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2017年7月

2017年7月26日 (水)

【PMスタイル考】第125話:地図よりコンパス

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Compass◆計画が難しいプロジェクト

プロジェクトを進めていくときに、目的に応じて計画を作り、計画を頼りに進めていくが、計画通りにはいかないケースが少なくない。

そのような場合には計画を変更して、新しい計画で進めていくのが一般的な流儀だが、イノベーションのように全く新しいことを行うプロジェクトでは、新しい計画が作れないことも珍しくない。

このような場合に、無理やり計画を作って進めていっても、計画を頼りにすることはできないし、計画があることが混乱を引き起こすこともある。どうすればよいのだろうか?

 

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2017年7月18日 (火)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(16)】ロジカルシンキングからコンセプチュアル思考へ!

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Logical◆ロジカルシンキングの普及と限界

1990年代の後半から注目されるようになったロジカルシンキングは、今やビジネスマンの必須スキルになり、企業では比較的早い時期から取り組んでいます。会社によっては新入社員の時代から教育しているところもあります。

また、学生に教えている大学もあり、もはやビジネスマンンに限らず、非常に重要性の高いスキルで、社会人になってから取り組んだのでは遅いので、小学校、中学校くらいから教えてほしい思考法になっています。

一方でロジカルシンキングでは不十分だという議論もあります。例えば、「風が吹けば桶屋が儲かる」というロジックはロジカルシンキングの弱点を表しています。論理的に正しいことをつないでいってもこのような非論理的な答えしか得られないケースがあるのです。

このような問題が発生する原因はいくつかあるのだと思いますが、最も重要なのは正しいと思っていることの妥当さです。

「風が吹けば桶屋が儲かる」というロジックは

風が吹けば、砂埃が舞う。
→砂埃が舞えば、砂が目に入り、失明する人が増える。
→失明する人が増えれば、三味線弾きが増える。
→三味線弾きが増えれば猫が減る。
→猫が減れば鼠が増える。
→鼠が増えれば、風呂桶が齧られる。
→風呂桶が齧られれば修理が増える。
→修理が増えれば桶屋がもうかる

というものです。この中で、例えば「砂埃が舞えば、砂が目に入り、失明する人が増える」というロジックはかなり怪しいものですが、これを「風が吹けば、砂埃が舞う」と同じように扱っています。

これは認識の問題で、そう思っている人もいるかもしれません。結局、ロジックを立てている人は全体が見えているわけではありません。言い換えると、ロジックは全体を知っているという前提の上に成り立ちますが、現実にはそれは無理です。ここにロジカルシンキングの限界があります。

 

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2017年7月13日 (木)

【働き方を変え、生産性を向上させる:3】~コミュニケーションスキルと組織文化

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Comm

◆生産性を向上する2つのアプローチ

生産性を向上するには

・コストを削減する
・付加価値を向上する

の2つのアプローチがあります。伊賀泰代さんが著書「生産性」の中で指摘しているように日本では生産性向上のアプローチとして後者のアプローチはほとんど用いられていませんので、一般的なイメージとしてはコスト削減、つまり、「効率化」の方が圧倒的に強く、そのための重要な要素の一つがコミュニケーションだと考えられています。

プロジェクトマネジメントにコミュニケーションマネジメントという概念がありますが、効率化のためのコミュニケーションはほぼこれで足ります。簡単にいえば、コミュニケーション(情報共有や伝達)が必要な場合を事前に洗い出し、どのようなスタイルでコミュニケーションするかを計画しておき、その計画に乗っ取って、コミュニケーションを実践するという方法です。コミュニケーションのルール決めですね。

 

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2017年7月 5日 (水)

【PMスタイル考】第124話:「アウフヘーベン」(統合思考)

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Yuri

◆「アウフヘーベン」とは

今回のPMサプリは「統合思考」の話をしたい。

統合思考自体はコンセプチュアル思考の5軸の統合として、「コンセプチュアルスタイル考」で議論している。

【コンセプチュアルスタイル考】第21話:多様な意見を統合した新しいアイデアを生み出す

【コンセプチュアルスタイル考】第26話:5軸を統合した問題解決を行う

ここでは、もう少し一般的な議論をしてみたい。そう思ったのは、小池百合子東京都知事が、豊洲の市場問題で「アウフヘーベン」という概念を打ち出したことによる。「アウフヘーベン」とは

あるものを、そのものとしては否定しながら、更に高い段階で生かすこと。矛盾するものを更に高い段階で統一し解決すること。止揚。揚棄。

のことだ。つまり、豊洲か築地かの二者択一ではなく、両方の選択肢を踏まえ、昇華した案を出すという意味だ。小池知事は「アウフヘーベン」として、「築地は守る・豊洲を活かす」という戦略を打ち出した。その目的は

・豊洲移転後にかかる費用の赤字に対応するため
・「築地ブランド」を生かして土地を有効活用するため

だとしている。

具体的なプランはまだ出ていないので批判も多いが、その中で「いいとこどり」をしているだけなので、実現できないだろうという批判がある。この記事を書こうと思った直接の理由はこの点にある。

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