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2018年1月

2018年1月11日 (木)

【PMスタイル考】第130話:イノベーションにおけるコンセプチュアルスキルの役割

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Innovation◆イノベーションとは

コンセプチュアルスキルの必要性への認識が高まってきている。イノベーションの創出、生産性の向上をはじめとする、直面する多くの課題取り組みの行き詰まりの一因が「コンセプチュアルスキルの低さ」だと考えられるからだ。

生産性とコンセプチュアルスキルの関係についてはこれまでに何度か書いてきたので、今回はイノベーションにおけるコンセプチュアルスキルの役割について考えてみたい。

まず最初に、さまざまな場面で使われるにも関わらず定義の不明確なイノベーションという言葉の定義を明確にしておこう。

イノベーションはオーストリアの経済学者だったヨーゼフ・シュンペーターが20世紀初頭に名付けた概念だが、彼は経済活動において旧方式から飛躍して新方式を導入することをイノベーションと呼んだ。

すなわち、イノベーションを「生産手段の新結合」とし、市場における価値を、社会や市場の中から発見することによって実現されると考えた。何もないところからいきなり生み出すのではなく、「結合」、つまりすでにあるものの組み合わせから、これまでなかった価値を作り出すものだというのがシュンペーターの考えるイノベーションである。

この記事ではイノベーションという言葉を、シュンペーターのいうイノベーションの意味で使うことにする。

シュンペーターの考えは、100年経った今でも変わっていない。むしろ、最近は、結合の範囲が拡大し、組み合わせの重要性が高まってきている。

例えば、21世紀の最大のイノベーションの一つだと考えられているiPhoneにしても、もともとさまざまな技術の組み合わせで生まれてきたが、それだけでは成功していない。そこにコンテンツの流通や制作などのやり方を組み合わせることによって全く新しい価値が生まれ、成功がもたらされたといえる。

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【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(21)】顧客の要望を洞察する

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Request◆なぜ、生産性が上がらないのか

仕事の生産性が向上しない理由はさまざまだですが、本質的だと思われる理由はコンセプチュアルスキルの高さにあることだと思われます。

コンセプチュアル思考の軸でいえば、抽象と具象の行き来がうまくできないことに代表されます。自分の担当している業務については、具体的にいつ、何を、どのようにすべきか、具体的に分かっています。これは、デザインやコンサルティングのような、非定型の仕事でもある程度、当てはまると思われます。

ところが、この具体的な手順を何も考えないままに実施しているだけという人やチームが珍しくありません。もちろん、マニュアルやルールになっているのでそのようにしている人も多いとは思いましすが、これでは生産性の向上といっても精神論になってしまいかねません。

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