PMstyle 2024年4月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2015年2月

2015年2月25日 (水)

【PMスタイル考】第99話:プロフェッショナルからタレントへ

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆注目されはじめたタレントマネジメント

Paretoタレントマネジメントというマネジメントがあります。例によって米国生まれのマネジメントで、この分野でもっとも影響力を持つ米国人材マネジメント協会SHRMでは

人材の採用、選抜、適切な配置、リーダーの育成・開発、評価、報酬、後継者養成等の各種の取り組みを通して、職場の生産性を改善し、必要なスキルを持つ人材の意欲を増進させ、その適性を有効活用し、成果に結び付ける効果的なプロセスを確立する
ことで、企業の継続的な発展を目指すこと

と定義しています。

非常に抽象的な定義ですので、よく分からないという方もいらっしゃると思いますが、要は、タレントとは、人材の持つ才能、技術、経験、業績などのことで、それを適材適所で仕事をできるようにしようというマネジメントだと考えればいいと思います。

日本でもたとえばIT業界ではITスキル標準という体系を作って、業界としてタレントマネジメントを行えるようにし、一定の成果を生み出しています。

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2015年2月18日 (水)

【PMstyle Proposition:003】使えるプロジェクトの教訓とは~使える教訓にする2つのポイント

Furikaeri◆教訓を使っているのは4人に1人

IPMA Conference 2000の発表論文「Managing Projects Management Knowledge」の中に以下のような調査があります。

・プロジェクトから教訓を感じる 75%
・プロジェクトの教訓を覚えている 62%
・教訓を誰かに伝える 55%
・教訓を別のプロジェクトに適用する 25%

簡単にいえば、プロジェクトマネジャーの4人に3人はプロジェクトで何かの教訓を感じているのに、教訓を別のプロジェクトに適用する人は4人に1人にすぎません。つまり、半分のプロジェクトマネジャーは何か教訓を感じても、何もしていないということになります。

これはナレッジギャップの問題と呼ばれますが、なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?いろいろな原因があると思われますが、根本的な問題として

別のプロジェクトへ適用しようとしたときにできない

という問題があります。

この問題の本質は、そのプロジェクトで起こった事象をそのまま伝えていることにあります。

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【PMstyle Column:006】プロセスからプロジェクトへ ~ プロジェクト・イニシアチブのススメ

Project1◆深澤直人さんの指摘

日経ビジネスオンラインにジャーナリストの林信夫さんがアップルのジョナサン・アイブのインタビューを元に、デザインについていろいろと想いを書かれている記事が掲載されている。

なぜ日本メーカーはアップルになれないのか デザインを殺すシステム、もう捨て去る時だ


その2月18日の記事に、深澤直人さんの指摘が紹介されている。深澤さんは、アイブと一緒に、「20th Anniversary Mac」のデザインを手がけた日本で数本の指に入るデザイナーだが、この指摘が非常に重要なので、意見を書いてみたい。

深澤さんの指摘とは、日本のインハウスデザイナーの仕事の仕方に対するもので、

「自ら何かを考え出さなくてもいい立場で、事業部が開発した技術などに対して最終的にデザインを『施す』ということが多い。つまり、プロジェクトを自ら作るのではなく、途中から参加するといった感じでしょうか。そこから発想できることは、非常に限られています」

だと指摘している。そして、

「そういうしがらみや決められたシステムがあるから、デザイナーにそんな力がなくても、システムに乗ってしまえば、ある程度の仕事ができる」

という。まさに、ここが大問題である。

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2015年2月17日 (火)

【PMstyle Proposition:002】チームでいいアイデアを出す方法

Conceptual5◆KJ法はコンセプチュアルスキルが必要

コンセプチュアルスキルはその生い立ちも「マネジャーに必要なスキル」として提唱されたものだし、スキルとしても思考スキルの側面が強いので、おのずと人のスキルだと考えらている。

しかし、よく考えてみるとそうでもない。

たとえば、コンセプチュアルスキルの一つのスキルとして、抽象と具象を行き来してものごとを考えるというスキルがある。

実はこれはチームのスキルとして非常に大切なスキルである。これをフレームワークにしたのが、フィールドワークの方法として生まれたKJ法である。

KJ法では、まず、具体的な事象なり、現象なり、観察事実なりを片っ端から上げていく。そして、それをグルーピングし、抽象的なラベルを付ける。つまり、概念化するわけだ。そして、その概念に対して、さらなる観察事実はないかと考えたり、あるいは、経験的な事実はないかと考えてみる。新しい事実が出てくれば、もう一度、その概念を見直して、今の概念で適切かを検討する。チームでこの繰り返しをする、すなわち、チームで抽象と具象を行き来していることになる。



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【コンセプチュアルスタイル考】第10話:5つの軸について考える~抽象的であることは悪いのか?

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9984019/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆はじめに

久しぶりのです。

前回までに説明しましたように、PMstyleのコンセプチュアルスキルはコンセプチュアル・シンキングと呼んでいる5つの軸を使った思考が中心になっています。この5つについて、いろいろな視点から考察してみたいと思います。

第1弾はコンセプチュアルスキルの中核になっている抽象と具象です。

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【プロデューサーの本棚】エッセンシャル思考

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グレッグ・マキューン「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」、かんき出版 (2014)

Kindle版><紙版

「本質」にこだわるためには、無駄を捨てて、大切なことに集中しよう。こういう掛け声のライフハックは多い。

しかし、なかなか、できない。正確にいえば、気にいったり、できそうなハックは実行してみるが、あまり効果が出ない。

なぜかといえば、ハックはハックであって、ツール群でしかないからだ。無駄を捨てて、大切なことに集中するというのは、ループ図を書いて見るとすぐに分かるがシステムを変えることに他らない。したがって、ハックではできず、システム的なアプローチが必要である。しかし、なかなか、そんな本はなかった。

そこに出てきたのが全米で大ベストセラーになったこの本。そのタイトルも「Essentialism」だ。なぜ、わざわざ原題を紹介したかというと、邦題は「エッセンシャル思考」であるが、この本は思考法を書いた本ではなく、「本質」イズムの実現方法を書いた本だからだ。そのつもりで読んだ方がよい。

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2015年2月 6日 (金)

【PMスタイル考】第98話:ソフトウエアについて考える

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Soft◆日本はソフトウエアが苦手

筆者は15年くらい前までソフトウエアエンジニアリングの研究開発に従事してしましたが、昔から

日本はソフトウエアが苦手

という思いがあります。

いわゆるソフトウエア品質に関していえば国際的なレベルでいっても高いと思います。品質とは何かという議論もありますが、仕様が決まったソフトウエアを決めたとおりの仕様で作る能力は極めて高いと思います。バグの少ない高品質のソフトウエアを作ることができます。

では、なぜ、そう思っているのかということですが、ソフトウエアというものに関する認識の違いです。



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2015年2月 5日 (木)

【プロデューサーの本棚】コンセプチュアルスキルを高める!

コンセプチュアルスキルはベーシックなスキルですので、日常的なトレーニングが欠かせません。

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その中の一つに、本を読むというトレーニングがあります。この記事では、みなさんのコンセプチュアルスキルを高めてくれる本を紹介したいと思います。

コンセプチュアルスキルの構成要素を

・思考技術
・思考態度
・実践(行動)

の3つのカテゴリーに分けて、それぞれに役立つ書籍を上げてみました。

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【お知らせ】問題解決を創造的にするセミナー

SouzoutekiPMstyleプロデューサーの好川哲人です。

プロジェクトやマネジメント、ビジネスでは多くの問題に遭遇します。遭遇した問題をどのように解決できるかで、成果は大きく変わってきます。

成果を大きくするためには、本質的な問題が何かということを適切に見極め、本質的な問題に対して、プロジェクトの目的を考えて手を打つ必要があります。

たとえば、みなさんが島に住む住人から、橋をかけてくれと頼まれたとします。この時点では問題は「橋がないこと」だと考えているわけです。

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