PMstyle 2024年4月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Powered by Six Apart

« 【告知】思考の道具箱を手にいれましょう!~コンセプチュアルに考える技術 | メイン | 【ご案内】PMstyleマネジャー向けの講座 »

2013年10月21日 (月)

【プロダクトマネジャー・ウェイ】第3回 プロダクトマネジメントは「システム開発」をどう変えるか

Product_management_2◆はじめに

プロダクトマネジャー養成講座では、コンセプトとお伝えするために、

「プロダクトマネジャー・ウェイ」

という記事の配信を始めました。

近い将来、バックナンバーを整理して公開する予定ですが、それまで、とりあえず、好川の執筆分は、このブログにアップしておきます。

株式会社スタイリッシュ・アイデアの新井 宏征さんが書かれた

第1回 プロダクトマネジャーのコンセプト
第2回 プロダクトマネジャー ケーススタディ

を受けての第3回として、

第3回 プロダクトマネジメントは「システム開発」をどう変えるか

を書きました。


◆プロダクトマネジャーの仕事

プロダクトマネジャー養成講座では、プロダクトマネジャーの仕事を

「プロダクトマネジャーは、限られたリソースを駆使し、社内外の専門家と連携しながら、製品やサービスを通して自社のビジョンを実現し、ライフサイクルを通じて顧客価値を創出する役割を担うミドルマネジャーである」

と 定義した。これからのこの定義に従ってプロダクトマネジャーの育成に取り組んでいく予定であるが、そのひとつの分野としてシステム開発を想定している。そ こで、今回はプロダクトマネジメントの導入によってシステム開発がどのように変わっていくかを少し考えてみたいと思う。


◆情報システムの変化

ま ず、最初に情報システムの役割を整理しておきたい。情報システムは基本的には社内業務の支援が役割だった。データの処理しかり、事務や設計業務しかり、調 達業務しかり、市場予測しかりである。このように役割においては、事前にすべきことを決めておき、それをコンピュータで実現することが情報化だった。情報 化により、省力化され、投資対効果は計画することが可能だった。

情報システムの使い方もだんだん変わってきて、企業が顧客に提供するサー ビスの支援、あるいはサービスそのものを構成するようになってきた。このような情報システムが社内業務と根本的に異なるのは、その価値が事前に確定しにく いことである。たとえば、アマゾンで買い物をすると、購入履歴や閲覧履歴に併せておすすめ商品を示してくれる。このシステムを作ることによってどれだけの 収益が得られるかは予想しがたい。

このようになってくると、投資対効果ではなく、目標としての価値を設定し、価値を生み出すためにシステムを頻繁に修正をしたり、あるいは、徐々に機能を拡充していくという方法をとることになる。

つまり、これまではシステムの運用をはじめたら保守の領域に入り、基本的にはシステムの機能を変更しなかったが、運用が始まってもシステムを構築したり、変更したりすることを前提としている。

この活動はシステムが廃棄されるまで、つまり、ライフサイクルを通じて行われる。


◆変化への対応としてのプロダクトマネジメント

以上のようなライフサイクルを通じての管理を従来のようにプロジェクトとして行うことは現実的ではなく、新しい枠組みが必要である。そこで、注目されるのがプロダクトマネジメントである。

プロダクトマネジメントの方法論を適用して、目標価値設定から、廃棄までのインクリメンタルな情報システムの開発と運用、フィードバックのマネジメントを行う。

も う少し、具体的にいえば、システム化を考えているビジネス領域で、どのように世の中が変わるかをシナリオとしてプラニングし、それにビジネス目標の達成の ための開発の計画を立てる。この部分は具体的にはプロダクトベースのプログラム計画になることが多く、ビジョン思考でできるだけオープンなリソース活用を することになる。

そして、開発した機能(サブシステム)はどんどんと投入していき、価値を実現していく。これは、ユーザー(ビジネスの当事者)の役割になる。


◆プロジェクトマネジメントからプロダクトマネジメントへ

こ こまでの議論では、プロダクトマネジメントをするのは誰かを明確にしてこなかったが、情報システムの場合2つのケースが現実的である。一つは事業会社の情 報システム部門とか、経営企画部門など、情報システムの責任部門がプロダクトマネジメントをするケース。ビジネスケースは情報システムの責任部門が作り、 その上で開発はITベンダーに任せることになる。

もう一つのバターンは、ITベンダーなどがアウトソーシングビジネスとして、ビジネスケースから開発、運用まですべてを行い、事業会社のユーザー部門にサービスとして情報システムの機能を提供する場合である。

い ずれにしても、これまでの開発マネジメントやプロジェクトマネジメントではマネジメントできなかった活動をプロダクトマネジメントによってマネジメントし ながら推進することが可能になる。そしてプロダクトマネジャーはどのような立場であれ、活動全体を仕切っていく役割になる。

コメント

コメントを投稿