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2007年2月

2007年2月25日 (日)

【補助線】リーダーになるとは

リーダーを職責、あるいは、職務化している企業が多いが、これはマネジャー職の別称に他ならない。本来、リーダーというのは結果である。それも、人が認める、つまり、フォロワーができたときに結果としてリーダーになる。

ISLの野田智義理事長、神戸大学の金井壽宏先生の言い方を借りるとこうなる

社長になろうと思ってなった人はいても、リーダーになろうと思ってなった人はいない。リーダーは自らの行動の中で、結果としてリーダーになる。はじめからフォロワーがいるわけではなく、結果としてリーダーになるプロセスの中でフォロワーが現れる。

(野田智義、金井壽宏「リーダーシップの旅」より)

ひとつ上のプロマネ。はマネジャーであると同時に、リーダーである。プロジェクトマネジャーとしては、組織がプロジェクト憲章で任命してくれる。しかし、リーダーとしては誰も任命してくれない。

多くのプロジェクトマネジャーがマネジャーとしての権限に依存し、リーダーにならないままにプロジェクトを終えている。プロジェクトマネジャー10人にメンバーの指揮は何に基づいて行うかと聞くと、9人はリーダーシップだという(業務命令ではない)。しかし、リーダーになっていると思えるプロジェクトマネジャーは10人に1人といったところだろう。

この現実をどう考えればいいのだろうか?

2007年2月23日 (金)

PMサプリ65:結果ととしてリーダーになる

「リーダーは自らの行動の中で、結果ととしてリーダーになる」(野田智義ISL理事長、金井壽宏神戸大学教授)

【効用】
・PM体質改善
  実行力向上、リーダーシップ発揮、現象観察力アップ
・PM力向上
  プロ意識の向上、チームをまとめる力の向上
・トラブル緩和
  チームの士気高揚

【成分】

◆リーダーシップは行動を伴う
◆プロジェクトマネジメントに必要なリーダーシップ
◆ひとつの事例

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2007年2月19日 (月)

【補助線】ガバナンスマネジメントは大丈夫?

◆PMIのガバナンスフレームワーク

PMIの示した組織ガバナンスのフレームワークでは、上位に戦略的計画があり、それを支える形で

・業務のマネジメント
・プロジェクトによるマネジメント

の2つが位置づけられている。そして、さらに、プロジェクトによるマネジメントの中は、

・ポーフォリオマネジメント
・プログラムマネジメント
・プロジェクトマネジメント
・プロセスツールメトリクス

から構成される構造になっている。つまり、組織のガバナンスは業務管理だけではなく、プロジェクトによるマネジメントによっても実現されている。その割合は組織によって異なるが、SI企業などの中には、組織ガバナンスのほぼ100%近くをプロジェクトによるマネジメントにゆだねている組織もある。

◆内部統制とプロジェクトマネジメント

Gavanannce 一方で、今、ガバナンスが大きな問題になろうとしている。内部統制が法的に規制される時代がやってきている。大半の注目はなぜか業務マネジメントに向いているが、実際には現在ではプロジェクト型の業務運営がない企業は皆無に近い。その意味で、コーポレートガバナンスをきちんと統制していくには、プロジェクトによるマネジメントを行っている業務のガバナンスのマネジメントが大きなポイントになる。

プロジェクト型業務のガバナンスとしては、業務マネジメントのルールをそのまま適用しているケースが多い。例えば、プロジェクトの予算内でも、プロジェクトからの支出の決済は通常の業務と同じく金額に応じて相応な職責のもの(プロジェクトの統括組織のラインマネジャー)が管理するという方法だ。

このような方法は一見、合理性があるように見えるが、実態としてはプロジェクトガバナンスの混乱の一因になっていることが多い。このような制度の運営の実態としてはいくつかのパターンがある。代表的には、

(1)ラインマネジャーは形式的に決済をする(プロジェクトに意思決定を委譲する)
(2)ラインマネジャーが内容に立ち入った判断をする(プロジェクトマネジャーの決定をラインマネジャーがひっくり返す)

の2つを上げることができる。

◆プロジェクトガバナンスと組織ガバナンスを両立させるには

前者の場合、プロジェクトガバナンスの所在は明確になるが、組織ガバナンスの混乱を招く。また、プロジェクトマネジメントの立場から不要な仕組みだといえる。後者の場合、組織ガバナンスの強化の立場からは望ましいが、プロジェクトガバナンスの所在が非常にあいまいになる。特に、お金と時間は相関性の強いものだが、お金に関するガバナンスを組織側に残して、時間やその他のマネジメントイシューのガバナンスをプロジェクトに委譲するというのはある意味でナンセンスであり、プロジェクトマネジメントをやりにくくする一因となる。

このように考えていくと、今のプロジェクトガバナンスは決してきれいにマネジメントされているものではない。もともと、プロジェクトは組織的にはマトリクス組織であり、リソースに関するコンフリクトはある意味で宿命である。しかし、このことと、ガバナンスの所在を明確にすることは別の次元の問題である。リソースに関するコンフリクトがあったとしても、ガバナンスは明確にプロジェクト側に渡されるべきであり、それがプロジェクトマネジメント成功の第一歩である。

一方でプロジェクトマネジメントはガバナンスを渡された限り、プロジェクトの内部と透明化し、組織の統制ニーズに応えていく義務がある。これがアカウンタビリティである。プロジェクトガバナンスマネジメントとアカウンタビリティの確保の2つが揃って初めてこれからのプロジェクトマネジメントのあるべき姿である。

これらを実現していくことこそ、プロジェクトマネジメントオフィスの最大のミッションだといえよう。

2007年2月16日 (金)

PMサプリ64:2者択一からはやく抜け出せ

2者択一からはやく抜け出せ(アップルコンピュータ社CEOスティーブ・ジョブス)

【効用】
・PM体質改善
  PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
  PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
  すべてのトラブルに冷静に対処できるようになります

【成分表示】

◆スティーブ・ジョブスというカリスマ経営者について
◆技術の本質は択一
◆マネジメントには100%のソリューションはない
◆マネジメントに減点法はいらない

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【補助線】「マネジメントには正解がない」とはどういうことか?

「マネジメントには正解がない」

とよく言われる。これはどういうことだろう。

ある人は、山に登るのに、いろいろなルートがあるのと同じだという。天候などの不確実性があり、選択したルートが正しかったかどうかは、後になってきないと分からない。

ある人は、マネジャーの信念の問題だという。

ある人は、そもそも、正しい答えがないのだという。山登りでいえば、ルートを作りながら登るのがマネジメントなのだという。

あなたは、どう思いますか?コメントお待ちしています。

2007年2月14日 (水)

【補助線】なぜ、優秀なエンジニアが優秀なマネジャーになれないか?

二者択一という発想(「か」の発想)がある。

二つの中からひとつを選ぶ。多くのエンジニアは嬉々としてこの仕事をする。技術者としての手腕に見せ所になることが多いので、気持ちはよく分かる。WindowsかLinuxか、接触式か非接触式か、技術Aか技術Bか。エンジニアの仕事とは選択の積み重ねであるといってよいし、選択の適切さこそが、エンジニアの能力だと言ってもよい。

さて、では、PMBOK「か」従来方式の管理かという技術の議論と同じように議論は意味があるのだろうか?

これはあまり意味がない。なぜか?

この答えを考える前にまず次のようなことを考えてみたい。

何か製品を構成する技術で、技術Aを選ぶと40%くらい、技術Bを選ぶと50%くらいの可能性で製品が思ったような機能を持つとしよう。言い換えると、どちらを選んでも50%以上の確率で、思ったものができない可能性が高い。

この状況でどちらの技術を「選ぶ」かという議論が意味があるか?多くの場合はないだろう。というよりも、このようなレベルの技術はまだ、技術とはいえず、どのように確率を上げるかという議論をしなくてはならない。新しい技術を探す、技術を改良するなど。

技術の選択が議論になるのは、8~90%の確率でそれらの技術がソリューションになるときである。そのときに、どちらがソリューションとしてより確実に製品機能の実現に繋がるか、技術そのものの実現はどちらが容易かなどを考える。だからこそ、議論も白熱する。

では、PMBOKはどうか?PMOBKを選ぶと50%くらいの確率でプロジェクトが成功するようになるかもしれない。従来のプロジェクト管理方法だと30%くらいだ。この状況でどちらを選ぶかを議論しても同じくあまり意味がない。ただし、答えは違う。従来方式「も」PMBOKも選ぶしかない。

マネジャーの人材育成でも同じような問題がある。経験か、理論かといった議論だ。冷静に考えれば、どちらかだけで100%人材を育てられるようなら苦労しないとみんな思っている。ところが、人材育成のコンサルをやると、必ずといってよいくらい、この問題を持ち出す人が出てくる。経験「も」理論も大切なのだ。

マネジメントと技術の違いの本質はここにある。つまり、マネジメントでは二者択一はほとんど意味を持たない。AもBもという発想(「も」の発想)が大切だ。この発想ができる人がマネジャーになれる人であり、口ではいろいろといっても、結局、Aか、Bかとしか考えれらない人はマネジャーにはなれない人だ。

エンジニアとマネジャーの間の、高く、乗り越えがたい壁はこの二者択一の発想を捨てられるかどうかだ。

ただし、エンジニアも高度なエンジニアになってくると、マネジメントに近い判断を求められることを忘れてはならない。技術のソリューションとしての確実性が減少するからだ。そういう意味で、Aクラス人材ではこの壁はないといえる。逆にいえば、この壁を感じないのがAクラス人材だといえるかもしれない。

さて、最後に問題をひとつ。二者択一では、問題発見(あら捜し)が重要だ。二者択一でない場合では、何が大切か分かるだろうか?

今週のPMサプリはアップルCEOのジョブスに学び、このテーマを取り上げている。

この話に興味がある人はこちらからご購読を!

2007年2月13日 (火)

PMサプリ63:ブラックボックスを無くす

仕事のブラックボックスを無くす(カルマン・若松義人社長)

【効用】
・PM体質改善
  リスク管理能力アップ、自己統制力アップ
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分表示】
◆見える化と視える化
◆プロジェクトマネジャーの作業は一人では難しい
◆できるプロジェクトマネジャーは自身の仕事を視える化しておく

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2007年2月 6日 (火)

PMサプリ62:褒めるより認める

「承認要求」を刺激して人を動かす(同志社大学太田肇教授)

【効用】
・PM体質改善
  リーダーシップ発揮
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分表示】

◆表の承認と裏の承認
◆褒めることは万能か?
◆ほめるより、認める

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プロジェクトマネジャーの語るべき言霊

プロジェクトマネジャーの語るべき言霊を大募集します。コメントに書き込んでいってください。

書いてもらったものは、適宜、PM養成マガジン「戦略ノート」で発表させて戴きたいと思います。

2007年2月 5日 (月)

【補助線】なぜ、プロジェクトを評価できないのか

◆プロジェクト評価は必要ない

プロジェクトの評価の議論をするときに、常に、行き当たるのがこの問題。ちょっと脱線するが、コラムとしてこの問題を考えてみたい。

日本人は古くから猫に額といわれる田んぼで、血のにじむような努力をし、生産性を向上し、収穫を得てきた。これによりいろいろな価値観が生まれてきた。一粒の米も粗末にしない、失敗は許されない、諦めない、周囲の田んぼと仲良くして迷惑をかけない、ものごとをあいまいにしておく、など。政策的にこのような価値観が推奨された節もある。

このような価値観は日本人のビジネス観にも根強く残っている。敗戦で一から出直したときにもこの価値観は生き延びた。このような価値観というのは、努力が確実に報われる環境下では悪いことではない。というより、とても効率的なやり方である。戦後の高度成長はその証だといってもよいだろう。田んぼのメタファでは、どんどん、新しい土地を切り開いて、田んぼに変えて行くことのできる間は努力は報われる。

この状況で各田んぼ(プロジェクト)の評価をしようとすると何が起るか?評価する必要はないという結論に行き着く。収穫を増やそうと思えばいくらでも田んぼの開墾の余地はある。みんな頑張っている。何で評価をする必要があるのか?ということになる。

Eva
◆プロジェクト評価より大切なものがある

ところが、もう開墾する土地がないとなると話は変わる。努力しても報われるという保証はない。というより、努力するだけでは報われない。そこで、まず、成果主義だと言い出す。つまり、努力をするだけではだめで、成果が出たものに報いようという発想だ。ただし、もう新たに開墾する土地がない、生産性もあがる見込みがないという閉塞的な状況で成果主義を持ち出しても尻すぼみになるだけだ。

この状況でプロジェクトの評価をすると、何が起るか。これ以上トータルの収穫が増えない中で、成果をあげる方法はひとつ。失敗しないことだ。つまり、失敗の可能性が少ないほど、よいプロジェクトだということになる。

しかし、この期に及んでも、まだ、努力は美しいという小学校の道徳で学んだ価値観が捨てられない。成果のある努力のみが美しいとはあまり思われない。従って、失敗しないプロジェクトがよいのだが、失敗すればそのときにはみんなで考えようということになる。結果として、やはり、評価には本腰が入らない。

◆拾うための評価ではなく、捨てるための評価

このように評価ができない根源は、捨てるものがないということにある。要するに、分けられる間は分けようという発想が強く根付いている。国土の広さの制約で、捨てて、大きくとるということができなかった。これがいまだに尾を引いている感がある。

多くの事業領域で感じるのは、これからは捨てないと成長できないだろうということだ。グローバル化というのはある意味で捨てることである。国内で自社のコンピタンスに合わない事業を捨て、海外に市場や人材を求める。成長神話の発想で、まずは国内制覇。それが実現できれば海外進出などと考えていると捨てることもできないし、グローバルな事業もできない。京都には戦後、急速に成長したベンチャーがいくつかあるが、共通した特徴は国内とグローバルの展開を最初から分けていないことだ。従って、評価と選択が極めて重要であり、それに成功した企業が成長している。

戦略経営とは何をやるかではなく、何をやらないかと決めることだとよく言言われる。プロジェクトを評価する際に、「実施する」プロジェクトを決めるためだと考える人が多い。この考えの背後には、別段問題なければ、捨てる必要はないという思いがある。最近注目の「もったいない」である。しかし、一方で、慢性的な人手不足に悩む企業も多い。

二つを考え合わせると、はやり、プロジェクト評価は捨てるために行うと考えた方がよい。そうすることによって、今まで見えなかったリスクが見えてくることも多々あるように思う。

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。