【PMスタイル考】第102話:モノづくりからコトづくりへ
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よくモノづくりから、コトづくりへと言われます。モノづくりとコトづくりはどう違うのでしょうか。
イメージ的にはモノづくりは製造業がこれまでやってきたことで、コトづくりはモノを使った付加価値づくりで、たとえばソリューションサービスのようなイメージがありますし、さらにいえばアップルに代表されるようにブランディングのようなイメージにもつながってきます。今回のPMスタイル考はこの問題を取り上げてみたいと思います。
モノづくりからコトづくりが頻繁に言われるようになってきたのは、おそらくアップルがiPod(携帯オーディオ)の展開を始めてからだと思われます。携帯オーディオではそれまではソニーのウォークマンの独壇場で、デジタル化にも早々に対応し、独壇場は続くと考えられてきました。
ところが、iPodをつくったスティーブ・ジョブズはiPodは単に携帯用オーディオとしてiPodを提供するだけなく、iTuneという仕組みを作り、音楽をオンラインで1曲ごとに購入できるサービスを展開しました。それまではCDを購入して、録音しnていたことを考えると、大変な付加価値を提供したわけで、まさにコトづくりをやってのけたわけです。
このあたりから、ハードウエアは入れ物で、ソフトウエアで競争するという方向に大きく変わってきました。ただし、ハードウエアはコトづくりの対象から完全に外れたかというとそうでもありません。この点については、あとでお話します。
表面的には、モノづくりからコトづくりへということで、ハードウエア作りからソフトウエア作りに代わったわけですが、この話はもう少し奥があります。そこを考えてみたいと思います。