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2016年7月

2016年7月20日 (水)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(12)】 コミュニケーションのうまく行かない理由

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure

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◆コミュニケーションピラミッドとは

コミュニケーションピラミッドという概念をご存じでしょうか。コミュニケーションの対象の階層を表したもので、

価値観>ロジック>情報

という解層があるとしたものです。

情報のコミュニケーションとは情報交換で、たとえば、ホウレンソウで行われます。ホウレンソウには相談が入っているので情報交換以上のものがあると考えている人も多いと思いますが、相談とは判断を行う際に自分のみの判断が困難なときに上司や先輩、同僚に参考意見を聞くことですので、やり取りされるのは情報の範囲です。

その次のロジックになると、伝えたいことは、論理展開です。たとえば、提案や企画を伝えたときには、情報だけではできません。なぜ、そのような結論に至ったかというロジックを説明する必要があります。この場合、重要なのは情報を伝えることではなく、どのように考えたかを伝えることで、ロジカルシンキングが一般的なツールになります。

さらにその上には、価値観を伝えたいというコミュニケーションがあります。これはロジックでは伝えることはできません。感情、あるいは概念が必要になります。



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2016年7月19日 (火)

【PMスタイル考】第114話:洞察について考える

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆洞察

「洞察」という言葉がある。辞書を引くと

「物事を観察して、その本質や、奥底にあるものを見抜くこと。見通すこと。」

といった説明がされている。一般にはあまり使われない言葉だったが、最近、やたらと洞察をタイトルやテーマにした書籍が目立つようになってきた。原因は本質を見抜くことに対する関心が高まってきたことだろう。

一方でロジカルシンキングが普及してきて、論理的に考え、意見を述べることは普通になってきた。ところが、論理的であるにも関わらず、何か釈然としない、違和感があるといったことを感じることが多いと感じている人も少なくない。

実はここに洞察が必要な局面があるのだ。



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2016年7月15日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(11)】 全体が意味するものは何か?

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure

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◆抽象化は難しくない

コンセプチュアルスキルというと真っ先に出てくるのが、抽象化のスキルです。確かに、ロバート・カッツの

周囲で起こっている事柄や状況を構造的、概念的に捉え、事柄や問題の本質を見極めるスキル

という定義からすれば、抽象化することが重要だと考えられます。また、日本のように具体的な思考を重視する文化では、苦手であることも含めて、抽象化を意識してしまうのだろうと思います。

ただ、コンセプチュアルスキルのセミナーや研修をやっていて気づいたのですが、抽象化はそんなに難しくないようです。セミナーの範囲でもそれなりにできるようになります。


◆具体化には創造性が不可欠

ところが抽象化以上に難しいのが、具体化です。「いや、具体的なことは考え慣れているのでそんなはずはない」と感じられた方も多いと思いますが、たぶん事実です。

具体的なことばかり考えているというのが曲者で、逆に抽象的な概念が入らないので、ある範囲の中でしか具体的なことを考えられないのです。

それでも改善プロセスのように徐々に考える範囲を広げている会社も少なくありませんが、限界があります。

たとえば、リンゴやブドウについておいしいかどうか考えているときに、ニンジンやダイコンといった野菜は出てくるかもしませんが、牛や豚は多分出てきません。牛や豚を引っ張り出すためには、食用の生物といった抽象的な概念が必要なのです。

ただ、概念から具体的な事象を思いつくには、創造性が不可欠です。ここに、具体化の難しさがあります。

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2016年7月 1日 (金)

【コンセプチュアルスタイル考】第27話:コンセプチュアル思考で問題解決行動がどう変わるか

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9984019/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆はじめに

前回はコンセプチュアルスキルとしての問題解決に対して、5つの軸をどのように適用すればよいかを説明しました。今回はその続きとして、それによってどのように行動が変わるのかについて考えてみたいと思います。


◆問題行動を変える(1)

コンセプチュアルスキルが低い人の問題解決における「問題行動」として多いのは

(1)目先の問題の解決に終始するので、類似の問題が再発する(再発)

という行動です。このような問題行動を解消した問題解決を行うにはどうすればよいのでしょうか?

この問題行動を解消するためには、まず

・大局的にはどういう問題か/分析的にはどういう問題か
・長期的にはどういう問題か/短期的にはどういう問題か

と考えてみる必要があります。発生している問題を目先の問題としてしか捉えていませんが、どのように捉える必要があるかと考えてみると、

「大きく見るとこれはどういう問題で、その問題がどのように現実に起こっているのか」

を考えることが必要です。つまり、大局的/分析的な軸からの思考です。たとえば、前回、使いました交通事故の例でいえば、運転技術の分析的な問題として捉えるのか、運転環境も含めた大局的な問題として捉えるのかによってその解決方法が違います。そこで、両方の視点から考え、決めていくわけです。この例では運転環境の問題として捉えています。

前回少し触れましたように、このような思考軸は具体的な概念として起こっている問題を捉えるときに必ず必要な視点になりますし、思考の抽象度を考えるときに不可欠な視点です。

また、もう一つの視点として、長期的にみれば起こっている問題はどういう問題で、それがいまどういう形で起こっているのかを考えてみる必要があります。つまり、長期的/短期的な軸からの思考です。運転環境の問題は、短期的にみれば道路の問題ですが、長期的にみれば交通量なども含めた問題になります。このように長期/短期の視点は、解決策を考える際に、どういうスパンで考えればよいかを考えるために重要な視点になります。

そして、これらの答えを引っ張りながら、

・抽象的に考えるとどういう問題で、どういう解決策が考えられるか。その解決策を具体化すればどういう解決策が考えられるか

という検討を行う必要があります。つまり、交通事故といっても、どのような原因のものを対象とするのかによって抽象度が変わってきます。たとえば、交通事故全般を対象にするのか、運転ミスによる事故を対象にするのかによって、問題の抽象度が違いますが、抽象度を適切に取ることがよい解決策を考えることの前提になるわけです。

これらのアクションを取ることによって、

「問題の本質をとらえ、概念レベルで問題解決を行うため、再発しない問題解決をする」

ことが可能になります。



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