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2016年10月

2016年10月27日 (木)

【PMスタイル考】第117話:価値を中心にプロジェクトを考える

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Value

◆プロジェクトマネジメントの変化

プロジェクトマネジメントのスタートはオペレーションマネジメントだった。テーラーの時代にはオペレーションは繰り返し同じことをやる定型なものだったが、徐々に非定型になってきて、マネジメントをするには初期に計画が必要になってきた。加えて、非定型の中に不確実な要素が加わり、不確実性のマネジメントが必要になってきた。

さらに、現場のオペレーションから、経営のオペレーションまで対象にするようになってきた。つまり、予め計画された価値を実現することから、価値を企画し、価値を実現することまで、すなわち価値創造がプロジェクトの範囲になってきた。

プロジェクトマネジメントに求められる役割もこのような変化に併せて変わってきた。初期においてはオペレーションをいかに失敗せずに行えるかがプロジェクトマネジメントの役割だったが、今では価値を創造することがプロジェクトマネジメントの役割になってきた。詳しくは、

好川哲人「プロジェクトマネジメントの基本」、日本実業出版社(2011)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BC58H2E/opc-22/ref=nosim

を読んで欲しい。

ところが、プロジェクトマネジメントはなかなか、価値創造に結びつかない。今回のPMサプリはこの問題について考えてみたい。

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2016年10月14日 (金)

【PMスタイル考】第116話:説明をデザインする

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Setumei

◆説明とは何か

PMスタイルはWHYを中心に書いているが、今回のPMスタイル考はちょっと新しい試みでHOWを中心にして見ようと思っている。そこで「説明のデザイン」という行動テーマを取り上げてみたい。平たくいえば、説明をどのようにするのかという話をしたいと思う。

まず、説明とは何かというところから始めたい。説明という言葉は意外と定義しにく言葉だが、たとえば、

・事実の原因や背景、結果を明確にするようにその事実をまとめて述べること
・事実を明確にして、概念をわかりやすくすること
・なぜに答えること

といった定義があるようだ。ただ、これだけでははっきりしないので、説明と似ているが説明ではない概念を集めてみるとたとえば以下のようなものがある。

描写:行為、人物、出来事をそのまま述べること
定義:正確で字義的あ意味を述べること
指示:何かをするように指図、または命令をすること
詳述:詳細な情報を提供すること
報告:出来事について口頭で述べたり文章でまとめたりすること
例証:アイデアなどを明確にするのに役立つ例

日常会話の中で説明という言葉を使うときには報告とか、描写などが混ざっているこ
とも少なくないと思うが、厳密にいえばこれらは別物である。



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2016年10月 3日 (月)

【PMスタイル考】第115話:PDCAからOODAへ

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Ooda

◆不確実な環境で計画をどうするか

今ではITプロジェクトではすっかり定着してきた感があるアジャイルだが、アジャイルかウォーターフォールかという議論がずいぶんされてきた。この議論の本質は計画をどう考えるかという点にある。

たとえば、事業環境の変動によりプロジェクトの不確実性が非常に高いとする。このときに、どのような対応をするだろうか。大きく分けると、計画や管理を厳しくするか、計画や管理を緩くするかのいずれかである。

従来のプロジェクトマネジメントでは、前者を選択することが多い。例えば、計画を緻密にし、進捗報告のサイクルを短くして、変化に対応する。一方で、リスクの抽出を綿密に行い、変化をできるだけ早く捉えるようにするといった方法を取る。

一方で、計画ができないと考え、計画や管理を緩くすることも考えられる。アジャイルプロジェクトマネジメントはこの考え方を前提にしている。

計画を重視すべきかどうかの違いは、変化が想定できるものか、できないものかにある。想定できる変化であれば、計画を緻密にし、リスクマネジメントを強化すれば対応できる可能性が高いが、変化が想定できなればそもそも計画的なアプローチは極めて難しい。無計画だと言われるのは実がこういうケースが多い。



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