【コンセプチュアルスタイル考】第47話:コンセプチュアル・マネジメントによる組織のコンセプチュアルスキルの開発
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【参考文献】
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
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コンセプチュアルスキルは基本的には個人のスキルですが、同様にチームやプロジェクト、組織にも必要なスキルだと考えられます。コンセプチュアルスキルを高めていく場合、個人のスキルだけでななく、チームや組織のスキルも高め、シナジー効果(相乗効果)を生み出していくことが重要になります。
まず、コンセプチュアルスキルに起因する個人、チーム、組織の関係を考えてみたいと思います。コンセプチュアルスキルの基本は個人です。ところが、個人のコンセプチュアルスキルのレベルが異なると、チームがうまく行きません。
例えば、チームのメンバーの洞察力が異なると、コミュニケーションにおいて前提が変わってスムーズに行かないといったことが起こります。一つ例を挙げると、顧客がもっと使いやすくしてくれと抽象的な依頼をしたとします。これを受けた2人のメンバーはそれぞれ自分の担当箇所の作業にかかりましたが、顧客の依頼の理解が異なっていたために、途中でちぐはぐになって、作業をやり直すことになりました。これはコンセプチュアルスキルの高さの違いによるものだといえます。
さらにチーム同士にも同じことが言えます。チーム間の関係をスムーズにするためには、チームや個人のコンセプチュアルスキルが重要なポイントになります。
このように考えると、個人のコンセプチュアルスキルのほかにも、チームのコンセプチュアルスキル、組織のコンセプチュアルスキルが必要になります。今回のコンセプチュアルスタイル考はこの問題を考えてみたいと思います。