PMstyle 2024年4月~6月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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PMスタイル考 Feed

2022年4月 1日 (金)

【Youtube】PMstyleのYoutube動画(2022年04月)

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PMstyleの分野(プロジェクトマネジメント、PMO、コンセプチュアルスキル&マネジメント)のスキルについて、各セミナーのエッセンスなどを10分前後にて、解説しています。2022年4月時点でのラインナップは以下のとおりです。

新作は以下の1点です。

「クリティカルシンキングで影響力の武器を使う」  <NEW>  

   https://youtu.be/vFMI_vPvj5M

【1】プロジェクトマネジメント関連

◆プロジェクトマネジャーに必要なコンピテンシー
   https://youtu.be/rsMzhwCoaWU

◆プロジェクトマネジメント基礎
  (1)https://youtu.be/IryneVRuqR0
  (2)https://youtu.be/-053fHDkzLQ

◆コミュニケーションマネジメント
   https://youtu.be/pZAyYFuPRck

◆ドラッカーのコミュニケーション原理
   https://youtu.be/3G2u6tGds1M

◆コミュニケーションの大部分を占める説明
   https://youtu.be/AsZpeZuLuNw

◆ステークホルダーマネジメント
   https://youtu.be/aLqGpSUxvMw

◆リスクマネジメントとリスクマインド
   https://youtu.be/ADksSOxgWTU

◆PMのためのシステム思考<New>
   https://youtu.be/t3vP6vaQTsY

クリティカルシンキングはプロジェクトマネジメントに必要 

   https://youtu.be/FhuPmdmoRPg

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2021年8月25日 (水)

【PMスタイル考】第177話 アジャイルを経営に活かす~アジャイルな開発、チーム、組織、そして経営へ

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◆プロジェクトマネジメントの導入をみていて感じること

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日本企業や日本型組織が苦手だとされている考え方の一つに多様性がある。多様性のなさを示唆するエピソードはさまざまで言い尽くされている感がある。日本企業で働いている人であれば、一度や二度は遭遇したことがあるのではないだろうか。

マネジメントの世界でももちろんこの問題はある。典型的なものは、標準化という考えと結びつけ、何がなんでも同じようにマネジメントしようとすることだろう。最近でいえばプロジェクトマネジメントにその兆候が見られる。

プロジェクトマネジメントは日本ではITの分野で導入され効果があったため、プロジェクト(的)な活動であれば、すべて同じ手法で管理するという方向に向かった。そして、これが過剰なプロジェクトマネジメントを行う原因になっていることをよく見かける。

この問題は日本企業のPMBOK(R)の使い方を見ると顕著である。PMBOK(R)は(プロセス)標準ではなく、プロジェクトマネジメントを実践するために必要な要件を明確にし、その要件を満たすツールを探してきて実践するフレームワークである。にもかかわらず、大抵の企業はプロセス標準の発想で活用している。つまり、標準的なプロセスとして導入し、その通りにやることを求めている。これは、マネジメントの発想ではない。

標準化というのはプロセスに適用される考え方で、標準化することによって、プロセスを改善、洗練するといった管理が効果的になることに意味がある。ところが、プロジェクトはもっと複雑な(システマティックな)ものであり、標準化してもメリットが得られるとは限らない。そればかりでなく、標準として想定されているより単純なプロジェクトに適用しようとすれば、必要以上に複雑なマネジメントが必要になり、パフォーマンスを下げてしまう。これは上に述べた通りだ。

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2021年6月10日 (木)

【PMスタイル考】第176話 プロジェクトはパーパスで動かす

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◆トラディッショナルなプロジェクト

プロジェクトといえば、何か具体的な目標があって、その目標を達成するために行うものだとイメージされている人もいれば、逆に、ミッションがあって、ミッションの達成のために試行錯誤しながら行うものだというイメージの人もいます。

分からないところがどこに注目してプロジェクトを整理してみますと、

(1)目標が決まっており、目標達成の方法も分かっており、さらにその目標達成に必要なコストや時間も分かっているプロジェクト
(2)目標が決まっており、目標達成の方法も分かっているが、その目標達成に必要なコストや時間が分からないプロジェクト
(3)目標は決まっているが、目標達成の方法が分からず、従って目標達成に必要なコストや時間も分からないプロジェクト
(4)目的はあるが、目標が決まっていないプロジェクト
(5)目的が曖昧で、プロジェクトを実施することだけが決まっているプロジェクト

の5つに分けることができます。

VUCA時代以前のプロジェクトですと、プロジェクトには製品やサービスの開発が中心で、、その場合(1)、(2)が圧倒的に多く、(3)はチャレンジの必要なプロジェクトだと考えられていました。また、(4)、(5)はプロジェクトとしては認可すべきではないと考えられていました。

ただ、例外的に行われていたのは、〇〇変革プロジェクトで、これは(4)のタイプのプロジェクトとして行われることがよくあります。これらのプロジェクトは成功/失敗があまり明確になりません。目標が決まっていないからで、目的を実現できたかどうかには主観的な判断が入るからです。

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2021年5月25日 (火)

PMスタイル考】第175話 プロジェクトのエンゲージメントマネジメント

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Engagement◆PMBOK(R)のエンゲージメントの取り扱い

PMBOK(R)では第5版からステークホルダーマネジメントが新しい知識エリアになって、エンゲージメントが注目されるようになってきました。ステークホルダマネジメントにおいてはエンゲージメントは、計画プロセスのエンゲージメントの計画、実行プロセスのエンゲージメントのマネジメント、監視コントロールプロセスのエンゲージメントの監視という形で取り扱われています。

ちなみに、第6版のステークホルダーマネジメントは以下のプロセス群として構成されています。

立上げ:ステークホルダーの特定
計画:ステークホルダー・エンゲージメントの計画
実行:ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント
監視コントロール:ステークホルダー・エンゲージメントの監視

エンゲージメントの計画とは

「プロジェクト・ステークホルダーのニーズ、期待、関心事項、およびプロジェクトへの潜在的影響に基づいて、プロジェクト・ステークホルダーの関与を促すアプローチを決定すること」

です。エンゲージメントのマネジメントとは

「プロジェクトを通してステークホルダーとコミュニケーションし、ステークホルダーのニーズや期待を満足させることでプロジェクトへの関与を強化すること」

です。また、エンゲージメントの監視は

「ステークホルダーとの関係性を監視し、マネジメント戦略や計画を調整すること」

です。

このようにエンゲージメントは、ステークホルダーマネジメントの中核概念であり、PMBOK(R)でも初期のバージョンから使われている概念です。

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2021年3月 9日 (火)

【PMスタイル考】第174話 プロジェクトマネジメントに魂は必要か

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Tanbou◆はじめに

前回、プロジェクトに「心理的安全性は必要か」という議論をした。

【PMスタイル考】第173話 プロジェクトには心理的安全性が必要か
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2021/02/post-8fd0.html

今回は前回の続きで、心理的安全性を危うくするのは何かという話だ。


◆魂なきマネジメントをおこなうための5つの簡単な方法

ヘンリー・ミンツバーグが自身のブログの中から42編選んで作った書籍
「これからのマネジャーが大切にすべきこと」(ダイヤモンド社、2021)
の中に、非常に興味深い部分がある。それは、第5話の「「魂なきマネジメント」の蔓延」というブログ記事の中にある、
「魂なきマネジメントをおこなうための5つの簡単な方法」
というリストで、この中の一つだけ実行すれば魂なきマネジメントがを実践できるというものだ。ちょっと長くなるが、転載しておく。以下の5つだ。

(1)ひたすら財務諸表を気にしてマネジメントを行う。製品やサービスや顧客を尊重するより、お金をマネジメントすることによって利益が得られると考える。
(2)あらゆるこを計画通りにおこなう。物事を自然な流れに任せたり、その過程で学習したりすることは一切拒否する。
(3)マネジャーを頻繁に人事異動させ、流行のマネジメント手法以外は何も詳しくない自分物をつくり上げる。
(4)原材料や設備などの「資源」を売買する感覚で、「人的資源」を雇ったり首にしたりする。
(5)あらゆることを「5つの簡単な方法」の類に従って行動する。

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2021年2月25日 (木)

【PMスタイル考】第173話 プロジェクトチームには心理的安全性が必要か

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◆心理的安全性とは

先日、メルマガ「コンセプチュアル・マネジメント」に「心理的安全性」の議論を書いたところ、プロジェクトに心理的安全性は必要ないのではという意見を頂いた。今回は、PMスタイル考でこの問題を考えてみたい。

心理的安全性とは、一言でいえば

「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」

のことで、なかなか深い話だ。

ちなみに、「コンセプチュアル・マネジメント」に書いたのは、この記事だ。心理的安全性という考え方がぼんやりしている方は、まず、こちらの記事をお読み頂ければと思う。

【コンセプチュアル講座コラム】心理的安全性を高める
https://mat.lekumo.biz/ppf/2021/02/post-1ead.html

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2021年2月10日 (水)

【PMスタイル考】第172話 プロジェクトの目的は見つけるものではなく、自らつくるものである~VUCA時代のプロジェクトデザイン

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Purpose16◆高まるプロジェクト憲章の重要性

プロジェクトマネジメントのコンサルティングの中で、15年くらい前からプロジェクト憲章の重要性を言い続けてきたが、VUCAの時代を迎えて、いよいよプロジェクト憲章の重要性が高まっている。VUCAなプロジェクトでは、ある意味で計画書よりもプロジェクト憲章の方が重要である。今回はこの問題について議論したい。

プロジェクト憲章を作る際によく誤解されていることがある。それは、プロジェクトマネジメントは「期待された成果物」にどのように到達するかを考えるものだという誤解である。まず、この認識を、プロジェクトマネジメントは「期待された成果」をどのように実現するかを考えるものだと変える必要がある。

このためには、まず、期待された成果から、その成果を上げるために適した目的を設定し、その目的を実現するためにクリアすべき目標を設定し、目標を達成するための計画を作って進めていく必要がある。

つまり、この一連の流れをプロジェクトデザインと呼ぶが、プロジェクト憲章をつくるというマネジメントはプロジェクトデザインそのものである。


◆プロジェクト目的は与えられるという誤解

プロジェクトデザインの中でも気になるのは、プロジェクトの目的の設定である。これがプロジェクトデザインのスタート地点で、すべてのプロジェクトの活動は目的を実現するためにあるからだ。

著者は長年プロジェクトマネジャーやプロジェクトスポンサーのメンタリングサービスを提供しているが、プロジェクト憲章を作る際に、「プロジェクト目的は与えられるものではない、自分で考えるものだ」と指摘すると、今度は「上司や上位組織はどう考えているのだろう」と目的を探し始めることが多い。

つまり、プロジェクトの目的は誰かが考え、どこかにあるものだと思っている。あるいは、組織では暗黙の了解で決まっていると考えているのだ。

このように考えると、出てくる答えは、納期通りにプロジェクトを終了させる、収益を上げる、顧客を満足させるといったことだ。少し勉強している人は、プロジェクトで得られた技術を組織に残していくとか、プロジェクトマネジメントで得られた経験を組織で共有するといったことが目的だと考える。

プロジェクトをデザインするというのはそういうことではない。プロジェクトをデザインするというというのはプロジェクトの目的を自分で決めることで、決めたプロジェクトの目的を実現するために、必要な目標設定を行うことだ。そして、その目標を達成するための計画を作る。これがプロジェクト計画である。

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2021年1月26日 (火)

【PMスタイル考】特別編 「PMstyle」は両利きの経営を目指す

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◆「PMstyle」の7つの「PM」

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2004年に立ち上げたブランド「PMstyle」の会員制メールマガジン「PMstyle+」の発行を始めて15年になります。その主連載として継続している「PMスタイル考」も170回を数えます。

PMstyleでは今年から新しい分野を本格的にはじめるに当たって、そもそも、「PMstyle」とは何かという話をしておきたいと考え、この記事を書きました。

本連載「PMスタイル考」の「PM」をプロジェクトマネジメントだと思っている人は少なくないのではないかと思います。連載開始当時は、「話の範囲が広すぎる」とか、「もっとプロジェクトマネジメントの話を集中的にして欲しい」という意見を頂くこともありました。

実は、PMstyleを始めたときに「PM」に託した意味はプロジェクトマネジメントだけではありませんでした。実は、「PMstyle」の「PM」というのは以下の7つの総称なのです。

 Purpose Management
 Portfolio Management
 Product Management
 Program Management
 Project Management
 Process Management
 People Management

「PMstyle」を立ち上げるときに、事業を成功させるために必要なマネジメントは何かという議論を行ないました。ブレーンストーミングでは50個くらいの要素が出てきて、その中から本当に必要なものを絞り、最終的にプロジェクトの「P」にこだわり、整理したのがこの7つの「PM」だったのです。「PMstyle」では、この7つのマネジメントエクセレンス(優秀さ)が事業を成功させると考えています。

ときどき、「PMstyleって何ですか」と訊かれてこの説明することがあるのですが、違和感があるという意見が多いのは、ビジョン、戦略、オペレーション、パフォーマンスが入っていないことです。当然、これらのマネジメントエクセレンスは事業の成功にとって不可欠なものですが、これは上の7つの中に以下の形で含めて考えています。

ビジョン → パーパスに含まれる
戦略 → ポートフォリオに含まれる
オペレーション → プロジェクト、プロセスに含まれる
パフォーマンス → プロセスに含まれる

という整理をしているのです。

最近ではこれらに加えてシナリオをどう位置付けているのかという質問を受けることもありますし、また、組織文化をどう扱うのかという質問を受けることもありますが、これらは上の7つの「PM」を統合したものだと考えており、7つの軸を変えるには至っていません。まあ、7つの「PM」にもPMBOK(R)のように統合マネジメントを入れた方がよいという想いがないわけではありませんが、、、

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2020年10月27日 (火)

【PMスタイル考】第171話 プロジェクトは「意味」で動かす

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◆プロジェクトは「目標」で動くのか

プロジェクトを動かしているのは、上位組織が戦略計画や事業改革からプロジェクトに落とし込む「目標」であると多くの人が信じている。

これに対して、「最も影響力のある経営思想家」トップ50人にも選ばれているマーカス・バッキンガム氏が興味深いことを言っている。それは、

「最高の企業は目標を落とし込まない。最高の企業は「意味」を落としこむ。」

だ。バッキンガム氏がこのように考える背景には、

「目標が役に立つかどうかの判断する唯一の基準は自分自身で自発的に設定したかどうかだ」

という考え方がある。これを基準に考えると、上位組織が落とし込んだプロジェクトの目標は役に立たないことになる。

今回のPMスタイル考はこの問題について考えてみたい。

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2020年6月25日 (木)

【PMスタイル考】第170話 VUCA時代のプロジェクト組織にはティールが不可欠だ

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◆プロジェクトの特徴

Teal6_2基本的なプロジェクトマネジメントの教科書を見ると、プロジェクトの特徴は

・有期性
・新規性
・段階的詳細化

の3つだとされている。これらの特徴を前提として、納期、予算、スコープをコントロールしながらプロジェクトを進めていくのがプロジェクトマネジメントである。

しかし、VUCA時代のプロジェクトにおいてはこの3つ以外の特徴として、

・自己組織化

というという特徴も考えなくてはプロジェクトとしての成果が生み出さすプロジェクトマネジメントが難しいような印象がある。

そこで、今回のPMスタイル考では、組織的な面を中心にプロジェクトの持つべき特徴を考えてみたい。そのための切り口として、最近、非常に注目度が高くなってきた自己組織化組織であるティール組織への進化を取り上げてみたい。

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