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2013年7月23日 (火)

【プロデューサーの本棚】ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

4837956661_4ダニエル・ピンク(大前 研一訳)「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」、三笠書房(2006)


ナレッジワーカーが活躍する「情報の時代」に変わる新しい時代として「コンセプトの時代」を提唱し、そのコンセプトの時代に活躍する人材像を描いた一冊。

ナレッジワーカーだと意識している人に次のステップとしてぜひ読んで欲しい。


この数十年は、ある種の知識を持った特定の人たちがリードをしてきた。いわゆるナレッジワーカーであるが、これからは異なるタイプの人が社会をリードしていくだろう。それは、

何かを創造できる人、他人と共感できる人、パターン認識に優れた人、物事に意義を見出せる人である。具体的な職業でいえば、芸術家、発明家、デザイナー、ストーリーテラー、介護従事者、カウンセラーなどであり、また、総括的にものごとを考えられる人である。

「情報の時代」にはロジカルで直線的な能力を基盤に社会が築かれてきたが、これからは創意や共感、総括的展望を持つことによって社会や経済が築かれていくだろう。これが、コンセプトの時代だ。

コンセプトの時代に向けて、ビジネスマンが遭遇する危機は

・「過剰な豊かさ」がもたらす新しい価値感
・つぎからつぎへと湧き出す「競争相手」
・コンピュータへ「代行」されてしまう

という3つである。

コンセプトの時代を動かし、生き残っていくには、

(1)「他の国、特に途上国にできること」は避ける
(2)「コンピュータやロボットにできること」は避ける
(3)「反復性がある」ことも避ける

の3つを徹底する必要がある。

ここで注目されるのは右脳思考である。情報の時代から右脳思考は注目されていた。それは左脳(論理思考)の補完的機能としてである。

しかし、コンセプトの時代においては、右脳の持つ機能、すなわち

・感情面の意味を読み取る力
・直感的に答えを見出す力
・物事を全体論的に認知する力

の価値を認め、左脳と同等に活用していく必要がある。これが、「ハイ・コンセプト」「ハイ・タッチ」である。

「ハイ・コンセプト」とは、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力などを指し、「ハイ・タッチ」とは、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力などを意味しています。

それでは、ハイ・コンセプト、ハイ・タッチを可能にするために何を身につければよいのか。ダニエル・ピンクは「6つのセンス」を提唱している。「6つのセンス」とは

(1)デザイン
   ・機能だけではなくデザイン
   ・感情に訴える、商品開発の重要性。
(2)物語
   ・議論よりは物語
   ・説明では人は動かない。その物語に人は動かされる。
(3)全体の調和
   ・個別よりも全体の調和
   ・分析力ではなく総括力。
(4)共感
   ・論理ではなく共感
   ・人間関係を築き、他人を思いやる能力の必要性。
(5)遊び心
   ・まじめだけでなく遊び心
   ・「コンセプトの時代」には仕事にも遊びに笑いが重要。
(6)生きがい
   ・モノよりも生きがい
   ・有意義な生きがい、目的、超越、精神の充足。

本書ではそれぞれについて、1章ずつ取り上げ、センスの意味するところと身につける方法を詳細に説明している。以下、身につける方法について簡単にまとめる。

まず、デザインに関しては

・「気になったデザインは忘れず記録
・「デザイン専門誌」に触れる
・「自分のオリジナル」のモノを作る
・「愛着があるモノ」を点検
・目に「保養」を

などである。次に、物語については

・「ミニミニ短編小説」を書く
・「自分史」を語る
・質のいい短編を読む
・「ストーリーテリング・フェスティバル」に参加する

など。全体の調和については

・「優れた交響曲」を聴く
・「雑誌売り場めぐり」をする
・「いいたとえ話」は書き留める
・「インスピレーション・ボード」を持つ
・「素人の弱み」を活かす
・「空白のスペース」を探す

など。共感については

・自分自身を「テスト」
・「エクマン博士」の本を開く
・相手の感情を読み取る練習をする

など。遊び心については

・マンガの「吹き出し」のセリフを考える
・自分の「ユーモア度」を測る
・「発明」に取り組む
・「テレビゲーム」をする

など。最後、生きがいについては

・「感謝の訪問」をする
・「90歳になった自分」を思い描く
・自分の「精神性」を測る
・「迷路」を歩いてみる

などだ。

この本の出版は2006年であるので、もう7年がたつ。この本を最初に読んだときには、良く分からないものもあるが、いま、読み直してみるとすべてクリアになって、リアリティもある。

コンセプトの時代を生きる「コンセプチュアルな人」のバイブルだ。

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