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2008年1月 2日 (水)

【補助線】「主客一体」と「一期一会」はプロジェクトマネジャーの基本精神

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

お正月なので、今年度のテーマを含めて、ちょっと、浮世離れした話をしてみたい。

昨年、「おもてなしの源流」という本が出版された。お正月に改めて読み直してみた。「ビジネス書の杜」ブログに感想を書いているので、また、興味がある人はみていただきたい。

「主客一体」がビジネスの基本

僕の尊敬する思想家・田坂広志先生がこの本に書かれた推薦文によると、日本の「おもてなし」というのは、禅思想を源流とし、「主客一体」「一期一会」の思想を根底に持ち、「主客分離」「関係構築」を前提とした欧米の「サービス」とは全く異質のものだという。この本は、旅館、茶道、花街、祭りなどの日本的な伝統の残る場のフィールド調査で、「主客一体」「一期一会」の思想がどのように実現されているかを丁寧に書き上げた一冊である。

ここで、大胆な提言。

すべてのプロジェクトマネジャーは「主客一体」「一期一会」という思想を持つべきではないだろうか?

プロジェクトマネジメントの中でもっとも重要な仕事の一つはプロジェクトオーナー(顧客)や、そのプロジェクトに利害関係を持つ人との「関係構築」だとされている。重要なことはこれは「主客分離」を前提にして行われていることだ。

その中で、さまざまな意思決定をゆがませている原因が「関係構築」だと言える。たとえば、WinWinの関係の中で、主も客も、お互いに妥協の産物としか思えないような意思決定を行っている。

ビジネスとはそういうものだという考え方もあるだろう。また、主客分離はダイバーシティの原則から出てくるものだという考え方もあるだろう。

このような考えがあることを知りながら、あえて、この前提は本当に正しいといえるのであろうか?と問題提起したい。

まず、最初に考えるべきことはプロジェクトという枠組みは、「主客一体の場」としてあるのではないかということ。

そして、その場は「一期一会」を前提とした場ではないかということだ。

プロジェクトにおける一期一会とは、その機会を一生に一度限りの機会だと考え、「主」はもちろん、「客」も、お互いの出会いを大切にし、その機会を活かすために、プロジェクトに対して全力でコミットすることである。そう考えると、一期一会はプロジェクトが求めているもの、そのものだと言っても過言ではない。

つまりは、主客一体と一期一会はプロジェクトの基本精神であるといっても過言ではなかろう。

このようなおもてなしの根底にある考え方をプロジェクトマネジメントの中に取り込んでゆくと、多くの問題が片付くように思える。

今年のテーマにしてはいかがでしょうか?

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。