果責任は任せた人が負う。丸投げというのは、任せて結果責任も負わないことをいう。
レスポンシビリティとアカウンタビリティをきちんと分散するのが任せることで、双方を末端に押しつけることが丸投げだと言ってもよい。
プロジェクトチームは、製品を完成させるために必要な思考プロセスによってではな
く、テンプレートによって作業を進める (トム・デマルコ、アトランティック・システムズ・ギルド代表)
◆テンプレートゾンビ!?
◆テンプレートゾンビ撲滅
◆マネジメントへこだわる
◆思考プロセスを踏む
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アカウンタビリティ向上、リーダーシップ発揮、顧客感度アップ、
リスク管理力アップ、現象観察力アップ
・PM力向上
ピープルマネジメント力向上、ステークホルダをコントロールする力の向上、
チームをまとめる力の向上
・トラブル緩和
モチベーション向上、チームの士気高揚
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すごいプロジェクトの発見・発明をどうこういうまえに、あなたの目の前には、頼まれた仕事がある(トム・ピーターズ、コンサルタント)
◆セクシープロジェクト
◆ビジョンはあるか
◆「やってはならない」という思い込みを払拭しよう
◆自分のビジョンとプロジェクトの目的を整合させる
【効用】
・PM体質改善
PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
モチベーション向上、チームの士気向上
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PM養成マガジンエグゼクティブで連載しています
「マネジャーのためのプロジェクトマネジメント入門」
のバックナンバーの公開をしています(最新バックナンバーは第5回)
また、PMstyleメールマガジンで連載しています
「PMスタイル考」
のバックナンバーも本ブログで公開します(最新バックナンバーは第3回)
◆戦略的アラインメントを成功させる条件
前回、戦略的アラインメントのゴールとして3つのゴールとして
(1)組織の成長を最大化する
(2)無駄をなくす
(3)シニアマネジャーの組織統制の強化をする
があると述べた。また、そのためのアプローチについて説明した。今回からは、これらの戦略的アラインメントを成功させるためには、何を配慮すればよいかを説明する。
まず、ざっと箇条書きにすると
(1)バランスがとれ、また、よく考えられた目的・目標の設定されていること
(2)明確で、かつ、耐久性のある目的が設定されていること
(3)階層化をきちんとできるようなフレームワークがあること
(4)目標が計測可能であること
(5)ステークホルダの合意形成が行われていること
(6)実行計画が組織としての仮説になっており、実施体制作りが十分であること
の6つくらいに集約される。まず、それぞれを簡単に説明し、その後に、詳しく検討していきたい。
◆戦略アラインメントのゴール
前回は戦略アラインメントの視点について説明をした。今回は、もう少し踏み込んで、戦略アラインメントで何を目指すかを説明しておく。
大きく考えると、戦略アラインメントの落とし処(ゴール)は以下の3つだと思われる。
(1)組織の成長を最大化する
(2)無駄をなくす
(3)シニアマネジャーの組織統制の強化をする
では、これをどのように実現していけばいいのか?それぞれについて考えて見よう。
◆戦略達成のオペレーション
前回、プロジェクトマネジメントのトライアングルの話から、多少先走って、GBSの話をしたが、今回から多少、戻って、戦略アラインメント(戦略的整合)について考えて見よう。
まず、ガバナンスの話から。戦略達成のオペレーションには
(1)定常業務
(2)プロジェクト業務
の2つがある。一つのプロダクトやサービスに注目すると、この2つのオペレーションを併用して、戦略達成への貢献をしているケースが多くなっている。例えば、メーカであればプロジェクト業務として商品開発オペレーションを行い、定常業務として生産・販売オペレーションを行うというような形態を取る企業が増えてきた。IT企業であれば、プロジェクトとしてシステムの導入(開発)オペレーションを行い、その運用や保守サービスオペレーションを定常業務と行うことが多い。
うまくいっている職場と、うまくいかない職場の最大の違いは、「決めるべきこと」
が決められているかどうかだ(太田芳徳、リクルートHCソリューションユニット・ジェネラルマネジャー)
◆マネジメントがうまくいかない理由は「決めない」ことにある
【ケース】
◆決めるべきは方針
◆制約の厳しいプロジェクトではスコープの優先順位を決める
◆決めることによってパフォーマンスを上げる
◆目的すら決めないのはプロジェクトマネジメントとはいえない
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◆リスクマネジメントの目的はリスクに強くなること
リスクマネジメントは、多くのプロジェクトマネジメント導入企業がもっとも重視しているマネジメント活動です。しかし、最近、よく何のためにリスクマネジメントをやっているのだろうと感じることがあります。
リスクマネジメントは、初期においてはプロジェクトマネジャーだけではなく、体系的な分析のできるPMOや、経験の豊富なステークホルダが一緒にリスクの分析を行うことにより、プロジェクトのリスク対応能力を上げることに目的があります。
そして、このような「経験」を通じて、プロジェクトマネジャーやプロジェクト、ひいては、組織がリスクに強くなることを目指すものです。
◆基本知識
まず、言葉の定義から。各期の事業の計画を作るには、まず、経営ビジョンを作る。これは企業としてのあるべき姿、つまり、経営理念、事業領域、経営目標、事業構成、組織風土などから創り出される企業の将来の姿を示すことが目的である。
次に、経営戦略を創る。経営戦略とは、経営ビジョンに示すあるべき姿に企業を近づけるための方策(シナリオ)である。経営ビジョンを示し、経営戦略を策定するまでに一連の流れを経営計画と呼ぶことがある。
戦略が策定されると、戦略実行の段取りをする。ここで、戦略策定までは、ある程度長期、あるいは中期の話であることに注意をしておいてほしい。戦略実行の段取りも、まずは中期で行う。例えば、
・中期の経営目標
・事業展開の方向、重点、課題
・機能別革新方向、課題
を明確にし、経営の方向性を明確にする。これらを中期計画ガイドラインと呼ぶことがある。計画ガイドラインに基づき、
・販売計画
・研究開発計画
・設備計画
・人員計画
・利益計画
・資金計画
・全社中長期計画書
などの中期計画を作る。
その上で、やっと、単年度の事業計画(予算)を行うことになる。単年度の事業計画は中長期事業計画を単年度に置き直し、具体的な目標化をする。さらに部門別、製品別、期間別に落とし込んで、具体的な目標を定めたものである。
事業計画の方法はさまざまである。現場に影響のある損益予算でみれば、例えば、
○損益予算
+販売予算
-売上高予算
-売上原価予算
-販売費予算
+製造予算
-製造高予算
-製造費予算
-購買予算
+本部管理予算
+研究開発予算
といったメトリクスを使うことが多い。
このようにして、経営ビジョンからブレークダウンされた目標を達成するために業務(オペレーション)を行う。
目標達成の方法は、目標達成のための業務の性格に依存する。代表的には、反復性が高い業務である場合には定常業務として機能組織(ライン組織)で行い、反復性が低い場合にはプロジェクト業務としてプロジェクトチームを組織して行うことが多い。
好川哲人
技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。
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